中学受験総合~大日本帝国の楽しい家族団結力

中学受験算数~大日本帝国の楽しい家族団結力

日暦算とは

2020-08-19 06:56:46 | 日記

日暦算とは

元号や西暦のカレンダーの算数

日暦算とは、基準となる日の曜日からとある日の曜日を導く問題です。

たとえばこのような問題。

例題
2015年の5月20日は水曜日であるが2018年の3月29日は何曜日か。2016年がうるう年であることに注意して求めよ。

前提知識として『うるう年』や『月ごとの日数』などの最低限の教養が必要になります。

これらを知っていても解き慣れていなければ非常にややこしい問題なので、しっかりポイントを抑えておくのが重要です。

ただ慣れてしまえば問題のバリエーションは少ないので、そこまで怖い問題ではありません。

では日暦算のポイントと解き方について解説していきます。

日暦算を解くためのポイント

曜日は「月・火・水・木・金・土・日」の7個が繰り返されるため、7で割った余りから基準の曜日の何日後かが分かります。

これは「周期算と同様の考え方なので合わせて抑えておくとよいでしょう。

具体的に例を見てみます。


とある日曜日の15日後の曜日は何曜日か?

「15÷7=2あまり1」より、15日後は2週間と1日後となります。

つまり日曜日の1日後の曜日なので答えは月曜日です。

◯日後と曜日の対応を表にまとめると以下の通り。

どんなに数字が大きくなっても7で割ったときのあまりから、基準の曜日からのズレが計算できます。

しかし、日暦算は「◯日後」というのが直接問われることはなく、だいたいが日付が与えられ、それを元に何日後かを導かないといけません。

そのために必要なのが以下の2つの知識です。

日暦算に必要な前提知識

 

  1. 1年間の日数は平年が365日、うるう年が366日。
  2. 平年の1月~12月の日数は「31、28、31、30、31,30,31,31,30,31,30,31」。『に2月・し4月・む6月・く9月・さむらい11月』以外が31日までと覚えるとよい。うるう年は2月29日が追加される。

うるう年は西暦で表した時の4の倍数の年。例外として100の倍数のうち400で割り切れない場合は平年。

例)

1,2000、2004、2008、2012・・・はうるう年

2,2400,2800,3200,・・・はうるう年だが、2100、2200、2300、2500・・・などは平年

うるう年かどうかは問題文で提示されていることが多いですが、一応知っておいたほうがよいです。

ではこれを用いて例題を解いていきましょう。

日暦算の解き方

例題1

ある年の1月1日は月曜日だった。3年後の1月1日は何曜日か。ただし、3年間の間にうるう年が1年だけ含まれるとする。

うるう年だと1年は366日ですが、それ以外は365日です。

なので1年後の同じ日付になるのはうるう年の2月29日を含むなら366日後、含まないなら365日後になります。

「日数」と「◯日後」というのを対応させるのは少し厄介ですが、一週間を考えるとイメージしやすいです。

一週間は7日ですが、一巡して次に同じ曜日になるのは7日後です。

これと同じように1ヶ月後の同じ日にちになるのはその月が30日までなら30日後、31日までなら31日後。

1年後の同じ日にちになるのは、2月29日を含むなら366日後、含まないのなら365日後、となるわけです。

では3年後の1月1日は何日後になるかを考えましょう。

1年だけうるう年があるので、この年は366日、ほかは365日です。つまり、366+365×2=1096(日後)。

「1096÷7=156あまり4」より、1月1日月曜日の156週間と4日後が3年後の1月1日にあたります。

月曜日の4日後の曜日なので金曜日が答え。

ちなみに「365÷7=52あまり1」「366÷7=52あまり2」より、1年後の同じ日付の曜日は2月29日を含まないなら1つ後の曜日、2月29日を含むなら2つ後の曜日になります。

今回はうるう年×1、平年×2なので、合計4つ後の曜日になっていますね。

覚えやすいのでこれをそのまま覚えておいてもよいでしょう。

  • 「平年(365日後)」の1年後:1つ後の曜日
  • 「うるう年(366日後)」の1年後:2つ後の曜日

例題2

ある年の4月27日は土曜日だった。その年の7月21日は何曜日か。

7月21日が4月27日の何日後かを考えます。

まずは各月の日数をおさらいしましょう。

「に・し・む・く・さむらい」の月以外は31日までなので、5月が31日まで、4月と6月は30日までです。

そして各月の最終日まで何日後かを考えると以下の通り。

  • 「4月27日⇒4月30日」は3日後
  • 「4月30日⇒5月31日」は31日後
  • 「5月31日⇒6月30日」は30日後
  • 「6月30日⇒7月21日」は21日後

