『ありがち日記』

恩田陸『夜の底は柔らかな幻』上・下

文春文庫で読みました。
長いし、恩田さんらしいスペクタクル巨編でして、めちゃめちゃ興奮しました。
上巻から下巻の最初辺りまでは特に、登場人物の背景がいまいちはっきりしてないので、
どうなるんだろう…というワクワクと不安と、とにかく続きが読みたくなる展開でして。

本の紹介はこちら↓↓
国家権力すら及ばぬ治外法権の地である〈途鎖国〉。ここには在色者と呼ばれる特殊能力を持った者が多く、暗殺者を養成しているとも噂されている。自身も在色者である有元実邦は、警察官という身分を隠し、ある目的を持って途鎖国に密入国を企てる。闇月といわれるこの時期、在色者たちは途鎖に君臨する導師の地位をめぐって殺戮を繰り返し、またある者は密かな目的を持って山深くを目指す。密入国に成功した実邦だが、かつての実邦の婚約者で入国管理官として強権を揮う葛城や、途鎖での同級生だったが何かを隠している黒塚と再会する。さらに実邦の指導者だった屋島風塵、葛城の旧友で快楽殺人者となった青柳淳一など、関係者がいっせいに闇月の山を目指しだす。山の奥にひそむ導師の神山倖秀――実邦の元夫であり、葛城、青柳とともに幼少期を過ごした殺人者――と、途鎖の山奥に隠された〈宝〉をめぐって、彼らの闘いが始まる。

上の解説でほとんど網羅してますがなww

なので、核心はつかないけど、私なりの感想を。
途鎖国という舞台がまずは魅力的なんですよ、なんか神秘的で不思議に満ちていて不気味で…
そこに潜入捜査することになった警察官の有元実邦が、これまた主人公なのに、
どんな力を秘めているのかまったくわからないまま進んでいきます。

そこではかつての婚約者である葛城がギラギラと実邦を追っかけまわしておりまして、
さらにかつての同級生だった黒塚が怪しげに付きまとい、
そして途鎖国の警察官、善法が忠犬のようにひたすらくっついてきます。

また、葛城の級友である青柳淳一、元夫の神山倖秀といった、
これまた頭の中でムクムクと想像が広がるキャラクターが登場してきまして、
なんとまあ女子向きな作品なことよ…と思いました(笑)

難しいかもしれませんが、実写化されたら面白いかもしれないな~って。

最初はドキドキしてましたが、最後の展開はあれよあれよという間に終わってしまいます。
怒涛の展開というんでしょうかね。
SF的な、突拍子もないようなことが起きるんですが、
それは恩田さんの世界観だと思えば別に何とも思いませんです。。。
が、やっぱりもう少し丁寧にその後のキャラクターたちがどうなったか、描いてほしかったな。
意図的にこういう余韻を残したかったんだとは思いますが、
やっぱり実邦と葛城がどうなったのか、すごい気になるんですよー。

恩田さんの作品は、どこか最後にもやっとする部分もあるのですが、
そこに至るまでのストーリー展開、読者を惹きつけるものが本当に素晴らしいなと思います。
現実の世界を離れて楽しませていただきました!


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