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なかなか勝てない馬がいる。今日もその馬が走る。
がんばれ、と声が出る。
まなざしは、ゴールの先を見つめている。

特攻

2020年08月22日 18時07分01秒 | 読書・戦争兵器
「今日の無線の中に、『海軍の馬鹿ヤロー!』といって死んだ特攻隊がいる。絶対極秘。いかなることがあっても海軍に漏らしてはいけない。」

特攻隊員の中には、アメリカ軍の空母に体当たりしていくときに呪いの言を吐いていった者が少なくないということだ

彼らの言では、誰もが「天皇陛下万歳」と叫んで死んだわけではない。泣いていた人もいたし、「おかあさん」と叫び続けた者もいるといい、悲しい話が数多くあると証言していた。

ある時彼が整備していた飛行機の特攻隊員に出撃命令が出された。この特攻隊員は特攻機に乗る直前に失禁して、そして失神状態になってしまったという。別にこれは珍しい話ではなくて、そういう話が数多くあったそうだ

その特攻隊員は生真面目でおとなしい男だったのだが、整備兵たちは彼の顔を叩いて目を覚まさせて、むりやり特攻機に乗せたという

すると特攻機は、反射的に飛び立ったそうだが、その隊員はとても沖縄まで飛んでいく状況ではなかったという
途中で、鹿児島湾のとこらへんで不時着したと思いますよ。たぶん彼は、この理不尽な命令に戸惑いながら、最後は自殺同然に海に突っ込んでいったと思います。

死んで責任を取るといって、戦後自殺した作戦参謀は何人もいた。

特攻隊を送り出したある隊の隊長は、自らは死ぬ機会を失ったが、戦争が終わったあと、彼の部下で特攻隊員として逝った学徒兵の家を一軒一軒訪ねて、お焼香して歩いたという。その慰霊をすべて終わった昭和22年、彼は千葉県で列車に飛び込んで自殺した。

なぜ彼は列車に飛び込んだのか。それは、列車が機械だから、鉄の塊だから、と遺書に書いてあったとの説がある。特攻隊として部下を送りだしたことのつらさを自分が味わうには、列車に飛び込んで散るしかないと思ったのであろう。

「ああア、だまされちゃった。特操なんて名ばかり良くてさ。今度生れる時はアメリカへ生れるぞ」

「こんな所までわざわざ自殺しに来るとは間抜けな奴だと笑うだろうよ」というのは、アメリカ兵からはこのように見られているのだろうとの自嘲である




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