中編
サァー寺じゅう大騒ぎ、美人の母鬼に、ほかの修行僧も、珍しもの見たさも手伝い、集まってきます、毎年の節分祭でコワイ鬼は見るものの、こんなかわいい、鬼は初めて見たのです。
和尚は、本堂に明かりと火鉢の用意を命じ、妊婦鬼を診ます、
しばらくすると、体も温まれ、痛みも少し治まったのか、妊婦鬼の顔に安どの色が、
しかし和尚の顔は、なぜか曇りぱっなし、??
次の日、夜明けすぐに、父親を呼びに 小鬼を鬼村に返します。
寺では書物蔵から関係書きの古文書を探しだし、治療をほどこし、
二日後には、無事元気な、女の子が生まれました。
そして、その翌日には、父鬼が到着し、お礼の挨拶もそこそこに対面”、
しかしそのいでたちは、いくさ装束?
山門の前には、鬼の軍団も集結しています?
和尚がわけを聞きます…「鬼村では、時々、神隠しで居なくなる者があり、
町や都で、見世物小屋に売られていると言う噂があり、姫もかと・・・
いかような賊であっても、取り返すための、いくさ備えです」
との夫鬼の答え。
寺の片隅のあちこちでは、「鬼将軍の嫁鬼やった”親切にしておいて良かったよ”」のヒソヒソ話・・・
父鬼は丁寧にお礼を言い、「すぐに親子を連れ帰る」と・・・・
和尚は、「産後の日立が悪いので、母子とも、ひと月の治療安静がいるので、返すことは出来ない”」・・・と、説得しました。
父鬼はそれを聞き分け、「それでは、ひと月後、節分が終わった頃に迎えに参ります」と、息子鬼を残して帰ることになりました。
鬼軍団を見送り、「一息、ひといき」とみんなでお茶を飲んでいます、
しばらくの時間をおいて、和尚が気付きます
「エーーーー節分”エーーエーー”」
声には出さなかったものの大慌て”「鬼がここに居るのに・・・・・
鬼は外”福は内、どーする?」
ほとんど同時に気が付いた、坊さんたちは、和尚の、慌てように、笑うやら、掛け声の心配やら…
つづく
・・前年、枚岡神社ライブで、お会いした障害者のセラピー活動をされている女性からの無料貸出展示の依頼…受け入れ態勢出来ましたので、
お受けします、連絡下さい。