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And This Is Not Elf Land

Legend or Loser



SEINFELD(となりのサインフェルド)の最終シーズンの最終エピソードがOAされたのが1998年の5月12日でした。もうすぐ、放送終了10周年になります。しかし、その後も人気は衰えず、毎日、必ずどこかのチャンネルで再放送が見られる。一晩に2回も放送している局さえあるほど。(たしかに、NYでは、7時30分と11時からの「2回」観ることができた)

最新号のNEWS WEEKではLegend or Loser: Does ‘Seinfeld’ Still Hold Up After 10 Years?という記事で、二人のベテランTVウォッチャーの分析を載せています。

(以下要約)

まず、Marc Peyserは、SEINFELDはクラシックとして存在しているにすぎない。今観ても「あのとき、何がそんなに面白かったんだろう?」と思うだけだと述べています。

Peyserが言うには、
かつて、その機知に富んだストリーラインに感服したエピソードの数々も(John Cheeverの手紙とか)今では「お約束」にしか見えないのだ。それまでのTV番組では、あれほど複雑に入り組んだ筋書きや速いペースでの場面切り替えが見られなかったが、SEINFELD以降はそれが当たり前になってきており、今見ると「こじつけ」に見えてしまう。

クリエイターのJerry SeinfeldやLarry Davidは、これはあくまでも”the show about nothing”なのだと反論するかもしれない。彼らはSEINFELDは壮大な意図で作られていたわけではないと。確かに、彼らは日常の何でもないことに可笑しさを見出してきたし、例のThe Contestなんて、肝心は「語句」は使わずに、人々の一番くすぐったい所を突くようなセンスを見せてくれた。しかし、今では、作りの細かさが表に出すぎて肝心のユーモアが見えてこないと感じる。

いずれにしても、私たちがSEINFELDに夢中だったのは、彼らが自分たちの身近にいる誰かだと思うことができたからだった。8年間、私たちは彼らと週末のボーリングを楽しんだのだった。そして、1週間に起きた自慢話や恥をかいた話などをペチャクチャ話し合って楽しんだ。しかし、私たちは変わった。SEINFELDの人物たちは変わっていない。

時代を超えて生き続ける名作シットコムというのは、例えばThe Mary Tylor Moore Show, M*A*S*H, Taxiなど幾つかあげられるが、それらは単に可笑しいだけではなく、登場人物たちは時間とともに成長していく人として造型されており、それが何年たっても人々をとらえて離さない。

彼らには「深さ(depth)」がある。JerryとGeorgeにあるのは「issues(※これ、どう訳しましょうか~「ネタ」でよろしいでしょうか?)」なのである。


一方、David Noonanは肯定的です。

SEINFELDは放送終了10年たっても、今なお全米200以上のTV局で繰り返し放送されており、私の息子を含め、リアルタイムで知らない世代も大いに楽しんでいる。理由を挙げればきりがない。よくできた脚本、入り組んだストリーラインyada yada yada…

JerryとLarry, 陰と陽、善人と悪人、明と暗…の織り成す様々な緊張感がこの番組をさらにユニークで面白いものにしている。とにかくキャラクターが素晴らしい。Jerry Seinfeldは演技が専門ではないが、しかし外の3人の実力はそれを補って余りあるものだ。とにかく、キャスティングにおいては、このSEINFLDの4人組に勝るシットコムはないと断言できる。

実際、3人の男たちの細々とした話に少々疲れを催すようなことがあっても、脇役の素晴らしいキャラクターに惹かれて見続けることができる。Frank Costanza, Estelle CostanzaとNewmanがイッちゃってるキャラクターBest3であろう。あのような危ないキャラをリアルに演じてくれる彼らの実力は見事なものだ。可笑しな台詞が飛び出タイミングも、彼らの外見的な造型も完璧。

Jerryの父母やUncle Leo, J. Peterman, Jackie Chilesなども上記の3人に勝るとも劣らないキャラクターだ。それぞれの俳優の役柄への思い入れも大きい。登場はほんの僅かだったが、ライブラリー・コップのキャラクターなんて誰が思いつくだろうか?

また、私たちをいつまでも惹きつけるもう一つの要因は、バラエティーに富んだクオリティーの高いセットでもある。それはJerryのアパートや例のcoffee shopだけではなく、Georgeの両親の家やNewmanの部屋等々…どのセットもかなり凝った作りになっているおかげで、SEINFELDのバカバカしいジョークとその時の画面を容易に想像することができるのだ。JerryとElaineがchocolate babkaを買いに行ったベーカリーとか、4人が過ごしたHamptonsとか~

これは90年代の話であるが、SEINFELDのジョークには、そんなことは殆ど関係ないようなものだ。いつまでも古くならないabsurdity(不条理)というものがある。SEINFELDもその一つだろう。2008年になってもみんな見続けているんだから。





そう言えば、SEINFELD収録最後の日をテーマにした写真集Sein Offというのが出ているんですよ。(トップに写真はウェブ・ページに載っていたものですが、この写真集からの一枚です。ですから、4人は「ふざけて」ハグしあっている訳ではないのです…笑。一瞬、笑えますけどね~特にMichaelとJasonは…)

私も2000年にアメリカへ行った時に買ってきています。今日、久しぶりに取り出して見てしまいました。

(懐かしい~!)


結局、何だかんだ言っても、私も長い間SEINFELDファンをやっているんですよ。
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