一昨日(2/17)、 行徳野鳥観察舎で開催されたバードリサーチ鳥学講座・行徳野鳥観察舎
冬の公開講座「オオミズナギドリの生態」と「ジオロケーターによる研究について」
に行ってきました。
講座は午前と午後の二部になっており、概要は以下です。
<午前の部>(10:30-12:00)
主 催:バードリサーチ・行徳野鳥観察舎(市川市)
内 容:「樹に登る海鳥!?ここまで分かったオオミズナギドリの生態」
講師:山本誉士(国立極地研究所北極観測センター 特任研究員)
<午後の部>(13:30~18:00)
主催:バードリサーチ
内容:「ジオロケーターを用いた研究の手順と解析方法(13:30~18:00)
講師:山本誉士(国立極地研究所北極観測センター 特任研究員)
話題提供:佐藤達夫(行徳野鳥観察舎友の会 職員)
■午前の部「樹に登る海鳥!?ここまで分かったオオミズナギドリの生態」
オオミズナギドリという鳥を、みなさんご存じですか?
バードウォッチング若葉マークの私は、知りませんでした。(^^;
今回聞くことは、はじめてづくしでしたので、何から書いていいのやら。
まず、巣穴を掘る鳥の姿をみたことがないので、すごく新鮮でした。
カタクチイワシをよく食べるということですが、
水中をすいすい泳ぎまわり餌を採る姿にもびっくり。
そのくせ飛ぶのが下手で、みんな木の下で順番をまって、
一羽ずつ木にのぼってから飛び立つ姿が
おかしくもかわいかったです。
着地も下手でぶつかって落ちていることもあるとか。(^^;
一番の繁殖地で以前は食用だったこともあるという御蔵島の
話や、京都では「キョッピー」ちゃんの名で親しまれている
府の鳥であるなど、人間とのかかわりなどの興味深い話も聞けました。
ジオロケーターには二種類あり、オオミズナギドリの調査では、MK-type使用とのこと。
照度、着水の有無、環境水温、(深度)を1年~数年記録できるそうです。
上の写真は見にくいのですが、非繁殖時期をどのあたりで過ごしているのか
ジオロケータでの調査でわかってきたそうです。
また、満月のときと新月のときの飛行パターンなどもわかってきたそうです。
丁寧な解説でしたので、ジオロケーターの調査手法と取り組んでいる研究内容がわかりました。
(えっと、専門的な部分は正しく理解できてるか自信はありませんが。(~_~;))
■午後の部
主催:バードリサーチ
テーマ:「ジオロケーターを用いた研究の手順と解析方法(13:30~18:00)
講師:山本誉士(国立極地研究所北極観測センター 特任研究員)
話題提供:佐藤達夫(行徳野鳥観察舎友の会 職員)
午後の部最初は、山本誉士氏による「ジオロケーターを用いた研究の手順
と解析方法(補正の仕方など)」の講義。
Mk-typeのジオロケーター
他にLAT-typeがあり、オオミズナギドリは、Mk-type、行徳のセグロカモメ調査はLAT-type
だそうです。
講義を聞いての印象ですが、LAT-typeのほうはその機種専用のソフトで
比較的簡単に緯度経度が出せるが生データが取り出せない。
Mk-typeのほうは、照度、着水の有無、環境水温、(深度)などの
解析ができるソフトで設定をいじりながら生データを解析、補正で
緯度経度を割り出す・・・的な違いがあるようです。
(この辺は間違ってたら、詳しい人突っ込んでください(;^_^A アセアセ・・・
いずれにせよ衛星によるgpsと比べると精度ではかなり劣りますが、
それでもいろいろなことがわかってたようです。
(gpsはコストがかかりすぎて、しかも回収できないとデーターが拾えないので、
gpsよりもずっと安価なジオロケーターを使っているのとのこと)
佐藤達夫(行徳野鳥観察舎友の会 職員)氏による
「行徳のセグロカモメの調査について」の講義
実は・・・セグロカモメのこともほとんど知りませんでした。
私がみわけられるのは、近所にもよくみかけりユリカモメくらいなので、これまた勉強になりました。
写真を撮ったのですが、ちょっと暗かったこともあり、うまくみえませんね。
ちょうどこのセグロカモメの取り組みについてわかりやすく書かれている記事を
みつけましたので貼っておきます。
http://www.tokaiedu.co.jp/webbosei/series3/11/
この講義の後、外へ・・
餌付けタイム、日曜ということもあり、私たち受講生以外にもいっぱいのお客さんが
鳥たちのお食事光景を眺めていました。
そのときに撮ったセグロカモメの写真、3枚
ベストショットはこれ↓
どの写真も、トリミングしていますが、加工前でもど真ん中に被写体が収まっていたのが
上の一枚。大概飛んでいる鳥の撮影は、隅のほうに写ってたりすることが多かったので
まぐれでも嬉しいです。^^
ちなみに無修正の写真はこちら
→http://www.flickr.com/photos/edorune/8485052327/sizes/l/in/photostream/
この観察が終わったら、実際ジオロケータのデータの処理実習でしたが
この日は観察会までの参加として、3時すぎに帰路につきました。
オオミズナギドリにせよセグロカモメにせよ、渡りについてわからないことが
多いのですね。
照度、着水の有無、環境水温 (深度)などを一年から数年記録できるというジオロケーター
データの蓄積で今後渡りとともに環境問題などいろいろなことがわかってきそうですね。
研究がすすむことを期待しています!