ABCは1983年に大ヒットを放っていて、ここ日本でも有名だった。
が、それは一発屋に近いイメージのヒット曲という認識で、アーティストとして認知されているのかは疑わしい。
私が彼らの最高傑作だと思うのは1989年発表のこの「up」。
このアルバムの話をUK POP・ROCK好きの友人に語ろうとしても、だれひとり聴いたことがない有様。
ようは、自分の中だけで「最高★★★★★」をつけて盛り上がっている作品。
ジャンルとしてはハウス・ミュージックで、私が大好きだった当時流行のサウンド・スタイル。
が、ハウスはあくまでスタイルに過ぎず、メロディやらリズムやらが醸し出す「雰囲気」こそがクオリティとして表れる。
ABC「up」はその意味でハウス・ミュージックの中でも最高峰にクールであり、あまりに日本で知られていなさすぎると感じる。
音像の拡がり感も最高なので、この手のサウンドが好きな人やオーディオ・ファイルにはぜひ聴いてみて欲しい作品だ。