ウチは便利屋じゃないぞ

2018-01-26 04:23:23 | 仕事
先日、私が仕事をしている公営住宅改修工事の現場のプレハブ事務所に、
すっかり顔なじみになった住民のおばあちゃんが、来ました。

90歳を過ぎていて、独り暮らし。ちょっと痴呆が入っています。
自分が住んでいる棟のまわりに足場を組み、シートをかけた日のこと。
ディサービスから帰って来たら、いつもと様子が変わっているので、
自分の住んでいる部屋がわからなくなって、うろたえているところに、
他の住民さんが声をかけ、警備員のおばさまと一緒に、部屋に連れて行き、
私が迷子札(ネックストラップに名前と住所を書いた紙を入れた)を作り
「これからは、出かけるとき、絶対にこれを首にかけてくださいね」
と、お願いしました。
出かけた先で迷子になる可能性があるからです。

そのあとも、「玄関ドアが開かない」と事務所に来たので、
見に行くと、塗装したばかりのペンキが乾燥するまで閉めないでください、と
いう説明を忘れて、閉めたため、ペンキがくっついてしまっていて。
私が力任せにドアを開けたということもありました。

今回は「玄関の鍵がなくて、中に入れない」とのこと。
またドアのペンキのせいかも、とイケ監と一緒に見に行くと、本当に鍵がかかっていて、
開きません。

「どこにやったんやろ」と、おろおろしながら、手押し車や服のポケットを
探るおばあちゃん。
そのとき、胸元に、私が作った迷子札の赤いストラップが見えて、
ひょとして?と思い、「おばあちゃん、これちょっと見せてね」と、服の中に
隠れている迷子札を引っ張り出すと、案の定、迷子札と一緒に鍵がついていました。

私の勘ってすごい。
というか、それを渡す時に、「玄関の鍵もこれにつけておいたら忘れないでしょ」
と、みんなでアドバイスしたのを思い出しただけなのですが。

やれやれ。しかし、玄関の鍵がないと思ったとき、なんでウチの事務所に来るかなぁ。
「いつも親切にしてくれるから、何とかしてくれる」と思ったのかしら。

ほかにも、住民さんは、「バルコニーの塗装をするので片づけをお願いします」という
チラシを郵便受けに入れたら、「たくさんいらないものがあるので処分してほしい」と
頼んできたり、トイレの配管のペンキを塗り替えるため職人さんがお邪魔したら
「くさいにおいがするので配管ごと取り替えてほしい」と頼まれたり、
なんだか私たち工事会社を便利屋と勘違いしているのではないかと思います。

まぁ、高齢の方が多いので、仕方ないと言えるかもしれませんが。

そのうちに「電球が切れたから取り替えてほしい」なんて言われるのではないかと
思います。(笑)

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