小学一年生のとき、近所の犬に噛まれました。
何十年経ってもその傷痕は消えません。
とても体の大きな黒い犬でした。
学校帰りにその家に寄っては、柵に近づき、クロに給食の残りのパンをあげて頭を撫でるのが日課でした。
ある日、私より先に柵に近づいてる子がいました。隣に住んでいるひとし君でした。
ひとし君は自転車を蹴飛ばしたり、人形の首を折ったりする乱暴者なので嫌いでした。
そんなひとし君が犬を可愛がっているはずもなく、案の定、そこら辺に落ちていた木の棒で柵越しからクロを叩いていました。
私は慌てて、止めに入り『怖かったね』といつものように頭を撫でようとした瞬間、手をガブリと噛まれた。そのときはガブリと言う擬音ではありませんでした。
犬の唾液と私の血が混ざり合ったようなグチャッとした音。
私は怖くて怖くて
傷を見ることも、泣くことも出来ませんでした。
溢れる血をどうやって止めたらいいのか。
ただ、ただ母親に噛まれたことを知られてはならない。
と言う思いで一生懸命傷を隠して、いつものように食事をした記憶があります。
しかし、夜から熱が出て翌朝は高熱。
私の異変に気づいた母は、私の傷を見て倒れそうになったと言っていました。
病院に運び縫い、手当てをし、すぐにその犬の飼い主のところへ走って行って尋ねたそうです。
『狂犬病の予防接種はされていますか?』と。

日本では狂犬病なんか発症してないんだし愛犬の負担になるから、予防接種はしないと良く耳にします。

お金がかかるから、なんて飼い主は犬を飼う資格はありません。

予防接種が義務づけられているから、日本では蔓延してないのです。

狂犬病は死亡率100%

治療法がありませんからね、犬も人間も発症したら死にます。

私は熱もさがり、傷も良くなり、またクロのところへ遊びに行くようになりました。
おじさんがいるときは、一緒に散歩をさせてもらえるようになりました。
傷が母親に見つかることで、私が一番怖れていたのは、もう二度とあの黒い犬に近づいてはいけないし、犬を飼う約束はなしと言われることでした。
クロが狂犬病の予防接種をしていなかったら、母親は本当に倒れていただろう。
そして、ますます犬嫌いになり、その後獅子丸を我が家に迎えることはなかっただろう。
今でも狂犬病の季節になると、クロを想い出し、予防接種をしてくれていたおじさんに感謝しています。
何十年経ってもその傷痕は消えません。
とても体の大きな黒い犬でした。
学校帰りにその家に寄っては、柵に近づき、クロに給食の残りのパンをあげて頭を撫でるのが日課でした。
ある日、私より先に柵に近づいてる子がいました。隣に住んでいるひとし君でした。
ひとし君は自転車を蹴飛ばしたり、人形の首を折ったりする乱暴者なので嫌いでした。
そんなひとし君が犬を可愛がっているはずもなく、案の定、そこら辺に落ちていた木の棒で柵越しからクロを叩いていました。
私は慌てて、止めに入り『怖かったね』といつものように頭を撫でようとした瞬間、手をガブリと噛まれた。そのときはガブリと言う擬音ではありませんでした。
犬の唾液と私の血が混ざり合ったようなグチャッとした音。
私は怖くて怖くて
傷を見ることも、泣くことも出来ませんでした。
溢れる血をどうやって止めたらいいのか。
ただ、ただ母親に噛まれたことを知られてはならない。
と言う思いで一生懸命傷を隠して、いつものように食事をした記憶があります。
しかし、夜から熱が出て翌朝は高熱。
私の異変に気づいた母は、私の傷を見て倒れそうになったと言っていました。
病院に運び縫い、手当てをし、すぐにその犬の飼い主のところへ走って行って尋ねたそうです。
『狂犬病の予防接種はされていますか?』と。

日本では狂犬病なんか発症してないんだし愛犬の負担になるから、予防接種はしないと良く耳にします。

お金がかかるから、なんて飼い主は犬を飼う資格はありません。

予防接種が義務づけられているから、日本では蔓延してないのです。

狂犬病は死亡率100%

治療法がありませんからね、犬も人間も発症したら死にます。

私は熱もさがり、傷も良くなり、またクロのところへ遊びに行くようになりました。
おじさんがいるときは、一緒に散歩をさせてもらえるようになりました。
傷が母親に見つかることで、私が一番怖れていたのは、もう二度とあの黒い犬に近づいてはいけないし、犬を飼う約束はなしと言われることでした。
クロが狂犬病の予防接種をしていなかったら、母親は本当に倒れていただろう。
そして、ますます犬嫌いになり、その後獅子丸を我が家に迎えることはなかっただろう。
今でも狂犬病の季節になると、クロを想い出し、予防接種をしてくれていたおじさんに感謝しています。