小学校6年の春休み、自転車で家から南に5,6キロ離れた春日神社へ遊びに行きました。
本殿の裏の方を探検していると、真っ白な綿毛の固まりみたいなのがピーピー鳴いてました。
丁度両手で持てるくらいで、周りを見まわしても巣らしいものが見当たりません。
放っておくわけにも行かないので何時も腰に下げていた日本手ぬぐいで包んで、ハンドルに引っ掛けて、連れて帰りました。さてどんな餌を食べるのやら、ご飯、コッペパン、魚の頭なんでも素直に食べます。
真っ白なので”シロ”と名前をつけました。だんだん大きくなってくると茶色くなってきて、なかなか鋭い凛々しい顔つきに変わってきました。
餌はもっぱら近所の魚屋さんで貰ってくる魚のアラ。お尻を高く上げるのは糞をする体勢で後ろにピュッと飛ばします。
”シロ”と呼ぶとピーピーと答えます。
リンゴ箱の鳥小屋から出してやると後をヒョコヒョコついて歩きます。
羽を広げると1メーター以上。木の枝に止まって、しばらくバタバタしていたかと思うと、バッと飛立ちました。
しばらくすると帰ってきて”ピーヒョロヒョロ”。
ワッ!”シロ”はトンビやったんか!
それからは半放し飼い状態。
家の上空を飛びまわって、気が済んだら庭の松に止まり、寝るときは鳥小屋。
学校から帰って来ると、何処からともなく現れて、ピ~ピ~とえさの催促をします。
加減をして止まっているのでしょうが、肩や剥き出しの腕に止まられると、薄着の季節はチョット痛い。
手に持った棒切れに止まるように教えました。
トンビは頭が良いから直ぐ覚えます。
2年ほどたった頃、近所のお宅の松の木に止まっているのを、そこの出入りの植木屋が捕まえて宝塚の動物園に持って行ってしまいました。
ホンマにアホの大人は碌な事をせん!
エライこっちゃと、動物園に行っていろんな鳥が入っている大きな檻の外から”シロ~”と呼ぶとピ~ピ~といって1羽のトンビが檻の傍へきました。
所が動物園のアホンダラのオッサンは返してくれません。
そら犬みたいに鑑札があるわけや無し、「私が飼うてるトンビです。」言うても証拠あれへん。
おまけに、飼うには許可が要るとかなんとか。
「飼えんでもええ、放したってくれ。」とたのんでも駄目。
「オドレ~、覚えてイサラセ!俺が大人になったら絶~体殴り倒したる」思てたけど、1年もしたら相手の顔を忘れてしもた。
動物園、電車賃も入場料も要るからそうそう会いに行かれへん。そのうち檻の傍で”シロ~”言うても寄ってくるトンビも居らんようになった。
大人とか、規則がど~たらいう奴が嫌いになったのはこれが原因。
顔覚えてたら今でもドツイたりたい。身に覚えのある奴、男らしゅう出てこい!また腹立ってきた。
生きてると辛い別れが多おまっせ!
2002/01/02
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