手の平に乗るほどの小さな双眼鏡ですが倍率は7倍。
実はこれは2代目なんです。
初代は6倍でボディが梨地クロームメッキでした。
15年ほど前、今までの人生でただ一度の盗難(車上荒し)に遭いまして、そのまま出て来ず終い。
他に大した物は入って無かったんですが、かれこれ25年間何時も持ち歩いていたのを盗まれるとは痛恨の極み。
警察は何をやってるねん、と文句を言う前に自分の不注意を反省せなあきませんわねぇ。
何時も持ち歩いているといっても、妙な趣味は表向きありません。
もっぱら野山で遊んでいた頃からの必需品。
これが無いことにはルートの偵察がままならんのです。
山登りから遠ざかってからも、花や木の実、鳥、運動会での我が子探しに便利でした。
仕事でも港の船の船名や信号旗の確認、簡単に近づけない場所に付いている艤装品のチェックに、と良く役に立ってくれたんですわ。
初めての場所へ車で行く時は、ナビゲーターのカミさんが助手席で遠くの道路標識のチェックと大活躍。
こちらは初代
なによりもポケットに入る小ささの癖に、普通サイズのに負けない見えの良さが魅力でしたね。
仕方ないのでメーカーに在庫を問い合わせたら、1974年に製造中止で在庫無し・・・。
これには参りましたねぇ。
得意先の船から貰ってきて、プリズムのずれてたのを直した7x50はいくら何でも大きすぎて持って歩けん。
いざ代替品をと思っても、小型のはオペラグラスみたいな如何にもヤワな品物で、気に入ったのが無いんですよ
止む無く同じメーカーの10X35の中型のを手に入れたんですが、これでもデカイ。
とてもポケットに入らんし、日常的に持ち歩くというわけには行かんのです。
また持っていない時に限って、双眼鏡で確り見たいものが目の前をチョロチョロするんですよ。
形だけよく似た他メーカーのも有ったんですが、どうも今一買う踏ん切りがつかんかったんです。
ほとんど諦めてたら、8年ほど前に長男がムフフと見せたのがこれと同じ品物。
子供心に私のを見て憧れてたんやて。
復刻版が発売されたんで、ホイホイと手に入れやんやそうで、色が黒いだけでまったく同じ。
ところが息子曰くには、「倍率が一寸違うねん、ウヒヒ・・・」
オノレ先を越されたか、よし負けずに、と値段を聞いたらエライ高いんです。
正直メゲてしもた・・・。
息子はその頃まだ一人者で小遣いは豊富というか、収入のほとんどが可処分所得。
私にとっては一ヶ月の小遣い(\30,000)が丸々パーになる値段。
メーカーに仕入れの口座があるのに、ウチへの仕切値よりもカメラ屋の方が安いのも気に食わんかった。
初代とそっくりの6倍のも有ってホンの少し安かったんですが、息子に負けるのもなぁ、と変な対抗心が出ましてね。
ウ~、といいつつ雌伏約半年、やっとカメラのナニワで手に入れました。
以来、岩登りのルート偵察等には最早縁が無いけれど、鵜の緑の目玉に感激したり、トチの濡れたような新芽や、川に浮かぶ鴨を見たりと愛用しております。
今度はもう盗まれへんで!
2005/09/12
追記]
思いがけなく初代と同じものが2011/03/23 手に入りました。
この記事に書いた2代目は現在カミさん専用機となっております。