カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

The Complete Cups and Balls by Michael Ammar

2020-11-29 12:38:00 | 本、DVD等

 前回、本を紹介しましたので、それに連動して今回も本を紹介します。Michael Ammar氏の「the complete cups & balls」です。「あれ?それはDVDのタイトルではないの?」と仰る方もいらっしゃると思います。そうです、カップ&ボールをやる人には必見のDVD「コンプリート・カップ&ボール第1巻&第2巻」と同じタイトルです。スクリプト・マヌーヴァさんから出ている字幕付きがやはりいいですよね。商品URLを下記に示します。まだご覧になったことが無い人には是非お勧めのDVDです。


コンプリート・カップ&ボール 1


コンプリート・カップ&ボール 2



 カップ&ボールが学べるDVDはたくさん出ています。日本語なら例えばUGMさんから出ているカズ・カタヤマさんのDVDや、昔マジックムーブメントさんから出ていた黒田さんのDVDmMLさんから出ているゆうきともさんのDVDなど、、、その他にもいろいろあると思います、、、が!、やはりこのマイケル・アマ―氏のDVDを超えるものは無いかと思います。今ではYoutubeで誰でも簡単に見ることができるVernon氏の本人の映像など当時では非常に貴重でした。また、ボブ・リード氏の歴史的考察も貴重です。L&Lの撮影クオリティも高いです!

 このビデオに関する思い出があります。DVDの中でアマ―氏がウォンドスピンバニッシュを教えてくれます。トマトくらいの赤いボールを消すシーンがあるのですが、それがとてもきれいで「そんな大きなものも消せるのか!」と感動した覚えがありました。生で見たい!と思っていました。そんな中、アマ―氏が日本にレクチャーに来られました(10年位前でしょうか)。そこで「何か質問はありますか?」と聞かれた時にリクエストをすると、すぐにやってくれました!これがまたきれいで目の前でも違和感なく大き目のボールが消えました!感動でした!


 少し話がそれますが、L&Lはそれまでのマジックの解説ビデオとは一線を画すものでした。きれいでわかりやすい映像でした。また、出演・解説するマジシャンが豪華で解説されるコンテンツもレベルが高かったです。。。しかし、マジックの解説は世界に溢れ、L&LDVDの値段はどんどん下がり、最近では、頻繁にディスカウントメールが来るようになっていました。当時1万円くらいで購入していたビデオが$9.00みたいなそして、先日Murphy’s Magicから以下のような内容を含むメールが来ました。

L&L Publishing's line of best-selling books, videos, and tricks is now owned by Murphy's Magic Supplies.

 ついに、L&Lが自ら運営できなくなってしまったか次々と素晴らしいコンテンツや貴重なDVDや本を出していた会社だったのに少し残念な気分になるとともに、時代の変化についていくことの難しさを改めて感じました。


 話が大きくそれてしまいましたこの最もすばらしいカップ&ボールのDVDに対応する本が1998年に出版されました。それが、今回紹介する「the complete cups & balls」です。と言っても内容はビデオとほぼ同じです。様々な技法と手順が解説されています。写真をふんだんに使い(この写真はアマ―氏の奥様が撮影したそうです)、矢印を使うなど、わかりやすく書かれていますが、やはり映像を見た方が理解しやすいのは確かでしょうね。ゆっくり深く理解するには本の良いところもあると思います。








 個人的にこの本の最大の価値の1つは、最後にボーナスとしてある、いろいろなマジシャンがカップ&ボールについて書いた原稿だと思います(トミー・ワンダー氏が紹介文を書いているところも貴重)。目次の写真を載せました。なんと豪華なメンバーでしょう。既に亡くなったマジシャンも多く、その方々のカップ&ボールやマジックに対する考え方などがここにはあり、それがとても貴重かつ有用であると思います。








 ちなみにこの本にはデラックス版もあります。L&Lの当時の売り方として特定の本に関してはデラックス版を限定数で販売するものがありました(実質L&Lがなくなったのでこういう限定版とかも今後は出ない、もしくは個人で作られるのでしょうね)。デラックス版と言っても中身は一緒です。ただ、デラックス版にはアマ―氏のサインとシリアル番号があります。紙函もあって高級感はありますが、通常版のカバー写真も個人的にはとてもいい感じなので通常版もお勧めです。






