朝。
柔らかく暖かい感触。
こんなベッドで寝ていたの?
ここはどこなの?
薄っすらと目を開いた少女は、ゆっくりと上半身を起こした。
体中の筋肉が痛い。
思わず、ウッと声が出てしまう。
無我夢中で歩き回ったからかな。
そう思っていると、部屋の入口から女性の声が聞こえた。
「おはよう。
体調はどうかしら?」
「ここ・・・は?」
「病院よ。
私は貴女の主治医。」
「あ、私、お金は・・・。」
「そこは心配しなくて大丈夫よ。
で、どうなの、体は?」
「あ、はい、筋肉痛が酷くて・・・。」
すると主治医は少女に近付き、
「失礼するわよ。」
と言って少女の身体を両手で触り始めた。
冷たい。
人の体温など微塵にも感じないその冷たさに内心驚いていると、
柔らかく暖かい感触。
こんなベッドで寝ていたの?
ここはどこなの?
薄っすらと目を開いた少女は、ゆっくりと上半身を起こした。
体中の筋肉が痛い。
思わず、ウッと声が出てしまう。
無我夢中で歩き回ったからかな。
そう思っていると、部屋の入口から女性の声が聞こえた。
「おはよう。
体調はどうかしら?」
「ここ・・・は?」
「病院よ。
私は貴女の主治医。」
「あ、私、お金は・・・。」
「そこは心配しなくて大丈夫よ。
で、どうなの、体は?」
「あ、はい、筋肉痛が酷くて・・・。」
すると主治医は少女に近付き、
「失礼するわよ。」
と言って少女の身体を両手で触り始めた。
冷たい。
人の体温など微塵にも感じないその冷たさに内心驚いていると、
パキ、パキ、と小さな音がして少女の皮膚から氷が生まれだした。
主治医はその氷を全て取り除き、袋に入れる。
すると、
「先生!
痛みがすっかり消えています!
凄い!」
「貴女の痛みの元を抽出して凍らせたの。
もう大丈夫よ。」
主治医がそう言って片手を上げると、
主治医はその氷を全て取り除き、袋に入れる。
すると、
「先生!
痛みがすっかり消えています!
凄い!」
「貴女の痛みの元を抽出して凍らせたの。
もう大丈夫よ。」
主治医がそう言って片手を上げると、
廊下から女性の看護師が朝食を運んできた。
耳を取り除いた柔らかいパンとスープ。
「栄養失調の様だから、しばらくまともな食事をしていなかったでしょう。
ゆっくりと時間をかけて食べなさい。
でないと、胃が受け付けないから。」
「ありがとうございます。
あの、先生・・・!」
「食事が終わって落ち着いたら問診します。
お話はその時に。」
「・・・はい!」
少女はゆっくりとスープを味わい始めた。
涙が出るほどに嬉しかった。
落ち着いたところで主治医が再び部屋に入り、ベッド脇の椅子に腰掛ける。
「では、今から問診を始めます。
答えたくない時は答えなくていいです。
私は、この病院の第4棟院長、ドクター・スノーです。
貴女のお名前は?」
「アメリです。」
「年齢は?」
「16歳です。」
「護衛団の方に保護される前は、どこにいたの?」
「奴隷商アラクネというところの牢屋にいました。」
「どうやって脱出したの?」
「牢屋は私一人しか入っていなかったんです。
看守の男が食事を届けていたのですが、その男が私を犯そうと鍵を開け、牢屋に入ってきました。
私は無我夢中で、その男の股間をおもいきり蹴って、
耳を取り除いた柔らかいパンとスープ。
「栄養失調の様だから、しばらくまともな食事をしていなかったでしょう。
ゆっくりと時間をかけて食べなさい。
でないと、胃が受け付けないから。」
「ありがとうございます。
あの、先生・・・!」
「食事が終わって落ち着いたら問診します。
お話はその時に。」
「・・・はい!」
少女はゆっくりとスープを味わい始めた。
涙が出るほどに嬉しかった。
落ち着いたところで主治医が再び部屋に入り、ベッド脇の椅子に腰掛ける。
「では、今から問診を始めます。
答えたくない時は答えなくていいです。
私は、この病院の第4棟院長、ドクター・スノーです。
貴女のお名前は?」
「アメリです。」
「年齢は?」
「16歳です。」
「護衛団の方に保護される前は、どこにいたの?」
「奴隷商アラクネというところの牢屋にいました。」
「どうやって脱出したの?」
「牢屋は私一人しか入っていなかったんです。
看守の男が食事を届けていたのですが、その男が私を犯そうと鍵を開け、牢屋に入ってきました。
私は無我夢中で、その男の股間をおもいきり蹴って、
開いた牢屋から逃げ出したんです。
・・・痛っ!」
「大丈夫?」
「・・・すみません。
ここまでは思い出せるんだけど、
・・・痛っ!」
「大丈夫?」
「・・・すみません。
ここまでは思い出せるんだけど、
この先を思い出そうとすると頭が・・・。」
ドクター・スノーは、少女の額に手を当てた。
冷たい手が心地よい。
少女はそう思っているが、これはドクター・スノーの触診。
部分的な記憶の隠蔽か、空白の記憶を植え付ける改竄か、
ドクター・スノーは、少女の額に手を当てた。
冷たい手が心地よい。
少女はそう思っているが、これはドクター・スノーの触診。
部分的な記憶の隠蔽か、空白の記憶を植え付ける改竄か、
普通に考えればそのどちらかだ。
しかし、触診の結果はどちらも該当しなかった。
一時的な記憶の混乱か、もしくは・・・。
「答えられなければ、答えなくていいわ。
まだ体力が回復していないから、今日は1日ここで安静にしていなさい。」
「はい、分かりました。」
しかし、触診の結果はどちらも該当しなかった。
一時的な記憶の混乱か、もしくは・・・。
「答えられなければ、答えなくていいわ。
まだ体力が回復していないから、今日は1日ここで安静にしていなさい。」
「はい、分かりました。」