さてこのところ このBlogを賑わしている 映画とわたしシリーズだが
書けば書くほどに思い出が滝のように出てきて なかなか山田洋次に
たどり着けないでいるんだが まぁ ごゆるりとお付き合い願いたい
さて本日は 面白すぎて一氣読みした 再毒シリ~ズ をご紹介
映画とわたしは お休みして アルピニズムとミニマリズムにまみれてほしい
『凍』 沢木耕太郎 著 新潮文庫
まぁ この題名を見てピーンと来た人は 山家さんだね
世界的なアルピニストで 昨年 仏のピオレ・ドール(登山のアカデミー賞)も
受賞した 山野井泰史・妙子夫妻の ドキュメントである
ちなみにボクは 書店で買った時のレシートを しおりに挟む癖があって
そのシオリでは 阿倍野の今はなくユーゴー書店で08年11月5日に購入とある
すでにgoo blog様にお世話になっている頃で 金剛山にサイクルマウンテンし
その日の午後に 喜び勇んでゲトっていたようだ blogって便利だなぁ
ビッグウォールからヒマラヤへ目を向けた夫妻が ギャチュンカン(7952m)の
北壁を アルパイン・スタイルで挑戦するという ノンフィクションである
遠征隊を組んで大量の人力と物資を使って 山を征服する 極地法に対し
必用最低限のミニマムスタイルでソロ もしくは少人数でスピード登山を
する方法を アルパイン・スタイルと 呼ばれている
20世紀に入り次々と未踏峰がなくなる中 無酸素や 冬期 ソロなど
より困難な状況の中 アルパインスタイルでの未踏峰制覇に主眼が移っている
人は高度7000mで何日もいられない 動かずに呼吸をするだけでも体力を使う
そのデスゾーンで山野井夫妻は 悪天候に封じ込まれ5日間も死闘を繰り広げる
これだけでも大変な生還劇だが それだけでは これほどの感動はないだろう
心を動かされるのは 彼ら夫妻が 自由だからであろう 山野井夫妻は自由だ
全てを自分たちで決められるよう生活を 人生を設計している 徹底している
ミニマリズムを極めた物理的な自由 名声からの自由 撤退の自由もあろう
自由とはしたい事を邪魔されずにできる事 と思っている節も多いと思うが
したくない事をしないという自由もあるのだ という事を留めてもらいたい
本書は主人公のアルピニズムにより成り立っているが 其の側面には
ザイルを分かつ夫婦の お互いを思いやり 行動する 夫婦愛がある
極限の中でも互いを尊重し 共に前進し 美しいラインを描いて登る
沢山の手足の指を 凍傷で失いながらも なお前進しようとする夫妻の
ひたむきな姿勢に 感動する一冊である また 数年後 読もう
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