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And This Is Not Elf Land

MARTIN DRESSLER



スティーヴン・ミルハウザー(柴田元幸=訳)『マーティン・ドレスラーの夢』(ピュリツァー賞受賞作品)

つくづく思う…「私はミルハウザーに選ばれなかったのだ」


19世紀末のニューヨーク。ドイツ系の煙草商の息子として生まれたマーティン・ドレスラーがアッパーウェストに大規模なビルを建設するが…正直に告白しますと、5分の4ぐらいまではすらすら読み進めたのですが、あとは見事に失速いたしました(汗)

少年時代、家族で出かけたブルックリンはブライトンビーチの桟橋からの眺めにひとつのイメージ(啓示?)を得て以来、彼の思考は常に「上下」のベクトルで伸長していく。都市化・商業化の波が急速に押し寄せた時代、野心家のマーティンが情熱を傾けたのは(誰もが考えそうな)「土地所有=横への広がり」ではなくて、複合大型ビルの建設だった。


…と、この辺まではとても面白かったんですが…まず地上18階、地下3層のビルが完成したあたり、つまり、だんだん、作品が「夢幻譚的な様相」を帯びてきたあたりから読めなくなってきまして…もう「ごめんなさい」としか言いようがありません。

また、やっちゃいました、『ナイフ投げ師』に引き続いて。

ただ、不思議なことに、ミルハウザー自身には悪い感情(笑)はないのです。
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