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And This Is Not Elf Land

THE SOUND OF MUSIC

何とも地味な今年の正月はTVでの映画鑑賞ばかり…。今日はあの名作『サウンド・オブ・ミュージック』だったわけですが、これはもう文句の付けようがないですわ。

年齢がばれるのを覚悟で告白しますと(…それでも1年でも「若く見積もって」もらおうと必死…)この映画が初めて公開されたとき、小学校の課外授業で観にいっています。ちなみに、お断りしておきますとね、昔はハリウッド映画が日本にやってくるのも今よりも年月がかかりましたし、日本で公開されても、今のように全国一斉公開じゃなかったんでね…私の住んでいる田舎町へくるまでには数十年かかったんですっ!(す、数十年は嘘ですけど)

まだ小学生だったもので、とにかく字幕ありの洋画なんて初めて観てびっくり!
ついでにミュージカル映画っていうのも初めてで2度びっくり!!

今思うと、その前の年の発表会で私たちの学年は「ドレミの歌」「エーデルワイス」を歌っていますし…この選曲、今なら別に不思議じゃないでしょうけど、当時としてはえらくハイカラな選曲だったんですよ…音楽担当だった隣のクラスの先生がこの映画(もしくはミュージカル作品)の大ファンだったようで(映画公開の前から「ドレミの歌」の訳詩バージョンはTVでよく流れていました)その先生の「発案」での課外授業だったのかな?なんて今思ってみたりしますね。

映画館に出かける前、担任の先生が「あなたたちのよく知っている歌が歌われる映画です」とだけ知らせてくれましたが、それなら、ついでに簡単な時代背景なども小学生に分かるな予備知識が欲しかったですよ。親子の絆の回復、男爵夫人とマリアと大佐の関係などは普通に理解できましたが、オーストリア併合から一家の亡命に至るところになると、さすがに事情が分かりにくくなってしまいました。

ただ、引率してくれていた先生たちは大感激で、次の日から給食時間の校内放送ではこのサウンドトラック・レコードが流れました。音楽担当の先生が担任だった隣のクラスでは「エーデルワイス」などを英語で歌わせられていました。なんか、しっかり担任の趣味に付き合わされていた気もしますが、それでもいい時代でした。

それで、私が初めてのミュージカル映画にたまげたって話に戻しますけど…オープニング曲は、ま…オープニング曲だからそんなに驚かなかったけど、尼僧たちが「マリアには困ったものね~」がいきなり「歌」でしょ?子どもながらに「ありえねぇ」と思いましたよ(笑)それでもって、本気で悩んでいるのかと思いきや、いきなり「雲をつかむよう」とか「彼女は月の光のよう」とか…「そんな詩的な表現で悦に入っている場合?!」とめちゃくちゃ違和感!!で、とどめが「彼女はただの女の子」…はぁ?どういう世界なの、それって!!?

なんか「アンチ・ミュージカル」そのものの言い草ですよ(笑)

でも、毎日毎日給食時間の校内放送やら隣の教室から聞こえる「エーデルワイス」やらにあれだけ晒されるとね…結局、私は『サウンド・オブ・ミュージック』のサントラはLP→カセットテープ→CDと一通り持っていますよ。さすがに近年はあんまり聴かなくなりましたが。

それで久しぶりにBSで観たわけですが、いや完璧だね~。

ジュリー・アンドリュースの歌声が半端じゃない。音域も広くてどこまでも伸びる。最近のミュージカル映画では、映画としての解釈や表現手法が優れているものが高く評価されがちで…それはそれで分かるんだけど…歌唱については「ま、舞台と映画は違うんだし」なんて、私自身もついついそんな感じで受け止めるようになってしまっていましたよ。でも、歌声の魅力は何ものにも代えられないですよね。

そう言えば、10年余り前、ジュリー・アンドリュースはBroadwayのVICTOR/VICTORIAに主演していたのですよね。で、その頃NYへ行っているんですが、私が訪れたときはライザ・ミネリが1ヶ月間主役をやっていたときであり、私はライザのVICTOR/VICTORIAを観ているのですよ。ライザも流石のパフォーマンスでしたし、観客も沸きに沸いていましたが、こういう「倒錯的」な役はジュリー・アンドリュースのほうがぴったり来るかもしれないとも思いました。この映画のマリアもどことなくボーイッシュな魅力的があります。

「ひとりぼっちの山羊飼い」のシーンは、これは実はヨーロッパの一流人形劇団がやっているんですよね。実際、素人の子どもたちがあんなに上手く人形を操作するなんて現実には考えにくいですが、ここはあくまでもエンターテインメント性を重視して映画に花を添えています。ま、そういう解釈が多い映画ではあるんですが、そんな部分を突っつくこと自体がナンセンスだと言わんばかりのミュージカル映画としての貫禄に圧倒されます。

日本で公開されたときは修道院長の歌う「すべての山に登れ」はカットされていましたよね?その後、何度かリバイバルで観たときも、やはりカットされていました。あれ、どうして…?名場面なのに。

最後に一言だけ言わせてもらうとですね…非常に「個人的な」思いなんですが…
年々「子ども嫌い」になっていく私には(…)子どもたちの場面がだんだん鬱陶しくなって(スイマセン)。それでも、若いころはね~莫大な富を持っていても子どもの心をつかめない男爵夫人よりも、大きな愛で7人もの子どもたちの心を惹きつけられるマリアこそ人生の勝利者であると当然思いましたけど…今の私はむしろ「子どもに邪魔されないで生きる」「お金持ち且つお気楽セレブ」の男爵夫人のような生き方が羨ましいという(本音)

最後にしょうもないことを書いてしまいました。
人の考えなんて、歳とともにいくらでも変わるもんですよ
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