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方陣算 中学受験 中学算数

2020-08-20 07:07:12 | 日記

方陣算がおもしろい! 正方形の形に並べた碁石の数を上手に数えてみよう

 
 

「方陣」という言葉をご存知ですか? 算数に登場する方陣として有名なのは「魔方陣」でしょう。魔方陣とは、数字を縦と横に同じ数だけ並べて、横・縦・斜めの和がすべて等しくなるようにした問題をいいます。中学受験算数でも魔方陣を時々見かけます。

しかし、それよりも出題頻度が高いのは「方陣算」です。方陣算は、正方形の形に並べた碁石の数を数える問題です。今回は、この方陣算について解説します。

中実方陣と中空方陣の考え方を理解しよう

方陣算には、碁石が中までぎっしりつまった中実方陣と、中の碁石が取り除かれている中空方陣の2種類があります。

それぞれの方陣算について、どのように考えればいいのでしょうか?

中実方陣のすべての碁石の数は平方数になる

碁石が中までぎっしりつまった中実方陣では、(縦の碁石の数)×(横の碁石の数)=(すべての碁石の数)になります。ここで(縦の碁石の数)=(横の碁石の数)なので、(すべての碁石の数)は1、4、9、16、…という平方数になります。このことをふまえて、次の問題を解いてみましょう。

下の図は、あるきまりに従って碁石を並べたものです。10番目に並んでいる碁石の数は全部で何個ですか。

「あるきまり」がどのようなものかを考えます。1番目に並んでいる碁石は全部で4個です。同じように、2番目は9個、3番目は16個です。このことから、n番目に並んでいる碁石の数は全部で(n+1)×(n+1)で表されることがわかります。したがって、10番目に並んでいる碁石の数は全部で11×11=121(個)です。

すべての碁石の数を数えるだけなら簡単でした。一方、周りに並んでいる碁石の数を数える場合、中空方陣になるので、少しだけ難しくなります。中空方陣については、次で解説します。

中空方陣では4つの角に位置する碁石に注意する

中の碁石が取り除かれている中空方陣では、正方形の4つの角に位置する碁石をどうするかがポイントです。次の2つの考え方があります。

4つの角に位置する碁石の数も数える方法(上図:左)では、5×4=20(個)を求めた後、4つの角に位置する碁石4個を引きます。したがって、20-4=16(個)となります。

一方、4つの角に位置する碁石の数を数えない方法(上図:右)では、初めから角に位置する碁石を外して計算します。したがって、4×4=16(個)です。

どちらの考え方を使っても同じ答えになりますので、好きな方で計算するといいでしょう。

下の図は、あるきまりに従って碁石を並べたものです。一番外側のひとまわりに60個の碁石が並んでいるのは何番目ですか。

4つの角に位置する碁石の数も数える方法で考えます。n番目の正方形の一辺に並んでいる碁石の数を□とすると、n+1=□です。□×4-4=60なので□=16です。したがって、n+1=16となってn=15(番目)が答えです。4つの角に位置する碁石の数を数えない方法でも同じ答えになることも確かめてみてください。

 

黒い碁石と白い碁石を並べる方陣算の問題を解いてみよう

方陣算の中には、黒い碁石と白い碁石を規則的に並べていく問題もあります。次の問題を考えてみましょう。

下の図は、あるきまりに従って碁石を並べたものです。このとき、11番目には、黒い碁石と白い碁石がそれぞれ何個ずつありますか。

白い碁石が1番目、3番目、5番目、…と奇数番目で増えていくので、まずは白い碁石の個数を求めることにします。白い碁石の個数を書き出してみます。

・1番目…3(個)
・3番目…3+7(個)
・5番目…3+7+11(個)
・7番目…3+7+11+15(個)
・9番目…3+7+11+15+19(個)
・11番目…3+7+11+15+19+23(個)

これより、11番目の白い碁石の数は、3+7+11+15+19+23=78(個)です。実際に書き出してみると規則性(一番外側の白い碁石の個数は、4ずつ増える等差数列になっている)がわかって、簡単に個数を求められます。

一方、黒い碁石の個数は、(すべての碁石の個数)-(白い碁石の個数)で求めます。11番目のすべての碁石の個数は12×12=144(個)なので、11番目の白い碁石の個数は144-78=66(個)です。

方陣算では、まずは数字を書き出してみて、そこから規則性を考えましょう。碁石の数が等差数列になっていることが多いので、問題によっては等差数列の公式も使えます。

碁石を三角形や五角形などの形に並べる問題もある

方陣算の類問には、碁石を三角形や五角形などの形に並べる問題もあります。どのような形になっても考え方は同じだということを理解できると

方陣算がさらに楽しくなるでしょう。

 


旅人算 中学受験 令和二年 皇紀2680年

2020-08-20 07:02:20 | 日記
 

旅人算とは――中学受験ではどんな扱い?

