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映画「ドリームガールズ」
んんーーー、そんなに大絶賛??
なんか、昨年のRENTもそうだったけど、日本のオーディエンスは歌唱が凄い!!…ってだけで、それにもう圧倒されてしまって、絶賛の嵐になるのかしら?もちろん、歌の凄さは半端じゃないです。(日本人とは身体条件が違いすぎるのよ…声の出方がぜんぜん違うしね)でも、アメリカのショービズ界の、それも天性の歌唱能力に恵まれている黒人歌手であればなおさら、このくらいは特筆に価するほどのことでもないのでは?(外国人って鼻が高いね~…なんて、感心してるのと同じじゃないの?)…なんて、毒を吐くのはこのくらいにしよう。
もちろん、もともと音楽モノが好きな私ですから、2時間、しっかり「目と耳の保養」をさせてもらいましたが、それ以上のものでもなかったような気がしました。
でも、今「60年代が熱い」のかな?日本でも年内に公開されると思うHAIRSPRAY(ヘアスプレー)への期待も膨らみますね。現在、Broadwayで絶賛上演中のJERSEY BOYS(ジャージー・ボーイズ)の映画化も時間の問題では?こっちの方が楽しみだ~♪
あっ、DREAMGIRLSね…
モータウン・サウンドというのは、我々の世代には懐かしくて心地よい。モータウンが画期的だったのは、黒人音楽から、その独特の「アク」のようなものを取り除いて、黒人以外の人たちにも受け入れられやすくしたことだったと思います。それまで、日本でも、R&Bなどは一部のマニアにしか受け入れられていないような状況でしたが、Diana Ross & Supremes、Jackson Five、Fifth Dimensionなどは日本の洋楽チャートを賑わせました。(関係ないけど、10年前にNYのモータウンカフェに行ったことがある…今もありますかね?あのお店)
私も、ソウル・ミュージックはそれなりに好きでしたが、NYのハーレムを訪れて、そこで歌われていた「素の」黒人音楽に触れたとき、あまりの熱気と独特のパワーに圧倒されたと同時に、本当に「ありのままの」黒人音楽って、黒人以外の人にとっては、むしろ親しみにくいものなのだな…と実感せずにはいられませんでした。そして、われわれが普段耳にしている黒人音楽って、一般受けしやすいように、かなり「加工」してあるものなのだな…とも思いました。
この映画の主人公、Jamie Foxx演じるCurtisも、黒人音楽の枠を超えて、一般大衆に受け入れられるものを追求し、また、それなりのフォーミュラも持っている人間として描かれています。しかし、それは同時に、アフリカ系の誇りやアイデンティティーを覆い隠してしまうものでもあります。そのあたりの葛藤、(アメリカ人にならば、しっかり伝わるんでしょうが)もっと分かりやすく描いてあれば…と思いました。
また、白人に占拠されていたも同然だったMiamiのホテルのショーに人気歌手のJimmyを登場させますが、そのパワフルでアクの強いパフォーマンスは「お上品な」白人客の顰蹙を買います。しかし、数年後、Curtisの音楽業界で大成功を祝して開かれたライブで、Jimmyが再び同様のパフォーマンスを見せるのですが、その時は客席にポツポツと座っていた少数の白人客たちも大喜びなんです。なんだかんだ言っても、Curtisの仕事は、彼の夢でもあった「クロスオーバー」を実現させたのでした。そのあたりが分かりにくいのが残念。
また、話は前後しますが、Miamiのホテルでは、Jimmyのショーの前にstand-up comicをやっているんです。辛らつな人種ネタ。おそらくユダヤ系コメディアンだという設定なんでしょうが、あのモデルは誰だったのかな?そっちも気になりますよ~
Effie役のJennifer Hudsonは注目の人ですね。あの時代、容姿も歌唱スタイルも、非常に「黒人らしい」彼女を排除しようとしたもの、ひとつの戦略としては理解できないことではありません。リード・ヴォーカルをDeenaに奪われるシーンで、失望して自暴自棄になるEffieに、スタッフらが「我々はひとつのファミリーなんだから」と歌います…。折りしも、公民権運動で全米が揺れていた時代。でも、自分たちのアイデンティティーを否定して、何がファミリーだ!…と矛盾を感じないではいられませんでした…もっとも、ここはそのような矛盾を提示するシーンだったのだと思います。しかし、最後に再び「我々はひとつのファミリー」と歌われる場面は、本当に、それにふさわしい場面でした。
おそらく、舞台では一幕の終わりに歌われたのではないでしょうか、Effieが歌い上げるAnd I Am Telling You I’m Not Going。…正直、BroadwayでCOLOR PURPLEを観たときも感じたのですが、ミュージカルで余りにパワフルな黒人音楽を歌われると、ちょっとした違和感を持ってしまうことがあるんです。これは私だけかもしれません。ミュージカルにはクラシカルなものかライトでポップなものの方が合っているような気がして…。で、この曲も前半は「引き気味」、途中から先日のSNLのジェイク・ギレンホールを思い出して吹きそうになったり…でも、そのうちに、あの歌声に「わしづかみ」にされたようになって、最後は左目が潤んでいました。(右脳直撃だった?)やっぱり、凄いものは凄い…
結局、Effieは「ディープなファン」が集まる下町のクラブで魂の歌を歌い続けます。一方、Deenaは黒人であることの枠を超えてメジャーな人気を得ましたが、心の中の深いところに在る「何か」を埋めることができません…。
あと、ちらっと出てきたJackson Fiveもどき(笑)には大うけでした。歌っているのが、いかにもカラオケのジャクソンファイブ・メドレー(あるとしたら)みたいで、「ABCで帰ってほしいの」みたいな…カラオケ名物、悪乗りメドレー曲みたいのを歌ってるんだから…。
それと、One Night OnlyはDiana Ross & SupremesのLove Childに似ているんですけどね(笑)これも、パロディー?
今回の戸田さんの字幕には、「おやっ?」と思う箇所がありましたね。
気が向いたら、リピートするかもしれません。
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