9 食行動異常および摂食障害群
(摂食障害)
〇神経性痩せ症(AN)
・やせていることへの執拗なまでのこだわり、
自分の体に対するイメージ(身体像)の歪み、
肥満への極度の恐怖、食物摂取の制限がみられ、
著しい低体重に至ることが特徴
・児童・思春期から青年期に好発し、男女比1:10で女性に多い。
・自己像や他者評価へのとらわれ、強迫傾向など認知特徴を有する。
・日本での患者推定数(罹患率):12,500人(0.01%)
*摂食制限型
・食べる量を制限するが、
定期的に過食や排出行動(誘発性嘔吐や下剤の使用)を行うことはない。
過度に運動する人もいる。
*過食・排出型
・定期的に過食や排出行動を行う
〇神経性過食症(BN)
・大量の食物を短時間に次から次へと摂取し(過食)、
その後で食べ過ぎの影響を減らそうとする行為(たとえば、
排出行動、絶食、運動など)を行うことを特徴。
・過食には自制できないという感覚が伴い、
通常は空腹でなくても食べたり、苦しくなるまで食べ続けたりする。
・日本での患者推定数(罹患率):6,500人(0.005%)
〇特定不能のもの(ADNOS)
・日本での患者推定数(罹患率):2,200人(0.003%)
・低体重が飢餓状態に近く、低血糖や電解質異常、肝障害、
消化器障害、心機能障害など、生命危機がある場合は、
内科的治療による体重回復が優先される。
・食行動のみならず社会的行動全般における自己制御強化を
二次的・随伴性の精神症状治療と並行して試みる。
・薬物療法・・衝動性制御治療目的で、抗うつ薬や抗精神病薬が使用される。
・心理療法・・認知行動療法と対人関係療法が標準治療。
集団療法も用いられる。
10 睡眠-覚醒障害群
(非器質性睡眠障害)
・睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠がある。
・寝付くとすぐに、深いノンレム睡眠に入り、脳を休め、
やがてレム睡眠(10分~20分程)に。
約90分周期で繰り返される。
睡眠後半、レム睡眠が多くなり徐々に脳が活性化して目覚める。
*レム睡眠
・浅い眠りで、身体は深く眠っているのに、脳が活発に動いている状態。
・トイレに起きたくなる。物音で目が覚めやすい。金縛りにあいやすい。
*ノンレム睡眠
・脳を休める深い睡眠。身体を支える筋肉は働いている。
・ストレスを消去している。ホルモンの分泌をしている。
・生理的な睡眠、睡眠に必要な量には個人差があり、
加齢によっても影響を受ける。
・睡眠時間は10年ごとに10分ずつ短縮し、
中途覚醒時間は10分ずつ増加する。
・加齢により、
実際の睡眠時間の割合(睡眠効率)は低下する。
起床時間はより早くなる。
入眠までの時間に、影響は出にくい。
・加齢による生理的な睡眠の変化は、不眠の訴えに対して考慮すべき。
・日本人の20%が何らかの不眠の訴えを持っているが、
苦悩と生活への支障から不眠障害の診断を受けるもの(罹患率)は6%程度。
・不眠の原因は、以下の複合因。
①身体的(疼痛、かゆみ、咳、頻尿など)
②生理的(環境や生活時間帯)
③心理学的(気がかりやストレス、緊張など)
④精神医学的(うつ病など精神疾患による)
⑤薬理学的(薬物の副作用や離脱。カフェインやニコチン摂取)
〇不眠障害(非器質性不眠症)
・以下のいずれかまたは組み合わせが、
1週間で3夜以上、少なくとも3カ月持続することで診断される。
①入眠困難
②中途覚醒・睡眠維持困難
③早朝覚醒
・初期対応・・睡眠衛生指導のみ、または薬物療法を併用する。
不眠に対する認知行動療法(CBT-1)が推奨。
〇睡眠時随伴症(パラソムニア)
・入眠前、入眠中、睡眠からの覚醒時に生じる不快な身体的現象。
*ノンレム・パラソムニア
・錯乱性覚醒、睡眠時遊行症、睡眠時驚愕症など。
・深い睡眠期に発生し、本人の記憶はない。
*レム・パラソムニア
・レム睡眠行動障害(男性に多く、レビー小体型認知症への移行もある)、
反復孤発性睡眠麻痺(金縛り)、悪夢など。
・本人は記憶できる。
〇睡眠関連摂食障害
・若い女性に出現しやすい。ノンレム睡眠期に出現し、本人の記憶はない。
・睡眠衛生指導と、心理・環境因調整、薬物療法がおこなわれる。
〇睡眠時無呼吸症候群(SAS)
・睡眠時に繰り返し起こる呼吸停止のため、日中の眠気が起こる病態。
・日本では、200~300万人(中年の男性が多い)
・終夜睡眠ポリグラフ検査で確定診断される。
〇ナルコレプシー
・睡眠発作、カタプレキシー(情動脱力発作)、
睡眠麻痺(金縛り)入眠時幻覚などを主徴とする疾患。
・日本では、600人に1人程度。性差なく、10歳代で好発する。
・計画的な昼寝や、カフェイン摂取などの工夫や、
一般的な睡眠衛生指導を行い、
過眠症状に対し精神刺激薬、カタプレキシーに対し抗うつ薬を使用する。
「ナルコレプシー」関連記事 こちら → 「主な疾病と障害」
☆「睡眠12箇条 健康づくりのための睡眠指針2014」 (厚労省)
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『ボク、食べることも寝ることも好きだけど・・』
マリンちゃんの場合、
「過食」は制御されてますが、「過眠」は、どうかな。
(2018年5月下旬 夜 撮影 1Fリビングのソファにて)
(摂食障害)
〇神経性痩せ症(AN)
