評価3
再読(前回2019年3月5日)。
版元の講談社からある「お題」が出され、それに応える形で書き出された作品。つまり、最後の一行が決められていて、それに合うように構成された物語。
深瀬和久は学生時代に仲間4人で友人の別荘に遊びに行き、そのうちの一人広沢を山中で車ごと転落する事故で失っていた。下戸の広沢に酒を飲ませたことを隠して警察の事情聴取に応じた3人は、この事実を墓場まで持って行くことを固く約束して日々を過ごしていた。そんな折、3人に「あなたは殺人者だ」という告発文が舞い込んで、そのうちの一人は線路に突き落とされて九死に一生を得る。深瀬が広沢の身辺を洗うと驚愕の人間関係が明らかになってくる。
最後の一行で「なるほど、そういうことね」と納得して途中のモヤモヤ感が晴れたが、そこまでの男同士とも思えないナルシシズム的なやり取りが気持ち悪くてしようがない。
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