「ぼうしん」という現場用語について

2008-10-31 22:41:31 | 仕事
私が今、電気工事部門のCADオペとして常駐している
工事現場は、プレハブ建物の一室を、空調工事部門の会社の
方々と共有して使っています。

 ★電気設備工事
  所長(たぶん34歳)
  50歳代のおじさま2名
  入社3年目(20歳半ば?)の男子
  CADオペの私(40ン歳☆てへ)

 ★空調設備工事
  所長(たぶん30歳代半ば)
  所員2名(たぶん所長よりちょっと下)

同年代で明るい所長たちを中心に雑談や冗談が飛び交ってて、
和やかな雰囲気なのが新鮮に感じられる。

これまでに通った10数ヶ所の現場は、設備ごとに独立して
場所を構えていたり、もしくは、一緒の部屋にいてもなんとなく
一線を画した雰囲気が漂っていたため。

所長さんの性格によって事務所内の空気が全然違うなぁと
改めて思う。

前置きが長くなったけど。

今日、空調の所長さんが、ウチの所長に聞いてきた。

 空所長「『ぼうしん』って、漢字ではどう書くん?」
 電所長「さあ~・・・知らんわ~」
 空所長「『棒』に『心』かなぁ」
 電所長「俺もそう思うけど、自信ない」

注:「ぼうしん」とは現場特有の俗語。
  職人さんが構成するグループのリーダーを指します。

そこで、思わずでしゃばった私。

「漢字表記はできないと思いますよ~。もともと外来語やから」

所員全員、私に注目。わは、ちょっとドギマギ。

「『ボースン』が語源なので・・・ちょっと待って下さいね」
PCで確かめ、「船の甲板長・水夫長を指す言葉」だと説明。

「へぇ~」と感心する顔・顔・顔。

一人だけ、ニコニコとうなづく斜め向かいのおじさま。
彼もその由来を知ってるようだけど、口下手な彼より私のほうが
うまく説明できたはず。

10年以上前、上司の誰かに聞いた知識が役立った!
ふふふ。若いもんはそんなことも知らんのかのう・・・。
と、内心悦に入ってた私。
よく考えれば、それだけ自分が歳食ってることの証拠だ。

帰宅後Wikiで調べ、ちょっと焦る。
ちゃんと漢字を当ててある。あれ?
その由来は未だに定かではないらしい。あれれ?
このままだと私はみんなに対して嘘をついたことになるぞ?

Wikipedia-棒芯-

さらに、大昔ダンナが買った「建築用語辞典」をひもといてみる。
(昭和47年ころのもの)



「棒心」
 世話焼き。造船工、埠頭人夫から出た言葉。
 現在はあまり使われない。

あらま。
21世紀に入った今でも、この言葉は充分通用してるのに。
と、ちょっと面白く感じる。

由来は私が信じていた「ボースン」とほぼ同じ。

これは現場で長年「口伝え」が続いていて、意味は通じるのに
いざ表記するとなると難しい言葉の横綱格かも。

連休明け、みんなに訂正しなくちゃな・・・。

「やはり『棒心』または『棒芯』という字を充てるみたい。
 「ボースン」が語源というのも定かではないみたいです。」と。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お役に立ててよかったです! (メイ)
2011-12-22 20:01:27
現場用語って、他にもたくさん独特なものがありますよねぇ。
漢字や由来を知らなくても、口頭で伝えればお互いすぐに通じるという・・・。
ちょっとガラの悪い言葉が多いところも、現場用語の特徴だと思うのですがいかがでしょう?(笑)
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なるほど! (zeromax)
2011-12-22 09:23:31
ぼうしん?
以前から気になってました。
現場(倉敷:水島コンビナート界隈)では
いまだかつて、「ぼうしん」を漢字で書ける方に出会った事はありません…
なぜなら?と言う理由がはっきり(笑)しました!
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どういたしまして (メイ)
2010-01-20 08:03:35
参考になったようで嬉しいです。
30年来のナゾが解けてよかったですね。

田宮二郎さんが沖仲士をしていたというのは'73年の「花と龍」という映画ではないですか?
(今調べてみました)
やはり昔から船舶用語として使われているんですねぇ~
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スッキリ (きはどん)
2010-01-19 21:37:20
作業手順書を翻訳しているのですが
でてきました ボーシン!
おかげで30年来のナゾが解けてスッキリ。
ありがとうございました。
うちのカミサンを○○○ボーシンと呼んでいたのですがそれもついでにスッキリ。
そういえば田宮二郎が沖仲士の仕事をしているシーンでボーシンというセリフを聞いた覚えがあります。。やはり船舶用語なんですね!!
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