『ありがち日記』

『ノーサンガー・アビー』(ちくま文庫)

ジェイン・オースティン作。
『高慢と偏見』(『自負と偏見』)が面白くて現実逃避にぴったりで(笑)、
機会があれば全部のオースティン作品を読みたいなと思いながらも、読まずにかれこれ数年か…

これは初期の作品ということで、確かに、わちゃわちゃ感(なんじゃそれw)も否めないけど、
訳者の方が仰る通り、「元祖ラブコメ」というのはよーく分かる!
平凡で、小説の読み過ぎによる妄想癖があるけど、優しく礼儀をわきまえている女の子キャサリンと、
裕福な家庭に育ち知性も教養もあり、聖職についているヘンリー・ティルニーが、
最終的には結ばれるという、今でいえば王道ラブコメ。
キャサリンは、とんでもない妄想を繰り広げてヘンリーに諭されるところもあるけれど、
次第にヒロインとして成長していく姿が爽やかに、好感が持てるように描かれている。
そしてヘンリーは間違いなく私のタイプのイケメンだし(笑)

他のキャラクターも、「いるいるこんなやつ!」って感じで笑える。
イザベラ・ソープのような女子はクラスに一人はいると思うし、
その兄ジョン・ソープは痛すぎるし(笑)
逆にエリナーはとってもいい子だったので、最後は幸せそうで良かった…♪

この当時は、嫁ぐ相手の家柄や財産が重要なポイントで(逆もまた然り)、
ましてや若い女性が恋に落ちるのは、男性からの愛の告白があってからじゃないとダメなんていう、
今じゃ考えられないような常識があったということも、この小説は教えてくれる。
それは、高慢と偏見でも同じように主人公たちが悩んでいたので知っていたけれども、
オースティンはそういう常識に対して、ユーモアたっぷり皮肉たっぷりに、
対抗していたのだろうというのが分かる。

もう一つ、私の中での新たな発見は、「アビー」という屋敷につく名称について。
もともとは修道院だった建物につくのだということを初めて知ったのね…
キャサリンが愛読するゴシック小説でよく使われているので、
この「アビー」という言葉だけでキャサリンが大興奮していたのが微笑ましい。
というか、自分にも同じようなことが当てはまるな…と^^;
だってね、例えばよ?
私的にはベルばらのような世界に憧れているわけで、宮殿とかそういうものに弱いわけよ!(笑)
大興奮する気持ちは多くの人が共感できるところなんじゃないかな?
そういう意味で、この話は古いけれど、今の私たちと何ら変わりない気持ちを
この当時の人たちも持って暮らしていたんだなぁって身近に感じられるものでもあった。
少し話はそれるけど、5月からだっけ?NHKさんで英国ドラマ「ダウントン・アビー」が
ついに放送されるということが決まったよね。
これにも「アビー」がついているじゃないの!!と、それこそ大興奮。
もちろん、いつか見たいと思っていたドラマだから嬉しいというのもあるけどね。

訳者の方のおかげで、古くさい感じもそれほどしないし、
続きが気になってさくさくと読んでしまった^^
同じちくま文庫の訳で、他の作品も読もうと決意…!いつになるか分からないけど。 


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