カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

The Golden Shells by Whit Haydn

2024-10-24 23:11:00 | スリー・シェル・ゲーム

 これまで、カップ&ボールのカップの形をしたスリーシェルゲーム用ミニカップを幾つか紹介しましたが、最も多いのはクルミの形のシェルであり、私もクルミの形のシェルを使っています。いくつか家にありましたの紹介していきたいと思います。一つ目として紹介するのは、私が使っているWhit Haydn氏の「The Golden Shells」です。20年以上前にL&Lで購入しました。解説書には手順はありませんが、このシェルが出来た経緯とかスリーシェルの歴史などが書かれています。もう販売されていないと思っていたのですが、タネンで見つけました。

Golden Shells trick

Over six months in the making, Whit Haydn and Chef Anton have created the perfect shells for any Three Shell Game routine. Including design enhancements and tips...

Tannen's

 

 本シェルはピューターで作られた本体に24カラットの金で厚くメッキされたシェルです(22カラットと私の持つ解説書には書かれていますが(;^ω^))。重量感があり、高級感もあります。細部にこだわり作られており、Johnny Thompson氏が"This set of shells and peas is going to be for the shell game what the Paul Fox cups were for the cups and balls."と書いています。でもポールフォックスはちょっと言い過ぎでは…(;^ω^)。この商品が出てから、金色のシェルがいくつか販売されています。一度「高級ゴールデンシェル!」と書かれた数千円のシェルを購入したことがあるのですが、全然違うものでびっくりしました(笑)。この「The Golden Shells」ですが、実はMAJIONさんでも販売されています。

Golden Shells(金色のスリーシェルゲーム) - マジックショップ MAJION

1万円以上のご注文で送料無料!初心者から玄人までお楽しみいただけるマジックショップMAJION。 世界中のマジックグッズの中から専門家がセレクトしたアイテムの販売から、...

マジックショップ MAJION

 

「Pop Haydn監修のスリーシェルゲームの用具でセットです」と書かれています。私の中ではWhit Haydnという認識だったので、??と思いましたが同一人物ですね。Whit Pop Haydn氏はハリウッドのマジックキャッスルの元副社長であり、クロースアップ、ステージ、パーラー、バーのマジックで6回も受賞しています。

Whit Haydn - Wikipedia

 

 さらに、MAJIONさんで購入すると「MAJION特製手順動画」が付いてきます。

 野島さんの映像は、はじめて見た方は、特にスリーシェルゲームを知っている方ほど引っかかってしまうのではないでしょうか(私だけ?)。ただ、私が勝手に想像した手順の場合、これが行えるピーをお持ちでない可能性もあります。私はこのシェルを持っているのでこの手順のみマジオンで別売頂してほしいです(T_T)…。商品説明では、ジャストサイズのグラスが絶賛されてます。よく「ゴトッ」ってなってる演技ありますもんね(;^ω^)。でも、逆にギリギリ過ぎて私のセットはマット上では問題ないですが硬い面に置くとグラスの口がちょっと浮きます(^◇^;)

 Whit Haydn氏のこだわりはいろいろあるのですが、個人的にこのシェルがいいと思う点を述べます。①重量があり、しっかりしている、サイズ感も良い②底が(ある程度)平らであり、滑らせたときに滑らかに進む③おしりに少し空きがありスチールしやすい(ガタッとなりにくい)④底が少し湾曲しているため前・後ろを押すと反対側が少し上がる






 次に手順です。多くの手順が発表されていますが、私はこのシェルを使ったBob Kohler氏の「Golden Shells」というビデオで解説されている手順を演じています。私が購入したのはもう20年以上前で、ビデオテープでしたが、今もDVDで販売されています。

Golden Shells by Bob Kohler - DVD

Works with any shell set Absolutely angle proof Bob Kohler

Penguin Magic

 

 ちなみにWhit Haydn氏の手順の動画です(2018年マジックキャッスル)


この手順の解説動画もリーズナブルなお値段で販売されてます。

Pop Haydn

Pop Haydn teaches every detail of his award-winning shell game routine. The video includes live performances of the routine in the Close-Up Gallery and the W. C....

Penguin Magic

 

賞も受賞している素晴らしい手順だと思いますが、長いですよね…これを実現するためにはやはり、表現力・コミュニケーション力が必要です。技術解説があるので、それらを使って自分なりの手順を組み立てるのも良いかもしれません。Whit Haydn氏は他にも解説DVDをChef Anton氏とBob Sheets氏と共に出しています。これも詳しくて良いと思います。

Scoundrels Touch (2 DVD Set) by Sheets, Hadyn and Anton- DVD

In this two disc Volume II, Chef Anton, Whit Haydn, and Bob Sheets outline their advanced system for the shell game and teach routines complete with patter and a...

