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And This Is Not Elf Land

Michael Richards

Michaelがやってくれちゃったんですよね…

Kramerでお馴染みのMichael Richardsが先々週の金曜日、LAのコメディ・クラブで激しくヤジる黒人の観客に信じられない人種差別発言を浴びせかけて大騒動になりました。

こちら

その時の動画を見ると…これは酷いですね。(ここに書けるようなものではありません。)きわどい人種ネタで「ギリギリの」スリリングな笑いを取るのもコメディの醍醐味ですが、このMichaelのやらかしたのはちょっと…。(Michael Richardsって人の幼児性が出てしまったような感じ。しかし、問題が問題なだけに、日頃の考えが出たのだろう!と言われれば言い訳ができないんじゃないでしょうか。ついカッとなってn-wordなんてもんじゃなくて…tirade、つまり長々と攻撃的な差別演説をやってますからね…)

観客も、最初は笑っている人もいましたが、"Oh, my God!" "He's really going nuts!"なんて声も聞かれ、やがてブーイングが起こり、客は次々と席を立っていきます。現場に居合わせたコメディ関係者も、あのようなおぞましいものは見たことがないと語っています。一部の観客の激しいヤジが発端なのかもしれませんが、結局、Michaelが自分で自分のショーを壊してしまったような印象を受けますね、残念ながら。

かつての「仲間」であるJerry Seinfeldは次のようなコメントを発表しました。

"I'm sure Michael is also sick over this horrible, horrible mistake. It is so extremely offensive. I feel terrible for all the people who have been hurt,"
(Michaelもきっと、自分の犯したこのぞっとするほど酷い誤りに失望していると思う。これは不快極まりないものだ。僕はこれによって傷ついたすべての人のことを考えると非常に辛い。)

月曜日にDavid LettermanのLATE SHOWにJerryが出演しましたが、その時、中継映像でMichael Richardsが登場し(Jerryに番組で謝罪するように促されたらしい)、公式に謝罪をしました。

"For me to be at a comedy club and flip out and say this crap, I'm deeply, deeply sorry....I'm not a racist. That's what's so insane about this."
(僕はcomedy clubで興奮のあまりこんなクズみたいなことを言ってしまった。本当に、本当に申し訳ない。…僕は人種差別主義者じゃない。僕は正気じゃなかったんだ。)

…insanity defenseを訴えてるわけでもないんでしょうが、コメディアンのこういう「申し立て(?)」は筋が通りませんね。

詳しい話はここで
ここにも

競争の激しいstand-upの世界。仮にも名だたるcomedy clubに立つ身なら、carzyな日常もユーモアと知性とウィットで捌いて、見ている側を「スカッ!」とさせるのが仕事だろ!…と思うのですが。

日本にいると、MichaelのSEINFELD以外のパフォーマンスを見る機会は皆無なんですが、それでもSEINFELDの印象が強かった割には、例えばDVDのコメンタリーなど、あまりにありきたりで面白くなくて拍子抜けしてしまうほどでした。昨年、DVDがリリースされた時期に、彼はプロモをかねてAustraliaを訪れ、いくつかのトークショーに出演したようですが、見た人の感想では「面白くなかった」というものが目立ちました。

SEINFELDでのMicahelは、とにかく「身体を張ったギャグ」が面白い。研究し尽くしたのか、天性の勘なのか…とにかく微塵の無駄もない完璧なパフォーマンスで笑わせてくれているのですが、stand-upはどうなのかな?

コメディアンのGeorge Lopez は、Michaelのstand-upの経験の浅さが根本的な問題だろうといっています。actorからstand-upに転向した者は観客のヤジが手におえなくなったらどうしていいのか分からなくなるものだと。実際、ヤジった観客もSEINFELD以降、パッとしないMichaelを揶揄したらしい。

さて、Michael RichardsがLATE SHOWで謝罪をしているとき、観客たちからクスクスと笑い声が聞こえています。SEINFELDのKramerキャラクターに馴染んでいるファンには、大騒動を起こして神妙な面持ちで全米に向けて謝罪するMicahelの表情とKramerが被るんでしょうね。でも、Jerryは「ここは笑うところじゃない」と笑う観客を制します。

皮肉なモンですね…

コメント一覧

master of my domain
ベル様
Feathersでしたか、ありがとうございます!
>そしてよくそこに着目されたと驚いています。
いやいや、単に頭ん中がすべてSEINFELDになってるってだけですよ

