Bluether Magicがリリースしたカップ&ボールセットです。いつものようにRaphael氏がプロデュースしているようです。とりあえずPVを示します。
私がこのカップを知ったのはGINさんで販売されたからでした。
GINさんからこのカップが販売され始めたときに、まだ本家のBluether MagicのHPには商品は無く、なんでそんなことになっているのだろう?と思っていました。その後、今年の2月の後半ごろ、Bluether MagicのHPで販売が開始されました。GINさんで私は購入したので、まあいいかと思っていたら、Bluether Magicのサイトでは私がGINさんで購入したLargeサイズとは別に、MediumサイズとSmallサイズがあるではありませんか…。もう頼むしかないですよね(笑)。というわけで、3サイズ揃いましたので、紹介させて頂きたいと思います。Bluether Magicの商品ページを示します。
商品ページにありますように、かなりバラエティを揃えてきました。まずLargeサイズにはステンレスと真鍮の2種類の素材があり、それぞれに対して、その素材だけで作ったカップと中をマットブラックで塗ったカップの計4種類があります。一方、MediumサイズとSmalサイズには真鍮素材のカップはなく、ステンレスのみですが中は通常とブラックマットの2種類があります。まあCNC加工ですので、3Dデータがあればその正確な縮小版を作成し、縮小版データで削りだしを行う事で同じ形のミニカップを作ることは、スピニング加工で各サイズの作成用道具を用意する事に比べるとかなり容易だと思います。
今回私はステンレスのMatt Black Innerを各サイズ1つずつ購入しました。このブログではサイズ別にカテゴリ分けしていることもあり、今回は「Large Cups and Ball Set」について紹介したいと思います。次回、Medium、Smallサイズの紹介をします。
というわけで、今回はラージサイズの紹介です。同じHP上でも表記サイズが微妙に異なりますが、その一つに基づくとカップのサイズと重さは
Height 73.1mm x Width 76.8mm (mouth opening 68.4mm),Weight 260.6g(268g?)
とあります。
カップはCNC加工で作られており、手作業で磨き上げられた表面はとてもきれいです。また重量感もあります。なんでこんなに重さが必要なんだろうと思いますが、ファイナルロードで中に非対称なものを入れてもそれが倒れることや、ひよこなどの生き物を入れることでロード後に勝手にカップが動くことがないことが利点だとHPには書かれています。確かにそうですね。またCNC加工なのでカップ同士を打ち合わせた時の音はきれいです。
形に関しては、いわゆるポールフォックスタイプ(どこまでをPFタイプと言っていいかわかってませんが(;^ω^))で、テニスボールがちょうど入る大きさです。ショルダービードはジョンソンカップのように3本あり、トップにかけての傾斜が少し急でサドル(トップ)の面積が少し小さいです。つまり、通常のPFに比べて少し「尖った」感じです。このことは大きなロードボールをトップに置いたときに、カップに対してより大きく見えるため、不思議に見える効果があると思われますが、トップの面積が小さいため、3つトップにボールを置いてスタックしようとすると、対応できるボールがどうしても小さくなってしまいます。
実際、このカップに付属するボールのサイズは約7/8インチ、約22mmであり、通常もう少し小さなサイズのカップで使われるボールサイズとなっています。というわけで、付属のニットボールと、Barallel Vaseで使われているボール、マイク・ロジャー(7/8インチ)をトップに3つ置いた写真を撮影してみました。
とはいうものの、実は1インチのボールも多分使えると思います。後で紹介するTCCのMaster Cups and Ballsに付属するボール(HPでは27mmと記述)も3つ乗せた状態で何とかスタックできました。しかし、同じくTCCのチョップカップで使われている革製ボールは流石に3つ入れた状態でスタックはできませんでした(;^ω^)。なので、付属のボールがちょっと小さいと感じる方はもう少し大きなボールでも使えるボールはあると思います。