Penguin Magic

 

 日本では、やはりテレビ番組で実演されていた、ふじいあきらさんの手順が有名ですよね。道具付きで販売されていましたが現在は在庫なし状態が続いています(T_T)。

【用具+解説DVD!】ふじいあきらの「こだわり」スリーシェルゲーム〜プロの用具・プロの手順!〜 [monthly Magic Lesson Shoppers]

また、日本語の本格的解説DVDとしては、黒田氏の「東京都東くるみ市」があります。

東京都東くるみ市  ★永久保存版★-モテまじっく倶楽部

プロ、アマ待望のdvdがついに完成!!ほんとにやばいです!!東京都東くるみ市  永久保存版スリーシェルゲーム“史上最強のでんすけ賭博”Mr.Kuroda氏の18番...

モテまじっく倶楽部

 

 本(冊子)もいろいろ出ています。私が読んだものは20年以上前に根本さんのお店で購入したTom Osbourne氏の「Three Shell Game」です。1stエディションは1938年で当時これだけ詳しく書かれたものはなかったかもしれません。Lybrary.comで5ドルで購入できます。あと、松田道弘氏の遊びの冒険シリーズ3「ギャンブルのトリック」の中で少し取り上げられています。

 関連サイトを3つほど紹介します。

①スリーシェルの商品やDVDなどをまとめたサイト(Reference Guide to the Three Shell Game)です。スリーシェルへの愛を感じます! 

Reference Guide to The Three Shell Game

②歴史や、どんな風に行われたかなどが書かれたサイトです。Boschのカップ&ボールの絵がドーンと出てるところがいいですね(笑)

THIMBLERIGGING – HOW TO PLAY THE SHELL GAME

The Conjuror, by Hieronymus Bosch and workshop, between 1496 and 1516. Public domain, via Wikimedia Commons One of the most basic, yet also the potentially most ...

GRISTLY HISTORY

 

③マジェイアさんのページです。さすがの内容です。「The Golden Shells」の話もでてきます。

Three Shell Game

 というわけで、今回は3シェルゲームのシェルの紹介第1弾として「The Golden Shells」の紹介とその他いろいろ書かせて頂きました。しかし私はこのマジックをレパートリーにできていません(;^ω^)。3シェルゲームは基本ギャンブルなので、マジックとして観客に楽しんで頂くには演出に工夫が必要です。カップ&ボールでもそうですが、観客が指したところに玉が入っていない場合、観客は不思議ではありますが、楽しめるでしょうか?ここを何とかしないとと思っています。しかし、多くのマジシャンがこれで観客を楽しませているのは事実ですので、レパートリーにすべく、勉強していきたいと思います。

ちなみにGary Ouelletの演出も評価他界です。優しい感じがしますね。


 スリーシェルゲームの歴史の話になると、クルミを使う前はシンブルが使われていたということが書かれています。はじめて読んだ時ちょっと驚きました。小さすぎでは?と思いました(笑)。シンブルはカップとは比べ物にならないほどバラエティがありますので、お洒落なシンブルで行うとまた雰囲気が変わるかもしれません。シンブル専門の本とかあって奥が深いです…




Charlie Frye(チャーリー・フライ)

2024-10-07 08:38:00 | マジシャン別

 今回はCharlie Frye氏の紹介です。といってもいつものようにカップ&ボールに特化した形での紹介となります(;^ω^)

 昨年(2023年)、氏の本「Sleightly Absurd」がリリースされました。約300ページの大型ハードカバーの本で、50以上のマジックが1000以上の写真を使って解説されています。国内でもいくつか取り扱っているお店があり、今回はGINさんのページを紹介します。

Sleightly Absurd by Charlie Frye (洋書)-マジックショップGIN

※ご注文確定後、1〜2週間でのお取り寄せとなります。他の商品と合わせてご注文の場合、本書入荷時の一括発送となります。唯一無二とも言える異色のマジッ...

マジックショップGIN

 

 この本の7章(Act7)に「The Cups & Balls」があり、そこに3つの手順が解説されています。今回はこの3つを簡単に紹介したいと思います。

<CLOSE-UP ROUTINE>

 1つ目はクロースアップで最も演じていると書かれているこの手順です。まずは演技動画です。


 この手順は氏の作品集である「Eccentricks」のVol.1に収録されています。いくつかのお店でダウンロード版を購入できますが、MAJIONさんのページを示します。

【MMSダウンロード】Eccentricks(エキセントリックス) by Charlie Frye - マジックショップ MAJION

1万円以上のご注文で送料無料!初心者から玄人までお楽しみいただけるマジックショップMAJION。 世界中のマジックグッズの中から専門家がセレクトしたアイテムの販売から、...