ファイアー様
ugly babyが出てくるのはshrinkageの出てくる、あのThe Hamptonsですよ
ファイア-
Fasten you seat belt, we're gonna see the baby!
マスター様、ベル様

なんだかんだ引っぱってしまって(しかも的外れなことばかり書いてて)すいませんでした^^;

「グレートギャツビー」の記事、私も読ませてもらっております(じゃあそっちでコメントしろって?(笑))。私はどうもあまり読書好きとは言えないんですが^^;こちらでアメリカ文学のレクチャーを受けているようで、楽しいです。
おふたりとも、すごいなあ、ugly babyだけで作品名が出てくるとは!マジで、フィッツジェラルドやカーヴァーを読みたいな~と思ってます!お二人のおすすめ作品(どんな作家でも)はありますか?いちばんお好きな作品は??

"breathtaking"は5thシーズンで4人が誰かの別荘みたいな所へ週末旅行か何かに行くエピでしたっけ?Kramerが「リンドン・ジョンソンに似てる」というのはThe Boy Friendですね。Jerryが元メジャーリーガーと友だちになったのにElaineが彼とデートするのでJerryがキャンセルされ、しかたなくugly babyを見に行くという…(笑)
カーヴァーの引用を読むと、この時のJerryのスタンダップを思い出しました。「たまには赤ちゃんを気に入らない両親がいたっていいよね。Honestly, we are not happy with him, he should be in acquarium. Do you want him?とかさ」(笑)


マスター様

渥美さんがテキヤのスピーチや独白をとうとうとやる様は、スタッフの間では「寅のアリア」と呼ばれてたそうです。様式美・・・確かにそうですね!なるほど・・・

ああ~結局当初のテーマと全然違う内容になっちゃってゴメンナサイ
belmont(ベル)
ugly baby!
マスター様
"ugly baby"、ありましたよー。 そしてよくそこに着目されたと驚いています。 それにしてもレイ・カーヴァーの感覚も面白すぎますね。 ”Feathers" (羽根)という短編にugly babyが出てきます! 友人夫婦に夕食に招かれたカップルが、友人の赤ちゃんを見ると、、、、" it was the ugliest baby I'd ever seen. It was so ugly I couldn't say anything. No words would come out of my mouth. I don't mean it was diseased or disfigured. Nothing like that. It was just ugly. It had a big red face, pop eyes, a broad forehead, and these big fat lips. It had no neck to speak of, and it had three or four fat chins. Its chins rolled right up under its ears, and its ears stuck out from its bald head. Fat hung over its wrists. Its arms and fingers were fat. Even calling it ugly does it credit." とあって、主人公は"He's a big fellow, isn't he?" としか言えず、主人公の妻は "He is some baby."としか言えません(この短編はなかなか面白いですよ!)。 全くとことん辛辣ですよね。 

Seifeld に出てきた"ugly baby"も強烈だったみたいですよね。 Kramerがリンドン・ジョンソンに似ているって言ったんでしたっけ。 これも酷い(笑える)。 でもこの回でしたっけね、”breathtaking" という言葉が出てきたの。 Elaineが気にいっていた男性がそのugly babyにも"breathtaking" と言って、Elaineにもたしか"breathtaking"と言ったんでしたよね。

しかし、これは仰る通り限られた発想ですから、ひょっとすると関係あるのかもしれませんね~。
master of my domain
コメント欄に記載しておくのは勿体ないほどの貴重なご意見をたくさんありがとうございます。
今回の件は本当に残念な出来事でしたが、いろいろ学ぶ機会を与えてくれました。

ファイアー様
私は寅さんは結構好きです。積極的に見ようとしたことはありませんが、TVなどでやっていれば普通に楽しく見るような感じですね。私はもともとオペラとかミュージカルの類が大好きな人間なので、寅さんシリーズの中の、ある種の「様式美」がとても快感でなのですよ。

ベル様
レイモンド・カーヴァーの短編のひとつにugly babyが出てくるものがありませんでした?(さっき、ざっと調べてみたのですが、どの短編かは分かりませんでした)SEINFELDのugly babyの話はここから来てるのかな?なんて思いました。ugly babyなんて…ちょっと限られた発想なんでは?と思ったものですから。
belmont(ベル)
寅さん映画
マスター様、
こんにちは! パイロットの話、教えてくださってありがとうございます。 地上で、自分が乗っていた飛行機のパイロットに会うのって変な気分でしょうね(町で制服のパイロットを見たら、それは絶対にペテン師ですが)。 

>こういう題材では笑えない…という感じ方があるとしたら、そういうものの中にこそ、むしろ何か不自由な部分があるんじゃないかと思ったりするんですよ。このあたりは別記事にしてみたいと思います。
別記事、楽しみに待っています!!

