輪ゴムと一緒にカバンにいつも入れているマジックです。1998年ごろMcDonald'sハッピーマジックシリーズという商品が3種類発売されていたのですが、この「魔法のメニュー」はそのマジックメニューという3つのマジックがセットになった商品の一つです。
14種類のマクドナルド商品が描かれたメニューカードといくつかの商品が描かれたドナルドのメニューカード4枚があります。まず、相手にメニューカードを見せて、いま一番食べたいものをひとつ心の中で思ってもらいます。ドナルドのメニューカードをよく切りまぜ、自分は表を見ないように相手にだけ表が見えるように1枚ずつ見せていき、心に思たカードがあるかないかを聞いていきます。4枚のカードを見せ終わると、演者はズバリと相手が思ったカードを当てます!
古くから、数字がたくさん書いてあるカードを使った同種のマジックがありますが、これは覚えてもらうものが数字などではなくメニューであり、しかもマクドナルドという親しみのある商品なので、数理トリック臭さが幾分減っていると思われます。また、相手が存分に混ぜたカードを使い、相手にカードを見せるときはマジシャンは表を見ず、さらに横を向くこともできますので、不思議さもあると思います。完全に相手に渡してしまい、無かったカードだけ裏向きでテーブルに捨ててもらうという方法でも良いと思います。1998年のマックのメニューなので、今は無いプリンやアイスクリームなんかがあったりして、それはそれで面白いです。当てるときも、「結構お腹すていますね?」とか「甘いものお好きですか?」など遠まわしの表現も使えたりするのもいいと思います。
私はそこまでしていませんが、マックの商品のストラップやマグネットがあるので、相手が思い浮かべたメニューのミニチュアをどこからか取り出したり(全てを持ち運ぶのが現実的ではありませんが…)、2,3のカードセットを用意して2,3品を選んでもらい、演者の財布を開けるとそこからその組み合わせのレシートが出てきて「今日たまたまその組み合わせを昼に食べたんですよ…」というとか、、、いろいろ演出が考えられそうです。
この商品のカードのコピーライトが97年でマクドナルド、解説書のコピーライトが98年でTENYOとなっていますので、98年ごろの発売の商品だと思われますが(リアルで買っていません)、99年のスペシャルマジック(ウサギマークを集めて応募するともらえるマジック)が同じ原理でもう少し一般的な選択内容とした「ドリームサイコメトラー」となっています。カードの裏模様も色違いですが同じです。同時に作ったのか、「魔法のメニュー」を作った後、これはいい!ということでスペシャルマジックにしたのか…詳しいことはわかりません。どなたかご存知の方はコメント頂けると幸いです。
さらに、2017年に超メンタルマジックシリーズという商品群が発売されたのですがその一つに「ドリームサイコメトラー」が入っています。テンヨーさんがこのマジックをいいマジックと認めていることがわかります。
旧バージョンから新バージョンはおよそ20年経っているのですが、描かれている絵の意味は同じです。人間が欲しいものはそう変わらないということなんでしょうか…まあ、パソコンとかは絵がディスクトップからラップトップに変わってますが…(笑)。比較すると旧タイプはカードがプラスチック製で(多分)固くてツルッとしています。一方新タイプは紙製で、はじめに見せる全てのアイテムカードが両面印刷になっており、片面には英語バージョンが印刷されています。インバウンドを狙ってのことなのでしょうか、海外の人への実演も増えているだろうという事なのでしょうか…。高くないので海外の人にプレゼントしても喜ばれそうです。
このマジックの基本原理は古くからあり、昔は数字を当てるマジック(意味を持たせるなら歳や誕生日など)からはじまったのではないかと思います。原理を解説したWebサイトも多くあるので引用しようかと思いましたが、種明かしになるのでやめておくことにしました。このマジックの原理は、最近では中学の技術(情報)の科目でコンピューターなどの解説で学ぶ〇〇(以前は中学の数学でも教えていたらしいですね)に基づいていて、初めて知ったときはその使い方に感心しました。マジックをやるだけならそこまで知る必要も無いので、単純にやり方だけを解説している場合も多いです。ちなみに、東京堂出版から数学マジック事典という数学マジックばかりを集めた本が出ており、そこにこのマジックもありますが、原理の詳しい解説は無いので、自分オリジナルコンテンツを作ろうと思うとちょっと考えないとできないと思われます。この本には様々な数学マジックが載っており、ちょっと表現が古かったりするところもありますが、解説されているマジックは数学の基本原理があるものなので、それを用いて自分の演出に応用することも十分可能です。カレンダーをつかったもの、電卓を使ったもの、ダイスを使ったもの、錯覚を使ったもの、トポロジーを使ったものなどいろいろあります。
数学マジック事典 - 株式会社 東京堂出版 限りなく広がる知識の世界 ―創業130年―