旅人算とは、「速さ」の単元の問題の一種で、複数の人がでてきます。さまざまなバリエーションがあるのが特徴で、「駅にむかった母親を、自転車で追いかける」「池の周りを逆向きに走って出会う」といった問題が出題されます。

かなり複雑な問題もあり、特に難関校を受けるお子さんは対策が必須です。旅人算は速さの計算が身についていないと解けないので、あらかじめ、「速さ」「時間」「距離」を自由に使いこなせるようにしておきましょう。

 

旅人算の基本的な解き方

旅人算の基本的なパターンは「向かい合わせで出発する」パターンと、「追いかける」パターンです。それぞれの解き方を解説します。

旅人算の基本パターン1――向かい合わせで出発

■例題1
A町とB町の間は38km離れています。太郎君はA町から時速4kmで歩き始め、花子さんはB町を時速15kmの自転車で出発しました。2人が同時に出発すると、出発してから何時間後に出会うでしょうか。

まずは、状況を図にします。

【図1】

太郎君は1時間に4km、花子さんは1時間に15km進むので、2人合わせて1時間に

4+15=19km

進みます。

2人合わせて38kmの道のりを進めばよいので、かかる時間は

38(km)÷19(km/時)=2時間

となります。

旅人算の基本パターン2――追いかける

■例題2
次郎君は午前7時に、毎分80mで家から学校に向かいました。10分後に、家にいたお父さんが忘れ物に気がつき、毎分120mで走って追いかけました。何時何分に、お父さんは次郎君に追いつくでしょう。

状況を図にします。

【図2】

次郎君が出発してからお父さんが忘れ物に気づくまで、次郎君は

80(m/分)×10(分)=800m

進んでいます。

お父さんと次郎君の速さの差は

120(m/分)-80(m/分)=40(m/分)

です。

800mの距離を、40m/分で近づいていくので、

800(m)÷40(m/分)=20(分)

午前7時10分にお父さんは家を出発しているので、

午前7時10分+20分=午前7時30分

に2人は出会います。

旅人算の問題には、2人が「池の周りを回る」などの形もあります。しかし、何かの周囲を回る問題も、ここで紹介した2パターンが基本です。まずは、「向かい合う」「追いかける」という2つの基本をおさえましょう。

旅人算で子供がつまずきやすいポイントとその対策

旅人算で子供がつまずきやすいポイントは、大きく分けて3つあります。

[1]図が描けない
[2]処理方法がわからない
[3]応用問題に対処できない

それぞれの対策を見ていきましょう。

[1]図が描けない

旅人算を解くうえで、図を描くことは非常にとても重要です。図を描かないと、状況が理解できないからです。

まずは【図1】【図2】の「イメージ」のような絵で、何が起きているのかを想像させましょう。そこから図を描くトレーニングをします。

図の描き方もパターンがあります。繰り返し解いていくうちに、「このパターンは、この図だな」とわかるようになります。

[2]処理方法がわからない

「図は描けているのに、その後の処理がわからない」といった場合、そもそも図の意味が理解できていないことがあります。もう一度、和差算にさかのぼって、図を使った解き方を復習しましょう。

また、旅人算はそもそも速さの計算がスムーズにできないと、図を描いても処理できないことがあります。お子さんが速さの計算でつまずいている場合は、そちらを優先的にフォローしましょう。

[3]応用問題に対処できない

旅人算の応用問題は、はっきり言って難しいです。ここで紹介した基本的な解法では解けず、比を使わなければ解けない問題もあります。しかし、まずはここで紹介した基本的な問題を解けるようにしましょう。応用問題の解法を覚えるのは、次の段階です。

 

旅人算は中学受験算数のなかでもかなりの難関です。速さの計算や、図を使った解き方を身につけることが重要です。基礎的な問題に取り組みながら、少しずつ難度を上げて会得していきましょう。いきなり難しい問題に飛びつかないのが、旅人算マスターのコツです。