それにこの話題にばかりコメントしてごめんなさい。 フィッツジェラルドの「Great Gatsby」の記事も興味深く読ませて頂いています。 文学の翻訳って本当に大変だろうな~っていつも思うんですよ。 村上春樹の翻訳はレイモンド・カーヴァーが大好きで愛読しているのですが、フィッツジェラルドの方はまだ読んでいません。 マスター様の記事を読んで断然読みたくなりました。

ファイアー様、
正直言って寅さんの映画は殆ど観たことがないんです。それなのに「苦手だ」なんて書いてすみません。 飛行機の中の映画で観たくらいなのですが、途中で観るのをやめちゃったんですよ。なんだか「義理、人情」とかがストレートすぎるし、寅さんというキャラクターにイライラしてしまって。 でもファイアー様が仰る通り初期のが良いらしいですね。 1~5作ですね。 是非観てみます。
ファイアー
何を笑うのか、何が笑えるのか・・・Seinfeldが画期的だったのは、まったくベルさんが仰るように、usとthemを区別せずにおんなじ地平でジョークのネタにし、しかも諷刺でも政治的でもなく、ごくごく普通のコメディにした、ということなんでしょうね。The OutingがGLAD賞を受賞したのも、そういうことだった気がします。

ただ、こういうことがさらっとできる土壌はまだないし(日本はもちろんのこと)、LarryやJerryの才能は、特異なものだろうな、とも思います。
The Bubble Boyで、bubble boyのお父さんが息子の話をする時、Elaineが涙ながらにわたすナプキンで、Jerryは口をぬぐうでしょ?ああいうことをしても嫌味にならず笑えるのは、Jerryだからこそ、Seinfeldだからこそ、なんですよね。

>こういう題材では笑えない…という感じ方があるとしたら、そういうものの中にこそ、むしろ何か不自由な部分がある

まったく同感です。笑いでもドラマでも、対象を虚構化できるということが対象を開き解放することだと、私も思います。ただ、それをやるのがあまりに難しいから、つい尻込みしてしまうのかもしれないですね。

何がKeyなんでしょうねえ一体?
最近Michale.J.Foxの『ラッキーマン』を読んだんですよ。昔の元気でキュートな彼が好きだった私は、彼が病気を発症する姿を見るのがつらく、ずっと映像は見てなかったんです。
でもこの本を読んで、彼のたどってきた人生を深く知ることで、現在の彼も見たい、という気持ちになりました。で、中間選挙の後のインタビューなんかも見てみたんですが、まったく違和感を感じなかったというか…彼はあいかわらず若くてキュートだし、それにパーキンソン病の症状がプラスされただけ、という感覚でした。
相手を知る、ということは大事なことだなあ、と改めて思いました。


ベルさん、寅さんは私も第一作からきちんと見直したいとずっと思っています。第5作くらいまでが観るべき作品だそうですよ。ベルさんはどのへんが苦手なのかしらん?
master of my domain
ベル様、ファイアー様、

おそらく、この記事はコメント欄の方が厚くなるだろうと予想していました。コメントありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。私など、みんな同じように個性を尊重し、同じように笑いのネタにすればいいんじゃないか…なんて単純に考えるんですよ。それが本当のnormalization ではないかと。

JerryとGeorgeがマリー・マトリンと食事をしている時「秘密の」話をするのに、ナプキンなどでわざと口元を隠すところなんか、私は大爆笑しました。バブル・ボーイが魔物のような声で話をしたり、車椅子の女性がKramerに酷い言葉を浴びせたり…なんてエピソードも腹の底から笑いました。

こういう題材では笑えない…という感じ方があるとしたら、そういうものの中にこそ、むしろ何か不自由な部分があるんじゃないかと思ったりするんですよ。このあたりは別記事にしてみたいと思います。

