ニードルのエルとイヴは、冒険者カイルたちの目標としている
地下迷宮Cブロック地下3階の1つ上、地下2階に侵入していた。
B2Cという意味不明な文字はとりあえずおいといて、
B2Cという意味不明な文字はとりあえずおいといて、
侵入してきた扉を静かに閉める。
透化のマントで姿を見えなくしているから心配ないが、
透化のマントで姿を見えなくしているから心配ないが、
この階層は人の気配がした。
14、5人はいるわね。
「イヴ、気配のする方に行く。」
「了解。」
通路は1本道だ。
このフロアの外回りを囲む様になっている。
所々にフロア中心側に入る扉があり、
14、5人はいるわね。
「イヴ、気配のする方に行く。」
「了解。」
通路は1本道だ。
このフロアの外回りを囲む様になっている。
所々にフロア中心側に入る扉があり、
扉にはAからIまでの文字が記されていた。
また、文字の無い普通の扉も2つほどあった。
その周辺には上下の階層に移動する昇降機が設置されている。
人の気配は、文字の無い扉の奥からした。
エルとイヴは一旦Aの扉まで戻り、Aの扉を静かに開ける。
「なに、ここ。」
そこはコンサートホールの様な造りになっていた。
ステージを見る座席には、A-1、A-2といった番号が記されている。
おそらくBの扉から入ったブロックの席には、
また、文字の無い普通の扉も2つほどあった。
その周辺には上下の階層に移動する昇降機が設置されている。
人の気配は、文字の無い扉の奥からした。
エルとイヴは一旦Aの扉まで戻り、Aの扉を静かに開ける。
「なに、ここ。」
そこはコンサートホールの様な造りになっていた。
ステージを見る座席には、A-1、A-2といった番号が記されている。
おそらくBの扉から入ったブロックの席には、
B-1、B-2とあるのだろう。
「たぶん、奴隷オークションの会場ね。
もしかしたら、奴隷以外でも闇オークションをしているかもしれない。」
「だとすると、奴隷たちはこの下の階に隔離されている可能性が高いか。」
エルは少し考え込み、ここで1つイヴに命令する。
「イヴ、探索中に鍵の掛かった扉を見つけたら、全て開錠して。」
「開錠するだけ?」
「ええ・・・いえ、開錠“したまま”にして。」
意味は同じではないのか?
この微妙な言葉の違いに、イヴはニヤリとする。
「開錠したまま、ね。
了解。
・・・ところでエルは私の魔鍵の事、どれだけ知ってるの?」
「想像に任せるわ。」
そう言うと2人は螺旋階段まで戻り、
「たぶん、奴隷オークションの会場ね。
もしかしたら、奴隷以外でも闇オークションをしているかもしれない。」
「だとすると、奴隷たちはこの下の階に隔離されている可能性が高いか。」
エルは少し考え込み、ここで1つイヴに命令する。
「イヴ、探索中に鍵の掛かった扉を見つけたら、全て開錠して。」
「開錠するだけ?」
「ええ・・・いえ、開錠“したまま”にして。」
意味は同じではないのか?
この微妙な言葉の違いに、イヴはニヤリとする。
「開錠したまま、ね。
了解。
・・・ところでエルは私の魔鍵の事、どれだけ知ってるの?」
「想像に任せるわ。」
そう言うと2人は螺旋階段まで戻り、
この階段で行ける扉全ての鍵を開けたままにした。
そしてそのまま階段を上がりきると、西区の地上に出た。
最初に侵入した建物からは少し離れている。
「脱出経路はここでいいわね。」
エルが納得していると、イヴが近くの建物に目がいった。
「エル、あれってもしかして寺院?」
古ぼけた建物だが、屋根には十字架が見える。
たぶん寺院なのだろう。
「西区に寺院なんて聞いた事がない。
場所からして孤児院かも。
とりあえず入るわ。」
入ってみると、小さな礼拝堂があった。
深夜だからなのか、人の気配は無い。
奥の棚には位牌がギッシリと山のように並べられている。
「古いけど清潔さは保たれている。
誰かが掃除に来ているのは間違いない。
・・・ん、何これ?」
エルが位牌の中から、黒い筆箱の様なケースを取り出した。
見つけにくい様、位牌の中に紛れ込ませて置いていたのかもしれない。
「よくそんなの見つけられたわね。」
イヴが感心している中、エルがパカッとケースを開けた。
中には純銀製のネックレスが入っていた。
小さな十字架も付いている。
エルはしばらくそれを凝視していた。
「エル?」
「このネックレス、浄化されている。
位牌代わりの役目をしているわ。
だからこの並びに置いていたのよ。」
「位牌代わり?」
「おそらく、亡くなった者は骨すら残さずに消え失せたんでしょ。
あのネックレスはいわば形見・・・。」
「なるほど。」
納得したイヴだったが、エルが一言追加する。
「それほど古くない。
おそらく数年前から最近にかけてのものよ。」
そう言って、エルはイヴにネックレスを手渡した。
ここを見てみろと言わんばかりに十字架の裏側を見せる。
何か文字が刻まれていた。
「エル、これ・・・!」
「ここ、ただの古い寺院ってわけじゃなさそうね。
なんで、こんなネックレスがここに・・・!」
エルとイヴがそこまで驚愕する事とは何なのだろう。
そして誰がここにネックレスを置いて行ったのだろう。
「どうするの、これ。」
「ニードルの出張班に依頼して確かめる。
もし予想通りなら、とんでもない殺人事件って事になるわ。」
そしてそのまま階段を上がりきると、西区の地上に出た。
最初に侵入した建物からは少し離れている。
「脱出経路はここでいいわね。」
エルが納得していると、イヴが近くの建物に目がいった。
「エル、あれってもしかして寺院?」
古ぼけた建物だが、屋根には十字架が見える。
たぶん寺院なのだろう。
「西区に寺院なんて聞いた事がない。
場所からして孤児院かも。
とりあえず入るわ。」
入ってみると、小さな礼拝堂があった。
深夜だからなのか、人の気配は無い。
奥の棚には位牌がギッシリと山のように並べられている。
「古いけど清潔さは保たれている。
誰かが掃除に来ているのは間違いない。
・・・ん、何これ?」
エルが位牌の中から、黒い筆箱の様なケースを取り出した。
見つけにくい様、位牌の中に紛れ込ませて置いていたのかもしれない。
「よくそんなの見つけられたわね。」
イヴが感心している中、エルがパカッとケースを開けた。
中には純銀製のネックレスが入っていた。
小さな十字架も付いている。
エルはしばらくそれを凝視していた。
「エル?」
「このネックレス、浄化されている。
位牌代わりの役目をしているわ。
だからこの並びに置いていたのよ。」
「位牌代わり?」
「おそらく、亡くなった者は骨すら残さずに消え失せたんでしょ。
あのネックレスはいわば形見・・・。」
「なるほど。」
納得したイヴだったが、エルが一言追加する。
「それほど古くない。
おそらく数年前から最近にかけてのものよ。」
そう言って、エルはイヴにネックレスを手渡した。
ここを見てみろと言わんばかりに十字架の裏側を見せる。
何か文字が刻まれていた。
「エル、これ・・・!」
「ここ、ただの古い寺院ってわけじゃなさそうね。
なんで、こんなネックレスがここに・・・!」
エルとイヴがそこまで驚愕する事とは何なのだろう。
そして誰がここにネックレスを置いて行ったのだろう。
「どうするの、これ。」
「ニードルの出張班に依頼して確かめる。
もし予想通りなら、とんでもない殺人事件って事になるわ。」