評価3
知の巨人・立花隆の4人の碩学(SF作家のアーサーCクラーク、理学博士松井孝典、心理学者河合隼雄、作家司馬遼太郎)との対話集。クラークと松井博士との対談は純粋に宇宙開発に関する話なのでけっこう面白いが、河合と司馬との対談は宗教に関する話ばかりなのでかなり退屈。
クラークとの話に出て来た「宇宙エレベーター」の発想には驚かされた。ネットで検索すると大林組が構想している記事が出て来る。ちょっとこれには注目したい!
1990年代に行われたこの対談では「30年後には日本人宇宙飛行士は30人以上にはなっているだろう」とのことだったが、2023年3月現在で14人とのこと。この理由について私は詳しくないが、軍事や万博やマイナカードに使う膨大なお金があるのなら、地球人の未来へつながる宇宙開発に資金を投入すべきだろうと強く思う。
巻末の1994年の講演記録で、著者は「日本人の手で作り上げた機体で日本人が宇宙へ行く意味」を力説していたのだが、13年後の文庫版あとがきで「日本人による独自の首尾一貫した体系としての有人宇宙技術論」を捨ててしまっていることが面白い。それだけ、世界の宇宙開発の進歩は早いということだろう。
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