パイロットは客席に座っていただけなんだけど、Jerryの方が固まってしまった…って話だったような気がします。これ、実話なんだそうですね。Jerryがツアーでstand-upをやったとき、ステージに上がる前にマネージャーがわざと「さっきの飛行機の機長が客席にいるよ」なんて言うもんだから、彼は固まってしまったそうです。なんか…例えると、映画館の隣の席にかかりつけのお医者さんがいるような感じなのかな?なんて考えてました。

hecklerは、最初に「何」を言ったのかは分からないんですが、最後には「そんなんだから、おまえはSEINFELD後、映画にも出ていない」なんて言っていますね。ま、あれだけ酷いことを言われた後ですから。まだ、この人のKramer非難の方が筋道が通っていると言えなくもない…

Larry Davidも昔は笑ってくれない観客を馬鹿呼ばわりするわ、ライブを途中で止めてしまうわ、いろいろだったようですね。Kramerだって、あまりにひどいヤジだったのなら、いっそのことステージから去ってしまえばよかったのに!と思うのですが、それも出来ずにみずから失態を晒してしまったっていうのが何とも哀れで…
belmont(ベル)
ちょっと訂正
マスター様、

自分の書いたことが気になりだして、しつこいんですが、またこちらにお邪魔します。
>フィジカリー・チャレンジドの人々を(社会の弱者として扱うのではなく)あくまでも1人の人間として、、、、対等に、、、、

という箇所ですが、投稿してからそうじゃないなーと思い始めました。 Jerry, George, Julia, Kramerを始めニューマンなどもSeinfeldに出てくるキャラクターはみんな何処か変(欠けている)ですよね(だからファニーだし共感するのですが)。 彼ら自身が立派な?ハンディキャップなんですねー。 ですからフィジカリー・チャレンジドの人々が”普通”に扱われるのではなく、Jerry達が彼らと対等に扱われているのかなと思い始めたんです。 こういうセンスはLarryやJerryの卓越しているところだと思いました。 ”No one is perfect." 差別なんて時代遅れですよねー。 


ファイアー様
そうそうSeinfeldにhecklerが出てきましたね(2回ほど?)。 1回はElaineの会社の女性で足の小指を切っちゃった人で、皮肉にもKramerと一緒でしたよねー。 あと1回はJerryがstand-upの時、パイロットでしたっけ、ヘックルしたの。記憶が曖昧ですみません。 

マイケルと渥美清、クレイマーと寅さん、面白い比較ですねー。 私は長年寅さん映画が苦手で観ようと思った事がなかったのですが、遅まきながら観てみようと思っています。 何か面白い発見があるんじゃないかなと。ファイアー様はお好きなですか? 渥美清は随分ストイックな人だったようですね。
master of my domain
ファイアー様
リアルタイムの遭遇でしたね。

そうなんですよ、日本で殆ど話題になってないのが良いのか悪いのか…
master of my domain
Kramer
ベル様、コメントありがとうございます。

そうですね、私のように、TVならSEINFELD、小説なら「グレート・ギャツビー」や「シスター・キャリー」、Billy JoelならALLENTOWNとCAPTAIN JACKが好き!…という人は周囲にはあまりいないですね今まで生きてきた中で、自分の感性に合致しそうなものを求め続けてきたら、結局こうなったという…でも、アメリカで実際に生活するのは大変なことも多いような気がします。実際に住むのなら、日本の方が私に合っていると思います。

さて、最新号のTIME誌にも早速Kramerが風刺漫画に登場していますね。KKKramerと揶揄されて、白頭巾の集団の前でstand-upをしています。

また、Jesse Jacksonのラジオ番組にも出たようですが…。Lettermanの番組といい、早いうちに公に姿を現したことは、それなりに受け入れられているようですが、あれだけの失態を拭うのはたやすくないようですね。

モデルとなったKenny Kramer氏もFOXのインタビューで、自分のビジネス(REAL KRAMER TOUR)に影響が出るのでは?なんて心配していましたし、Kenny氏もracistなのでは…と誤解されるようになるのは困ると言っていましたね。