ボールについて話が出たので、付属ボールについて書きます。付属ボールは直径22mmのニットボールなのですが、中にはゴムボールが入っており、重量感があります。ちなみにTCCのMaster Cups and Ballsに付属するボールも同じニットボールですがこちらは無垢材(solid wood)がコアになっているので、ゴム芯に比べると軽いです。ビデオにあるようにゴム芯なのでボールをテーブルの上ある程度の高さから落とすと跳ね返ってきます(だから何?とは聞かないで(;^ω^))。網目も細かく、重さもあるので、個人的にはこれまで扱ったニットボールの中では、最も扱いやすいニットボールだと思います。このボールは単体での販売も行っています。色のバリエーションがあるので興味のある方はHPで確認してください。20ドルです。個人的には、大きさのバリエーションがもう少し、例えば1インチとかあるといいのにと思います。
カップに戻ります。このカップの特徴の1つとして内部がマットブラックにコーティングされています。これは、Bluether Magic と Raphael氏が出しているトミー・ワンダーカップのv2で行われた処理と同じであり、底にはRaphael氏のRが印刷(?)されています。内部を黒色にコーティングすることで、カップを上向きにした状態でボールを入れたときに反射でボールが見えることがありません。以前紹介したエルムズレイの手順などでこの状態が発生します。ちなみに、中が黒色になっているカップはこれまで紹介してきた中では、DPグループのPM カップ&ボール(銅)やCollectors' Workshopのカップがありますが、数は少なく貴重です。Bluether Magicのコーティングはとてもきれいです。使っていくうちにどれだけはがれていってしまうかはわかりませんが、もし剝がれてしまうなら、ちょっと見栄え的に良くないかもしれませんね。実際、私のCollectors' Workshopのカップは淵の近くのコーテイングが少し剝がれてしまってます。
ステンレスの削りだしカップといえば、以前紹介したTCCのMaster Cups and Ballsが最近リリースされてますよね。
評価も高いこのカップと少し比較してみます。重さは同じくらいです。形としては、Master Cupの方が口径が少し大きく、丸みを帯びた形となっています。ショルダービードは高さは同じくらいですが、本数が異なります。
あと、個人的にちょっと違うなぁと思ったのはリムのところで、Bluether Magicのカップはまるでスピニング加工をしたリムのような形をしつつ、それが途中で切れてるような感じ(すいません、上手く表現できていないかも)に対して、TCCのカップはマウスの底は「たいら」になっており、リムのところも角は丸まっているものの四角(立方体?)となっています。
形的にはこんな感じの違いですが、実は、スタックしたときの安定感はBluether Magicのカップの方が圧倒的に良いです。多少のぐらつきがあるのは普通ですし、それによって手順上困ることは無いと思うので、TCCのカップに少しぐらつきがあっても、それが問題点というわけではありませんが、Bluether Magicのカップはかなり安定しています。ボトムの面積の大きさは、ほぼ同じで、先に書きましたようにギリギリだとは思いますが、Bluether MagicのカップもTCCのボール3つをボトムに乗せたままスタックできました。
もちろんどちらが良いか?はいろんな面での比較となるので一概に言えませんが、あくまで個人的な意見ですが、細かい作りとしてはBluether Magicのカップの方がよさそうに見えます。まあ、値段がTCCのカップは150ドル(購入時は100ドル以下)でBluether Magicのカップは200ドルなので、その辺は差が出てくるかもしれません(逆にTCCのあのカップを100ドル以下でGetできたのはラッキーだと思っています)。重さに差があまりないので、あとはカップの形の好みでの判断になるかなと思います。
最後に、このカップの形を見たとき、以前紹介したWONDER HOUSE'S CUPSと形は同じだと思いました。実際比べてみるとほぼ同じでした。3Dデータをそのまま使ってるかもしれません。WONDER HOUSE'S CUPSは3つ中2つがChop Cupであるとか、ショルダービードとリムにエンボスライン(?)を入れてあるとか、スカート(Skirt)の部分にカップ&ボールを演じる人が彫ってあるとか、袋が革製で凝ってるなど、いろいろこだわりがあって450ドルしましたが、そのあたりのこだわりを取り、純粋にカップとしてこの形でリリースしてきたという感じですね。そのため大幅にコストダウンができて、半額以下の値段で提供できてるんですね。
というわけで。今回はBluether MagicのCups and Balls Set(Large)の紹介でした。私はPFのようにもう少しポテッとした形が好きなのですが、形が好みで削りだしのステンレスカップが欲しい!という人には、品質的にかなりお勧めのカップです。