・やせていることへの執拗なまでのこだわり、
自分の体に対するイメージ(身体像)の歪み、
肥満への極度の恐怖、食物摂取の制限がみられ、
著しい低体重に至ることが特徴
・児童・思春期から青年期に好発し、男女比1:10で女性に多い。
・自己像や他者評価へのとらわれ、強迫傾向など認知特徴を有する。
・日本での患者推定数(罹患率):12,500人(0.01%)
*摂食制限型
・食べる量を制限するが、
定期的に過食や排出行動(誘発性嘔吐や下剤の使用)を行うことはない。
過度に運動する人もいる。
*過食・排出型
・定期的に過食や排出行動を行う
〇神経性過食症(BN)
・大量の食物を短時間に次から次へと摂取し(過食)、
その後で食べ過ぎの影響を減らそうとする行為(たとえば、
排出行動、絶食、運動など)を行うことを特徴。
・過食には自制できないという感覚が伴い、
通常は空腹でなくても食べたり、苦しくなるまで食べ続けたりする。
・日本での患者推定数(罹患率):6,500人(0.005%)
〇特定不能のもの(ADNOS)
・日本での患者推定数(罹患率):2,200人(0.003%)
・低体重が飢餓状態に近く、低血糖や電解質異常、肝障害、
消化器障害、心機能障害など、生命危機がある場合は、
内科的治療による体重回復が優先される。
・食行動のみならず社会的行動全般における自己制御強化を
二次的・随伴性の精神症状治療と並行して試みる。
・薬物療法・・衝動性制御治療目的で、抗うつ薬や抗精神病薬が使用される。
・心理療法・・認知行動療法と対人関係療法が標準治療。
集団療法も用いられる。
10 睡眠-覚醒障害群
(非器質性睡眠障害)
・睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠がある。
・寝付くとすぐに、深いノンレム睡眠に入り、脳を休め、
やがてレム睡眠(10分~20分程)に。
約90分周期で繰り返される。
睡眠後半、レム睡眠が多くなり徐々に脳が活性化して目覚める。
*レム睡眠
・浅い眠りで、身体は深く眠っているのに、脳が活発に動いている状態。
・トイレに起きたくなる。物音で目が覚めやすい。金縛りにあいやすい。
*ノンレム睡眠
・脳を休める深い睡眠。身体を支える筋肉は働いている。
・ストレスを消去している。ホルモンの分泌をしている。
・生理的な睡眠、睡眠に必要な量には個人差があり、
加齢によっても影響を受ける。
・睡眠時間は10年ごとに10分ずつ短縮し、
中途覚醒時間は10分ずつ増加する。
・加齢により、
実際の睡眠時間の割合(睡眠効率)は低下する。
起床時間はより早くなる。
入眠までの時間に、影響は出にくい。
・加齢による生理的な睡眠の変化は、不眠の訴えに対して考慮すべき。
・日本人の20%が何らかの不眠の訴えを持っているが、
苦悩と生活への支障から不眠障害の診断を受けるもの(罹患率)は6%程度。
・不眠の原因は、以下の複合因。
①身体的(疼痛、かゆみ、咳、頻尿など)
②生理的(環境や生活時間帯)
③心理学的(気がかりやストレス、緊張など)
④精神医学的(うつ病など精神疾患による)
⑤薬理学的(薬物の副作用や離脱。カフェインやニコチン摂取)
〇不眠障害(非器質性不眠症)
・以下のいずれかまたは組み合わせが、
1週間で3夜以上、少なくとも3カ月持続することで診断される。
①入眠困難
②中途覚醒・睡眠維持困難
③早朝覚醒
・初期対応・・睡眠衛生指導のみ、または薬物療法を併用する。
不眠に対する認知行動療法(CBT-1)が推奨。
〇睡眠時随伴症(パラソムニア)
・入眠前、入眠中、睡眠からの覚醒時に生じる不快な身体的現象。
*ノンレム・パラソムニア
・錯乱性覚醒、睡眠時遊行症、睡眠時驚愕症など。
・深い睡眠期に発生し、本人の記憶はない。
*レム・パラソムニア
・レム睡眠行動障害(男性に多く、レビー小体型認知症への移行もある)、
反復孤発性睡眠麻痺(金縛り)、悪夢など。
・本人は記憶できる。
〇睡眠関連摂食障害
・若い女性に出現しやすい。ノンレム睡眠期に出現し、本人の記憶はない。
・睡眠衛生指導と、心理・環境因調整、薬物療法がおこなわれる。
〇睡眠時無呼吸症候群(SAS)
・睡眠時に繰り返し起こる呼吸停止のため、日中の眠気が起こる病態。
・日本では、200~300万人(中年の男性が多い)
・終夜睡眠ポリグラフ検査で確定診断される。
〇ナルコレプシー
・睡眠発作、カタプレキシー(情動脱力発作)、
睡眠麻痺(金縛り)入眠時幻覚などを主徴とする疾患。
・日本では、600人に1人程度。性差なく、10歳代で好発する。
・計画的な昼寝や、カフェイン摂取などの工夫や、
一般的な睡眠衛生指導を行い、
過眠症状に対し精神刺激薬、カタプレキシーに対し抗うつ薬を使用する。
「ナルコレプシー」関連記事 こちら → 「主な疾病と障害」
☆「睡眠12箇条 健康づくりのための睡眠指針2014」 (厚労省)
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『ボク、食べることも寝ることも好きだけど・・』
マリンちゃんの場合、
「過食」は制御されてますが、「過眠」は、どうかな。
(2018年5月下旬 夜 撮影 1Fリビングのソファにて)
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