ファンには、やんちゃだけど憎めないKramerのイメージがありますから、Michaelが謝罪している姿を見て、ロブスターを盗んで道路の清掃をさせられているKramerの姿と重ねて、同情的に見てしまう人もいるようです。そんなファンを裏切らないためにも、人間としてもっと学んで、芸にも磨きをかけて欲しいですね。
ファイア-
Oh my
いや~驚きました。

ところで、hecklersたちは、いったいマイケルに何を言ったんでしょうか?
Stand-upについて深くは知らないので、hecklersに対して通常コメディアンがどう対処するのかもわからないんだけど…(皮肉にもSeinfeldにはJerryがhecklerに文句を言いに行くというエピソードがありましたね)。

驚いたのは、言葉の酷さもですが(とはいえ実際blacksがどう感じるかは分らないけど)、その言い方というか、そのあまりにも激しいrageです。どうしてこんなに激怒したんでしょう??普通じゃないですよね。

ちょっと話はずれますが、私はマイケルを見ると、いつも渥美清さんを思い出します。渥美さんも、寅さんのあまりに強烈なイメージを背負って生きた人ですが、本当の渥美清(田辺康雄)は寅さんのようにいい人でもなければ、あたたかい人間関係を持てる人でもなかった。徹底した個人主義者で、他人が自分の住まいに来るのですら極端にいやがっていたそうです。

マスターさんも仰るように、DVDのコメンタリーを聞いてると、確かにマイケルのコメントはつまらない。むしろちょっと変人なのかしら、という感じがします。この人は、古いタイプの生粋の「芸人」なんじゃないでしょうか?Kramerのペルソナとしてはとんでもなく輝くけれど、仮面を脱ぐと凡人。Own Personalityの魅力で愛されるJerryとも違うし、舞台や俳優のキャリアに戻れるJasonやJuliaとも違う…そんな彼がどんなフラストレーションを抱えてるのか…

もちろんマイケルのとった振るまいは許されるものではないです。それはこれ以上ないくらい確かなんだけど…Michael Richardsという芸人の運命を思うと、何か切ないというか…。

いずれにしても、残念な出来事でしたね…

Josh Blueさんは、全然知らないです~見てみたいなあ。
belmont(ベル)
アメリカのコメディの世界
マスター様、
こんばんは(こちらもまんまEST時間で)。

マスター様って本当に日本に住んでいるのが(というよりもUSに住んでいないのが)不思議なくらい把握しておられるので驚きます。

マスター様が仰った「その辺りの微妙なツボを突く人種ネタのきわどいジョークが面白いんでしょうね。私もthe cigar store indianとか、凄く好きなんですよ」、そうそう私もそこら辺がSeinfeldは今までのコメディと比べると断然洗練され、挑発的で、且つ誰もが心の中で思っていたことをズバリ、ネタにしてくれるので嬉しくなりますね。 

そして、「Kramerが知的障害者と間違われた演技が大喝采を浴びて、今回のこれが非難を浴びるのか」この違いを理解できているかどうかを指摘されるマスター様、本当に凄いです。 

マスター様が書いておられる「美談のシンボルとしてのマイノリティー」ですが、Seinfeldでは「超わがままなで手に負えないバブル・ボーイ」や「意地悪でやり手の小人」、聾唖のテニスのボールガール(マーリー・マトリン)や耳が片方聞こえない男(ロブ・シュナイダー)など出てきますね。 彼らは決して社会の弱者で美談のシンボルとして描かれているのではなく、あくまでも1人の人間として扱われていて、且つそれぞれのハンディキャップを良い意味でも悪い意味でも対等に笑いにしているところが凄いと思います。 笑えますよねー。
master of my domain
Michael
ベル様、おはようございます。(まんま、日本時間で言ってます)

例の映像はファンとしては観たくないのですが、でも、一番やりきれないのは、あそこで起きてるのはまるで「中学生のケンカ」レベルのことで、席を立った観客たちも、もちろん差別発言に怒ったのでしょうが、それよりも「この人はstand-upが出来るような人じゃないんだ」という「諦め」や「見切り」の空気を感じるのが哀しいですね。

日本にいると、人種問題というのはどれほどデリケートな問題なのか、実感としては分かりにくいです。ただ、アメリカでは人種・宗教などで相手を攻撃することはタブーなのだろうというのは感じます。(日本では、どっかの知事がしばしばこれに近い発言をしてますが)

