プロセスチーズ、パン、成型肉、レトルト食品、シリアルバー、スナック菓子、缶詰…スーパーマーケットでお馴染みの「安くて長持ちする美味しい食品」のルーツは兵士のための糧食だった!身近な食品がどのように開発され、軍と科学技術がどんな役割を果たしたのかを探る。
子どもの弁当の正体
ネイティック研究所―アメリカ食料供給システムの中枢1
軍が出資する食品研究―アメリカ食料供給システムの中枢2
レーションの黎明期を駆け足で
破壊的なイノベーション、缶詰
第二次世界大戦とレーション開発の立役者たち
アメリカの活力の素、エナジーバー
成型肉ステーキの焼き加減は?
長もちするパンとプロセスチーズ
プラスチック包装が世界を変える
夜食には、三年前のピザをどうぞ
スーパーマーケットのツアー
アメリカ軍から生まれる次の注目株
子どもに特殊部隊と同じものを食べさせる?
モンゴル帝国はシベリアや東南アジア、東ヨーロッパから中東まで支配の手を広げ、軍勢は1,500万人から3,000万人を殺害したと推定されている。
大昔の祖先が他民族に対して抱いた反感の名残は、食品への偏見として現在でも見受けられる。中国人は、中国を征服したモンゴル人の常食だった乳や乳製品を嫌う。
イスラム教徒とユダヤ教徒は豚の食用を禁じているが、それは敵の飼育する家畜に対する本能的な侮辱のせいである。モンゴル人の遺産は粉乳やジャーキーとして生き残り、今での兵士のリュックサックに入っている。
タンパク質に飢えたアステカ帝国の人々が、メキシコ盆地に居座り続ける大型の哺乳類、すなわち人間に目をつけたのも当然かもしれない。
特別な待機房で太らせた捕虜を階段の上へ連れて行く。
階段の上で、神官が黒曜石のナイフを使って捕虜の胸部を切り開く。手を突っ込むと、まだ脈打っている心臓をつかみ出して太陽にかざす。宗教儀式が終わると、本格的に死体を食べ始める。死体を神殿の下まで転げ落とし、参会者が手早く切り分ける。頭蓋骨を戦利品棚に飾る。太ももの片方をモクテスマに捧げる。残りの手足はこの捕虜を捕まえた兵士が自宅に持ち帰り、親しい友人を招いて人肉シチューをたっぷりふるまう。この人食い帝国は、1世紀にわたる支配のあいだに100万人以上の老若男女をむさぼったと推定されている。
アメリカでは、ゲイル・ボーデンが1856年に発明した缶入りコンデスミルクはすぐさま人気を集めたが、食肉分野では鉄道の発展とともに枝肉(内臓や皮などを取り除いて、背骨に沿って1体を2分割した骨付き肉)の冷蔵業が盛んになっていった。
「加熱致死時間」
細菌とその芽胞を死滅させるのに必要な時間と温度を示す食品加工の基本的な概念。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます