
評価4
再読(前回2019年2月6日)。
梨花、美雪、紗月の女性3人の話が交互に語られて最後に見事に収斂される著者ならではの作品。イヤミス度は3(5段階評価)。
梨花の家には毎年10月になると豪華なお花がKという差出人から届けられる。梨花はKが誰なのかは知らないまま時を過ごして来たのだが、両親を事故で亡くし祖母が病気入院したことでKの秘書を名乗る男と接触することから話が進展。
美雪は子供ができないことに悩みながらも建築設計事務所に勤める夫を支えていた。その夫の設計が賞をとったのだが、その直後に夫が非業の死をとげて事務所側に不審の念を抱くことになる。
紗月は学生時代一人の男性を友人と取り合ったあげくに彼に別れを告げて、今は故郷で絵画教室の講師として働いている。そんな彼女に友人からある伝言が届いた。
読み手としては同時代の話として読んで行くのだが・・・
実は実は、3世代に渡る因縁深い話だったのだ。
美雪(祖母)→紗月(娘)→梨花(孫)
読み終えて初めて「な~るほど」と思えるのだが、もし良かったら読んだ直後にもう一度読み直してみて欲しい!いろいろ伏線が理解できて面白いのではないでしょうか!?
あと、「山ガール」の湊さんならではの山岳描写もふんだんにあるのでそれも楽しい!