早いペースで記事を書いているなぁと思う。
I don't think you have enough material.
なんてJerryの声が聞こえてきそう…
BOX3が届き、エピソードのタイトルがTV放送時と変わっているのは分っていたけど、
「あれっ、バブル・ボーイは?」と一瞬慌ててしまった。(カットされたか!?)
確か、TVでは「バブル・ボーイのバースデー」だったはず。タイトルを見てもそれらしいものはないし、パッケージの解説に目を通してもバブル…の「バ」の字もない!
「山小屋ナントカ」がこのエピソードだとわかるのに少々時間がかかってしまった。
Georgeのガール・フレンドSusanの祖父が建てた山小屋が焼失してしまう事件も、今後の展開の核になるのだけど、やはり、このエピソードのメインはbubble boyでしょ。
bubble boyとは免疫不全症のために、プラスチックで仕切られた無菌室での限られた生活を余儀なくされている少年のこと。Jerryはいつものカフェで、たまたまこの少年の父に会い、「息子は君のファンだ。息子の誕生日には会いに来てやってほしい」と頼まれる。一緒にいたElaineは父親の話にもらい泣き。こういう時のリアクションに困るのは、皮肉屋がキャラのコメディアンやってるJerryの方。「無菌室でテレビのリモコンは使えるの?」なんて、ズレた話をしながら、ナプキンで涙をぬぐっているElaineの向かいで、無表情で口をぬぐうJerry。なんかわかりますよ…反応の仕方に困るんですよね…私も同じかも…
SEINFELDは、いわゆる社会的に弱い立場の人のネタがけっこうあります。コメディに、こういう題材は感心しないと思う人もいるまもしれません。実際、このエピソードには同じ病気を持つ人の団体からの抗議もあったそうです。
しかし、これは、同情とか理解とか、そんな次元を突き抜けてしまった面白さがあります。まず、bubble boy。先に彼の家に着いたGeorgeが「こういう状況って苦手だなぁ」と言いながらもご対面。
見る側の予想に反して、bubble boyはドスのきいたダミ声で乱暴な口を叩くわがまま少年。いきなりSusanにセクハラ発言をするわ、母親を怒鳴りつけるわ…。「無菌室でけなげに生きる少年」という「暗黙の予想」は凄まじい形で裏切られる。
このエピソードでは、それぞれのキャラクターの些細なことへの異常なこだわりが特に大げさに描かれており、あきれ果てて、笑って見ているうちに、話は終盤へ。bubble boyとボード・ゲームをしていたGeorgeはカードのミスプリントをめぐって彼と大ゲンカ。そして…
SEINFELDのジョークは「自己を嗤い、他者を笑う」という、いわば自虐的な発想が常に基本にあって、そのフィルターを通して描かれるものは、いささかデリケートな題材であっても不思議におかしい世界になってしまう。…と思うのもファンだからなのだろうか?まぁ、そう感じないとファンにはなれない訳でもあるが…
エピソードではbubble boyは姿を出しません。声だけが画面の端から聞こえてくるような感じになっています。一時は姿を見せるつもりで少年役のオーディションもしていたそうですが「どんなわがままな少年でも、無菌室にいる姿を見れば、視聴者は同情してしまう」と姿を出さないことに決めたそう。
こういう少年を題材にして「視聴者が同情しないように」なんていうのも…どこにも妥協しない面白さがあって、やっぱ、私は好きだ☆
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