とうよう一のサウンドマシーン

さて　東洋一のサウンドマシーンと言えば　日本国民ならそのほとんどの方がファンである(と勝手に思い込んでイル)　ィ横山剣さん率いる　クレイジーケンバンドであることは　間違いのない事実であるのだが

それにしても　東洋一という字面と音の響きには　身近なんだけど手の届かないような奥行きと世界観があるように思う

世界一とか宇宙一ではデカすぎるし　アジア一とかオーストラレージア一ではなんだか素っ氣ないし　北米一とか欧州一と言われてもナ…　という感じである　子どもの頃は　東洋一という響きに　偉大な世界観を感じていたものだ(当社比)

超脱線してしまったが　本日の『とう』と『よう』は　東洋一の東と洋ではない　こんなに引っ張って御免

本日の『とう』と『よう』は　神戸ことばである　神戸独自の方言として良く知られる言い回しの一つに　ゴビに『とう』や『よう』をつけるというものがある

例えば　『アイツは昼飯を食べている』を神戸言葉にすると　『あいつ　昼飯　食べよう』となる　『アイツはタブレットを持っている』なら『アイツ　タブレット　持っとう』となる

つまり『よう』は現在進行形の動詞の後に　『とう』は既に完了している動詞の後に其其接続し用いられる　『雨が降りよう』はまだ降っていない状態から降り初めまで　『雨が降っとう』は既に降っている状態を指す

大学生の頃　京女(京都女子大)や南女(甲南女子大)の　ラクロッサー(ラクロス・プレイヤー)の女子たちと友達になって仲良くしていた時があった　

彼女たちはみな京阪神や神戸の出身で『とう』や『よう』を軽いタッチで軽妙に使いこなしていて　それがすごく京阪神間のイケてるガールというような軽快な感覚質に溢れ　スキスキスーになった思い出がある

就職した勤務先で　今の妻と出会った時も　こべっこ(神戸の人)らしく『とう』『よう』を使いこなし　これまたゾッコンラブになり結婚までしてしまった　

モチのロンで妻の事は人間的にスキなのだが　この語調から響くその人を取り巻く感覚質というのにビリビリきたのではないかと　今となっては思う事が多い

いや　モウ一回書いておきますが　モチのロンで　妻の事は　愛していますワヨ(ココ赤字覚悟)

話は脱線するが　国営放送の『ドキュメント72時間』という番組があって　これは専門ガッコの授業でも見たんだが　和田岬の駄菓子屋『淡路屋』を3日間定点観測した　ここ最近では特筆すべき　素晴らしいドキュメント番組があった　

狭い駄菓子屋には　子どもから元ヤングのあんちゃんまで集い　人生でなんとなく喉に閊えている事を　店の主人のオバチャンに聞いてもらってまた元気になって帰っていく　という内容で　現代社会の歪みや　今となっては博物館級の　宝箱的矮小スペースについて考えさせられる内容のドキュメントなんだが

まさに年齢性別を超えた『とう・よう』の宝庫だった　すこし語尾を上げ下げしただけで疑問形にもなる　例えば『今日の阪神の先発　知っとう???』(ヤヤゴビアゲ)　その答え『知っとう』(語調平坦)　

この微妙なアクセントの差を　使い分け　聞き分けられたら　アナタは立派な　こべっこである

ちなみにこの『とうよう』は神戸各地で使われているが　京阪神間の言葉ではないかと思う　特に芦屋～神戸市兵庫区あたりまでが其れを指していて(当社比)　長田や須磨など西神戸になると　使ってはいるが　その中に播州言葉(モウ少しオルタネイティヴ)も混在してくる率が高まるのではないかと推測している

本日の練習：WALK　4㎞
本日のうた：クレイジーケンバンド　『Cafe Racer』
コチラは　モノホンの　『東洋一のサウンドマシーン』でございやす