数字を当てるバージョンで非常にシンプルに行うものとして私が持っているのは、1990年に発売されたVOLVOのトランプについていた「Mystery of 63」というパケットです。トランプのセットにこんなん付けるなんてなんてお洒落…と感動しました。63までの数字を心に思ってもらい、数枚の数字が描かれたカードを見せていきあるかないかを聞きます。最後のカードの判定をしてもらうと、思った数字を当てることが出来ます。
このマジックは原理がシンプルなので、最も基本的なやり方の場合、マジックをやったことない人でもできますし、しかもこれを教えることで他のマジックへの悪影響も殆どありません(と個人的には思っています)。さらに紙で作れるので安価で作れます。そこでこのマジックをお土産マジック(大子供でも大人でも喜ばれます)やレクチャーマジック用として販売されているのがフォーサイトさんです。私は「すきなフルーツ」と「動物当てマジック」を購入させて頂きました。特徴としてはこれまでのカードを複数枚使うのではなく、1枚の紙しか使わないという事です。さらに折りたたんだときの短辺の長さはおよそ1万円札くらいの幅くらいなので財布入ります。非常にポータビリティが高いです。複数セットで販売していますのでプレゼントに使えます(1枚300円しません)。「すてきなフルーツ」は演者の負荷を非常に減らす工夫がされてますし、「動物当てマジック」は干支になっていますので、とても参加しやすいですね。大人同士なら干支がわかることで年齢までわかってしまうかもですね(;^ω^)
すきなフルーツ
http://www.a-tejina.com/nso/17_6801.html
動物当てマジック
http://www.a-tejina.com/nso/17_6760.html
最後に紹介するのは、計算すらいらないバージョンです。カードに穴が開いていて、あるかないか聞いていき、あることをすると穴にその相手が思った数字が出てくるというものです。私は2種類持っていて「ラッキーナンバーカード」と「Soul Playing Card」という商品です。「ラッキーナンバーカード」は50までの数字を対象としており、「Soul Playing Card」は9種類のフルーツの絵を対象としています。「ラッキーナンバーカード」は昔I-Magicさんで購入したのですが、現在は販売されていません。「Soul Playing Card」はまだマジックファンタジアさんで販売していたので下記にURLを示します。300円しませんのでプレゼントにも使えると思います。ただ、マックのメニューの場合は14種類を4枚のカードを使って当てるのに対して、このフルーツの場合は9個のフルーツを10枚のカードで当てるので、ちょっと冗長で相手が飽きちゃうかもしれませんね(;^ω^)
「Soul Playing Card」
Soul Playing Card-マジックショップ マジックファンタジア
推理マジックの決定版がこれ!9種類のフルーツが書かれたカードを示します。この中から全く自由に1つのフルーツを心に思ってもらいます。マジシャンは全て異なる7種類...
マジックショップ マジックファンタジア
写真はパイナップルと25を思った場合の結果です。
最近では、絵やカードを作ったりするのも容易になってきているので観客に合わせてオリジナルコンテンツを作成すると面白いかもしれませんね。ちなみに私もマジックレクチャーを子供たちにするときはこのマジックを入れてますし、大人にもプレゼントすることもあり、私にとってはとっても有用なマジックです。
<2022年11月9日追記>
この記事でテンヨーの「ドリームサイコメトラー」を紹介しましたが、2005年の三ツ矢サイダーのキャンペーンでプレゼント商品として使われていたことを知りました。
ニュースリリース 2005年|会社情報|アサヒ飲料
そして入手しました(笑)。通常は「星」の絵があるところに三ツ矢サイダーのボトルとサイダーを入れたであろうコップの絵があるというものです。
キャンペーン対象の「三ツ矢サイダー PET1.5L」を購入するとそのネック部分に付いてたようです(6種類、400万個)…、マジックブームに乗ってのことだそうで…いい時代だったなぁ~という感じです。あまり、当時の記憶が無いのですが、今ならプレゼントにも使えるのでペットボトル買いまくるかもです(笑)。テンヨープロデュースということで、定番ネタですが、良いマジックで構成されています。マギー審司さんをキャンペーン アドバイザーだったようです。
そういえば、昔はペットボトルの首にはときどきキャンペーンのおまけが付いていたような気がします。最近はあんまり見ないような…いやフィギュアとかありますかね??それとも、自分がコンビニで飲み物を買わなくなったのか…
ドリームサイコメトラーは描かれている絵(写真)によって楽しさ倍増するので、やはりもう一度マックやモスとかディズニーなどとコラボして作って欲しいです。