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鬼平犯科帳と池波正太郎_その1_名言編

2012年08月31日 | Weblog
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鬼平犯科帳と池波正太郎(名言編)

◆池波作品の魅力

 剣客商売でも述べたましが、私は大の池波フアンです。池波の小説は、物語の展開が早いことに特徴があると思います。言葉のひとつひとつが洗練され、研ぎ澄 まされており「くどくどと、わしがいわなくても、わかるだろう」と読者に語りかけていると思います。

 娯楽小説の粋を分かっている、池波らしい文体で、読み やすく、気づくと、小説の世界に引き込まれ、時を忘れて、読んでいる自分がいる、そんな作品です。

◆鬼平犯科帳の名言

 池波作品の代表作が鬼平犯科帳で、火付盗賊改方長官長谷川平蔵のぶためを主人公にした捕物帖です。火付盗賊改方は火災の予防、盗賊の捕縛、博徒の取り締ま りを行った組織のことです。盗賊から鬼の平蔵と恐れられていたところから、ついた名前が「鬼平(おにへい)」で、実存した人間です。

 鬼平犯科帳で、池波は、くどくどした心理描写を省き、鬼平の語る洗練された言葉で端的に表現しています。その言葉のひとつひとが名言であり、時代小説を極め た池波だからこその職人技と思います。

 読者は、その言葉のひとつひとつに考えさせられ、感銘するのです。たくさんの鬼平名言の中から、そのいくつかを紹介 します。( )・・・・文春文庫( )巻。

◆鬼平の名言

(1)本所・桜屋敷より
 「女という生きものには、過去もなく、さらに将来もなく、ただ一つ、現在のわが身あるのみ・・・・・ということを、おれたちは忘れていたようだな」

(2)谷中・いろは茶屋
 「人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ」

(3)麻布ねずみ坂
  「その墓には、女の骨が入っておらぬのでございましょうな?」と、山田市太郎が長官にいったとき、「遺体がなくとも、墓は墓だ。墓をたて、その墓にほうむ られた人をしのび、これを供養した人のこころがあるかぎり、それは立派な墓なのだよ」と長谷川平蔵はこたえたということである。

(12)二人女房
 「おのれが強いのだか、弱いのだか、わからなくなって来る。そのときに、おのれの剣術もようやく本物になるのだ」

(15)特別長編 雲竜剣 赤い空
  「まことに、世の中とはふしぎなものよ。盗賊のために合鍵をこしらえ、大金を儲けている助次郎が、その金で諸方に報謝宿を設け、世のため人のためにつくし ているということは・・・・・」 いいさして笑い出した平蔵が、「のう、佐嶋。これはすなわち、盗賊に押し入られて大金を盗まれた人びとが、助次郎の手を 通じて報謝宿を設けたことにもなろう」「まことに、さようで・・・・・・」「金と申すものは、おもしろいものよ、つぎからつぎへ、さまざまな人びとの手に わたりながら、善悪二様のはたらきをする」※報謝宿:困窮者などを助ける慈善宿のこと。


以下・・・鬼平犯科帳と池波正太郎_その2_造語編_へつづく

 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やっと見つけました (市房山 少年父)
2012-08-31 18:16:54
ご無沙汰しています。鬼平のコメントではなくごめんなさい。
5月3日の市房山でレットと遊ばせてもらった少年の父です。やっとブログを見つけることが出来ました。ブログだけでなく動画まであり、楽しく拝見させていただきました。息子も元気なレットを久しぶりに見れて喜んでいます。霧島の方も解禁になり、登っています。また 近いうちにお会いできる日を楽しみにしています。  
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ありがとうございます。 (won)
2012-09-01 17:46:58
お子さんと一緒の登山いいですね。
私も若い時に子供と登ればよかったなと、今、後悔しています。
明るく、たくましく、まさに少年登山家で、隊長の役目も果たしておられました。
また、何処かの山で会えるのをレット共々、楽しみにしています。
お子さんによろしくお伝えください。
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