 既に販売されていない本ですが、検索したらまだ販売時のHPが残っているお店もありました。参考までにURLを示します。






The Oldest Trick in the Book by Bob Read

2020-11-27 08:29:00 | 本、DVD等

 前回Bri氏のカップ&ボールを演じるクラシックパフォーマーのフィギュアを紹介しました。折りたためそうな布がかけられた机の上にカップ、ボール、ウォンドが置かれ、腰にはロード用のバッグがかけられてますよね。100年前、200年前、300年前のカップ&ボールのパフォーマーはどんな格好をしてどのような道具を使い、どのように演じていたのでしょうか。その時代に書かれた絵を見れば多くの情報を得ることができます。

 このように昔のカップ&ボールを研究するために世界で一番カップ&ボールの絵を収集したのがBob Read氏でした。Bob Read氏と言えば、ボトルプロダクションの名人芸で有名なマジシャンですが、カップ&ボールの絵のコレクター&分析者として有名でした。マイケル・アーマーのカップ&ボールビデオ(DVD)に登場して絵の解説をしてくれている人です(と言えばわかる人も多いのではないでしょうか)。

 彼が集めた絵を中心に、カップ&ボールの様々な絵が印刷された本が2014年に出版されました。それが今回紹介する「The Oldest Trick in the Book」です。270ページで約2000もの絵が載っています。中には500年近く前のものもあります!ボブ・リード氏が亡くなった2005年から約10年経っていました。ちなみにボブ・リード氏が集めていたこれらの絵は2011年にイギリスのオークションにかけられ、世界に散らばりました。再びこれらを集めるのは困難であり、そういう意味でもこの本には価値があると思います。

 ただ、この本を手に取ったとき、思っていたものとかなり違っていました。by Bob Readと書いてあったので、氏の各絵に対する解説があるのかなと思っていましたが、中は美術館のパンフレットのように小さな絵とちょっとした解説がたくさんある形式でした。もちろん、この数に足して詳細なことを書いていたらとんでもない本になるのですが、個人的には代表的な絵をピックアップしてその時の時代背景やなぜ、マジシャンがこの格好をしているのかなどそんな解説が書かれている本だったらよりよかったなぁと思いました。

 

 Genii Forumでも、このあたりのことが話し合われています。(あれはボブ・リード氏が書いたものではない!みたいなことも言われています。)

https://forums.geniimagazine.com/viewtopic.php?t=44770

 Richard Kaufman(リチャード・カウフマン)氏がBob Read氏の資料を受け取り、何か作成しているようなことが書かれていますが、結局そのようなものは出ていないと思います(どなたか何かご存知ならコメント頂けると幸いです)。もう5年以上経ってますので厳しいと思いますが、出たらもちろん読みたいですね。

 ついでにDVDも紹介します。「Bob Read Collection (4 DVD Set) - DVD」です。多くが氏のマジックの映像ですが、注目すべきは、彼の持っている絵を用いたカップ&ボールの歴史のレクチャー映像が収録されていることです。ご興味のある方は例えばマジックオフレコさんで購入できます(202011月現在)

https://www.magic-offreco.com/?pid=75699289



















“The Street Performer” Fine English Pewter Limited Edition Figurine

2020-11-23 15:50:00 | カップアンドボール

前回Brian Watson氏のWatson Cupsを紹介したので、カップではありませんが、氏がプロデュースしたフィギアを紹介します。カップとボールを実演している昔のストリートパフォーマーの金属製フィギュアです。マジシャン(と言っていいのでしょうか)が来ている服や腰に下げているカバン、テーブル、カップの形、ウォンド、カップの持ち方、、、こんな感じで演じられていたんだろうなぁと360度の方角から楽しめるフィギュアです(まあ、フィギュアと言えばそういうものですね)。限定100個です。カップ&ボールの魅力の一つは数百年に渡って(もっと?)演じられてきたマジックの象徴であることですよね。現在のパフォーマンスも100年後、200年後からみるとクラシックなものに見えるのでしょうか数百年度はどんな格好をしてどんなカップを使ってこのマジックが演じられているのかと考えさせられるフィギュアです