ただ、様々な人種が寄り添って暮らしている社会では、「人種的な偏見はいけません」だけで片付けられるほど単純な日常でもないのかもしれません。心の底では、それぞれが「こういう人たちの、こういう行動の傾向ってちょっとねぇ」のようなちょっとした違和感を抱えながら生きているのが現実じゃないかと想像します。だから、その辺りの微妙なツボを突く人種ネタのきわどいジョークが面白いんでしょうね。私もthe cigar store Indianとか、凄く好きなんですよ。

それを考えると、Michaelには限界があるな…と認めなければならないのが甚だ残念です。

Josh Blueは知りませんでしたが素晴らしいですね。でも、実際、殆どの日本人は、Kramerが歯医者の麻酔が効きすぎて口元が麻痺し、涎を出しながら不自由な話し方をしていたら知的障害者と間違われたパフォーマンスが大喝采を浴びて、何故、今回のこれが非難を浴びるのか、ピンと来ないのではないでしょうか。(私も「全く理解できない人よりは分かっているつもり」に過ぎないと思っています)

日本でも、見る人に少なからぬ違和感を与えるであろう障害を持つ人がTVに登場する事が多くなってきていますが、でもそれらはあくまでも「美談のシンボル」としてです。マイノリティーの人は、いつも一定の「好感度」を保持していなけれいけないような空気に言いようのない閉塞感を感じることがあります。とは言っても、「礼」を重んじる日本でJosh Blueのようなコメディアンが現れる可能性は低いでしょうね。でも、私は(以前にも書いたと思いますが)笑いのネタにするというのは、やはりある種の閉塞感から解放することであって、間違ったことではないと思うのですが…日本では少数意見だと思います。

それにしても、今回のことで感じたのは、あのCosmo Kramerでさえ、その後の活躍の場を見出すのが難しいアメリカのコメディの世界。それだけ魅力的な人たちが大勢いて、見る側の目も肥えているのでしょうね。凄いことです。
belmont(ベル)
Michael's racial rant
マスター様
こんにちは!
前の話題に色々コメントしたいなーと思っていたら、やはりこの話題が出ましたか<汗  Seinfeldファンには”不愉快な”出来事でしたね。こちらのニュースで何度もcomedy clubでのと、David LettermanのLate Night Show (w/Jerry)の映像が流れていますが、見るたびに "stupid" "pathetic" "one of the seinfeld curses" "you are no Cosmo Kramer!"とか頭に浮かんできて、怒りを通り越して、哀しいです。 

Michaelが「私はracistではない」と何度叫んでも、It's too little too late........ racistでない人の口からすんなり出てくることかとaccuseされていますよね。 その上、数ヶ月前にはユダヤ人に対する"racial slur"があったと明るみにでて、Michaelの今後が試される時かなーと思います。(jewishへの差別発言に対する彼のpublicist の答えが『マイケルはjewishなので、それは単なるジョークです。」とのことだったのですが、Jewish Magazineの調べでMichael RichardsはカトリックでMasonだと判明! 彼、焦って悪あがきしすぎですよねー。 

Michael Richardsは"Kramer"をどうしても越えられなくって(マイケルのクレイマーは完璧だったので)辛かったんだろうなーとは思いますが、愚かであることが露見してしまいました。 

マスター様がいみじくも書かれているように、「競争の激しいstand-upの世界、仮にも名だたるcomedy clubに立つ身なら、crazyな日常もユーモアと知性とウィットで捌いて、見ている側を「スカッ!」とさせるのが仕事だろう!」。 Totally 同意です!

余談ですが、NBCのcomedian contest番組の「Last Comic Standing」の Josh Blue (マスター様やファイアー様はご存知かもしれませんが)は非常にユニークであり、そして彼のアクトって心から笑えるんです。 彼は元パラリンピックのサッカー選手だけあって?全身が麻痺しているんです。その彼がコメディアンとして活躍しているんですよ。 普通考えられないですよね(本当に笑えるのかなーと心配になりますよね)。 それが不思議なことに面白いんです。 彼がコンテストに優勝した時のスピーチで「ママに心から感謝します。だって僕が酔っぱらっているのか、いないのか、違いがわかるのはママだけなんだから」って。 自然に大笑いしちゃいました!(私が書くと面白くないんですが、) 笑いって不思議ですね。 その人の人となり(育った背景、知性等等)が出るんだな~と改めて思った次第です。
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