マジックショップ MAJION

 

 このビデオ(当時VHSを買ったような…)はかなり古いので、氏が最も古くから行っていた手順だと思われます。いわゆるバーノンの手順とは大きく違う、独創的で不思議な手順ですね(;^ω^)。しかも、あのカップを使ってますので、いきなり公明正大な貫通が行われ、そのあと技術でさらりと続けるので貫通現象が非常にクリーンに見えますよ。その後もギャグとジャグリングが入った氏らしい手順だと思います。

 ただ、あくまで個人的な意見ですが、カップの置き方が統一されてなかったり、少し違和感を感じるところがあるのも確かなんです。これは私がカップ&ボールを見過ぎて、一般的なカップ&ボールと違うから違和感があり、普通の人が見たら違和感がないのかもしれません(-_-;)

 あと、まあ難しいですね(笑)。私はうまくできる気がしません(笑)。また、ファイナルロード用のボールも少し特徴的なものが必要で、少し伸縮性のあるボールが望ましいのです。いいものを見つけるのは意外と大変だと思います。よいボールがありましたら、情報頂けると幸いです。今回、伸縮性のあるボールを探していて見つけたのがガチャガチャ商品である「むぎゅっ!ビリヤードボール」(コロコロコレクション むぎゅっ!ビリヤードボール)です。メルカリで出品されていたのでいくつか購入してみました。確かに少し握ると縮むというか変形してまあまあ良いのですが、個人的にはもう少しだけ柔らかい方が扱いやすいかもという感じでした。さらにカップの形やサイズは様々なので、やはり自分のカップにあった適切なボールを見つけるのは大変だろうなぁとも思いました。

 ちなみにここで使われている素敵なカップはカップはデュッセルドルフ(ドイツ)の「Wolfgang Kaps」という友人が作ったカップだと本には記載されています。



<CUPS & BALLS>

 2つ目は、テニスボールを使った手順で、カップ&ボール用のカップを使っていますが、小ボールを使わず、全てテニスボールで行う手順です。ですので、一般的なカップ&ボールとは少し違う感じがする手順です。演技の出だしはスリーシェルゲームのような当てもので、そこから不思議な事が起こるという演出です。

 実演動画です。


 これも、ちょっと特殊なテニスボールが必要です。チャーリー・フライ氏は有名なAlan Wong氏のものを使っていたと思います。実は、この手順はストレートマジックショップさんが2022年に行ったレクチャーでチャーリー・フライ氏が演技・解説をされてました。残念ながら今はその映像を購入することはでき無いと思います... (必要でしたら直接ご確認下さい。クロースアップではなくパーラーで行うことが多いと言ってたような気がします。

 氏のようなギャグをはさみながらの手順を私が実演するのは難しいのですが、このテニスボールは使ったことないものの、持ってますので、今度、通常のカップ&ボールの最後の出現に使ったらどんな反応が得られるかやってみたいと思っています(笑)

 最後にウォンドでカップを叩き、音楽を奏でています。私はよく知らないのですが、トワイライトゾーン(米SFテレビドラマ?)の音楽の一部のようです。このカップは、1つ目の手順で出てくるカップとよく似ているように見えますが(少し1つ目のカップの方がスリムな形です)、ニュージーランドのAnton van Heldenという友人からもらったとのことです。で、この手作りカップを叩いたときの音がそれぞれ違ったので、それで音楽が奏でられないかと考え、いろいろ試行錯誤してこのメロディーになったとのことです…



<CUPS & BALLS ON STEROIDS>

 最後は、これまた、通常のカップ&ボールからは大きく離れた面白い手順です。

 実演映像です。


 どこかで見たようなカップとスポンジボールの組み合わせ…。このブログでも何回か紹介させて頂いた、Johnny Paul氏の手順にチャーリー・フライ氏がインスパイアされ出来上がった手順だそうです。

 貫通現象から始まり、どんどんボールが増えて、最後少し大きなボールも出てきます。7個の3インチボールと1個の4インチボールです。大きいですよね!カップもJohnny Paul Cupよりも一回り大きいカップで、氏が使っているのはIckle Pickle製のカップです。Ickle Pickle社は多くのアルミカップを出しており、その中の一つで「Cups & Balls Large Beaded」だと思います。ちょっと前まで品切れで、私はebayで購入しましたが、今見たら販売されてますね。恐らくこのカップだと思いますが違ったらすいません…

Cups & Balls Large Beaded

 非常に楽しい手順なのですが、このサイズのスポンジボールを消したり、出したりという、これまた、やはり基本技術の問題で私には実演はちょっと厳しいかと思っています…(T_T)。また、Johnny Paul氏のときもそうですが、カップとスポンジの関係も正直難しいです。Charlie Frye氏の本では、このあたりの問題を解決するために少しカップに工夫することも解説されています。



 どの手順でも氏らしく、一般的なカップ&ボールとは違い、かなり個性のある手順です。ですのでなかなかこれらをそのまま演じる方はいらっしゃらないかと思いますが、いろいろヒントは隠されていると思います。全ての手順は本に解説されていますので(英語ですが…)ご興味のある方は他にも氏の代表作が詰まっていますし、本を購入されると良いかと思います。