 Bri氏はこのカップ&ボールを演じるパフォーマー以外にも脱出師やメンタリストなども作っていますが、やはりカップ&ボールのパフォーマー以外には魅力を感じませんでした(笑)
















The Watson “Heavies” Cups Limited Edition in Polished Copper

2020-11-21 18:34:00 | カップアンドボール

  Brian Watson氏がデザイン作成したWatson Cupの限定重量アップ版です。Brian Watson氏はCups&Ballsを愛し、パフォーマーとしてカップ&ボールの自身の手順冊子やDVDを出しているだけではなく、カップ&ボールに関連する置物やアクセサリーまでも作って販売している方です。いろいろカップもお持ちで、かなり昔ですがカップを評価されているWebページも作成されてたような

 そのBri氏が自分の名前を付けて作ったカップがこのカップです。評価も高いです。

The Watson cups have been designed from the ground up and from thousands of performances to improve all your cups and balls routines, sleights and moves! 

と商品紹介にありますので、実用的な形を追求して作られたようです。どういう技がなぜこの形だとやり易いのか?まだ、理解できていません

 カップの中央あたりにあるライン(これ何と呼ぶのでしょう?ご存知の方は教えて欲しいです。「側面のリム」と表現されていたり、「SHOULDER」とか「beads」と書かれていることもありました。)は2本ではなく、1本です。その高さはおよそシャーウッドのカップの高い方のラインと同じ高さです。シャーウッドカップと同じくテニスボールが入ります。そこも「ウリ」のようです。

 このカップを他のカップと比較している動画があります。

  またカップを入れる袋が面白く、袋の紐の先にカップを握っている手のトグル(toggles)が付いています。実はこのLimited Edition“Heavies” に限っては袋に「Watson Heavies」と書かれた革っぽいものが袋に縫い付けられているはずなのですが、ついていない早速Bri氏に問い合わせたところ、「コロナで工場が動いておらず、作れなかったので普通のバックを送った。また作ったら送る」という返事が来たのですが、いつになることやら

















DPグループのヒンズーカップ(モリッセイ製)

2020-11-15 23:46:00 | カップアンドボール
 ヒンズーカップが続きましたので、ついでにもう1つ紹介します。先に紹介した2つのカップは現在国内での購入は難しいですが、こちらは現在国内で購入できる商品です。真鍮製のカップでDPグループから販売されています。

 例えば、下記のマジックファンタジアさんから購入できます(202011月15日現在)


 3種類のコルクが入っており、だんだん大きくなる手順が解説されています。最後のボールはカップの大きさより大きなものが出てきます!カップの大きさは先に紹介した2つより少し背が低いです。肉厚のあるものではありません。海外のお店の写真では上にボールが乗っているものもありますが、写真のようにてっぺんは凹みが無いため、安定してボールをのせておくのは難しいと思います。手順でも特に乗せるようなイラストはありません。インドのカップと言われたら木製よりこっちの方が個人的にはイメージにマッチするのですが、皆さんは如何でしょう。。。

 今回、このカップを紹介するにあたり、解説書を再度呼んでましたら最後に「開発製造:モリッセイ社 この商品の日本における総販売代理権はDP GROUP LIMITEDが取得しています」とありました。そこで、「Morrissey, Indian Cups」あたりのキーワードで検索したところ、商品ページが見つかりました。いくつか見つかったのですが例えば下記のページです。


 $48.50ですので、確かに日本で6000円くらいで販売されているのは妥当な値段ですかねと思って解説を読んで少しびっくりしました。チャーリーミラーのコメントと、解説されているのはチャーリーミラーの手順(Genii Magazine.から)ではないですか!DPグループさんの解説書にはどこにもそんなことが書いてない。もったいないじゃないですかぁ!と思ってしまいました

 実は私も観たことは無いのですがチャーリーミラーの手順はこのDVDで見ることができます。同じ手順かどうかは分かりません。また見る機会があれば紹介します。


 そして、、、このカップは海外ではほとんど売り切れ… 真鍮製でそんなに立派なカップでもないかなと思っていたのですが、今となっては珍しいのかもしれません。倍近い値段でオークションでも売られたようですし


 というわけで、もしヒンズーカップ(インディアンカップ)に興味がある方は今のうちに購入しておくのも良いかと思いました。