評価4
再読(前回2020年10月26日)。
表題作と「六角形の小部屋」の二作品。
「薬指の標本」の小川洋子的キーワードは弟子丸氏の肩書である標本技術士。
そして、その弟子丸氏は標本の意義を次の3つにあると語るのだった。
①封じ込めること
②分離させること
③完結させること→標本的救済
これが小川ワールド、なんでもかんでも標本になる!
きのこ、楽譜によって奏でられる音、ヒヤシンスの球根、知恵の輪、インク壺、かんざし、ミドリ亀の甲羅、靴下どめ
「六角形の小部屋」の小川洋子的キーワードはカタリコベヤ(語り小部屋)。
どちらの作品も小川作品には珍しく官能的場面が出て来る。
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