これらを足すと3+31+30+21=85より、7月21日は4月27日の85日後。

「85÷7=12あまり1」となるので、12週間と1日後というのが分かりました。

つまり土曜日の1日後の曜日なので日曜日が答えです。

ちなみに、「◯日後」の計算の仕方ですが、『4月27日⇒7月27日』は91日後、7月21日はその6日前なので85日後、と考えることもできます。

例題3

2015年の8月19日は水曜日であるが2018年の3月29日は何曜日か。2016年がうるう年であることに注意して求めよ。

2018年3月29日が2015年8月19日の何日後かを考えましょう。

まず年を揃えます。

2015年8月19日の3年後、2018年8月19日は例題1と同じ要領でうるう年を考慮すると、366+365×2=1096(日後)というのが分かります。

つぎに3月29日が8月19日の何日前かを求めましょう。

3月~7月の日数は順番に31日、30日、31日、30日、31日なので「8月19日⇒3月19日」は31+30+31+30+31=153(日前)。3月29日はその10日後なので143日前。

1096日後の143日前は953日後。2018年3月29日は2015年8月19日の953日後ということです。

「953÷7=136あまり1」より136週間と1日後なので水曜日の1日後の木曜日が答え。

 

日暦算は非常にややこしく難解ですが、問題のパターン自体はだいたい決まっているため、慣れてしまえば怖い問題ではありません。

数をこなして問題に

慣れてしまいましょう。

 

 


時計算とは

2020-08-19 06:53:19 | 日記

時計算とは

時計算とは、時計の長針と短針がなす角度や特定の位置関係にある時刻を求める問題です。

たとえばこのような問題。

例題1
4時から5時の間で時計の長針と短針が重なるのは何分か。

それぞれが一定の速さで移動し、長針が短針を追いかけるので、いつき旅人算と同様の問題だというのが分かります。

詳しくはこちら。

 

 

これが少し複雑になったのが以下の問題。

例題2
8時を過ぎてはじめて長針と短針の指す角度が180°になる時間を求めよ。

長針と短針が90°、180°など特定の角度をなす時間を求める問題です。

詳しくは後述しますが、これも長針が短針を追いかけるので、考え方自体は先ほどの問題と全く同じです。

そしてこれをもう少し難しくしたら以下のようになります。

例題3
11時を過ぎてはじめて長針と短針が12と6の目盛りを結んだ線に対して線対称となる時間を求めよ。

長針と短針が線対称の位置関係になる時間が問われます。

 

時計算は一見難易度が高い問題ですが、基本的にはこれら3つのパターンが主で、これ以上複雑な問題はあまり出題されません。大体がこれらを少し応用させた問題になります。

つまり例題で見た3種類のパターンの問題の解き方がマスターできれば特に怖い問題はないということです。

今回はこれらを解くためのポイントや具体的な解き方についてしっかり解説していきます。

時計算を解くためのポイント

時計算を解くためには3つのポイントがあります。

時計算を解くためのポイント

 

  1. 「◯時」の長針と短針のなす角度を抑える
  2. 長針と短針が進む速さを抑える
  3. 問題文をわかりやすく変換する

【ポイント1】「◯時」の長針と短針のなす角度を抑える

時計算では「◯時」を基準として長針が短針を追いかける問題が主なので、まずは「◯時」の際の長針と短針の角度を把握するのが重要です。

時計1周360°を12の目盛りで等分しているので、360÷12=30360÷12=30より、1目盛りあたり30°です。

つまり「◯時」の長針と短針のなす角度を求めるには、◯に入る数字に30をかけるだけです。

  • 1時:1×30=30°
  • 2時:2×30=60°
  • 3時:3×30=90°
  • 11時:3×11=330°

といった感じです。

覚えやすいので丸暗記するのもいいですが、簡単に導出できます。

【ポイント2】長針と短針が1分ごとに進む角度抑える

長針が短針を追いかける問題なので、それぞれの速さが重要になります。

ただしそれぞれの速さは問題文では与えられないので、時計の仕組みを理解して自分で導出する必要があるのです。

それぞれの「1時間で進む角度」から「1分で進む角度」は導けます。

1時間で長針は1周するので360°、短針は次の目盛りに移動するので30°。1分だとその160160なのでそれぞれ6°、0.5°です。

表にまとめると以下の通り。

  60分で進む角度 1分で進む角度
長針 360°
短針 30° 0.5°

さらに、長針と短針は同じ方向に進むので、「1分で長針は短針に5.5°近づく」ということも抑えておきましょう。

時計算は通常の旅人算の距離を角度に置き換えるのがややこしいですが、速さは一定なので慣れてしまえば普通の旅人算の問題よりも楽になります。

【ポイント3】問題文をわかりやすく変換する

ここまでのポイントで時計算を解くための材料は揃いました。あとは問題で問われていることをしっかり把握すれば解けるはずです。

ただ、時計算は問われいてること自体がやや難解なので、情報を一つ一つ整理して分かりやすい状況に置き換えるのが大事です。

たとえば「1時を過ぎてはじめて長針と短針が重なる時間は何時か?」という問題を考えてみましょう。

1時は短針が長針より30°先の位置を指しており、その角度は1分で5.5°狭まります。そして長針と短針が重なるのは、角度が0°になるときです。

 

「1時を過ぎてはじめて長針と短針が重なる時間は何時か?」
⇒「30°の角度が1分で5.5°減っていく時、何分で0°になるか?」

このように問題を置き換えることができます。

時計算は一見難しく感じるものでも、ここまで変換できればあとは単純な割り算の問題です。

文章だけではわかりにくいので、実際に時計の絵を書くのも重要ですね。

では実際に時計算の問題を解いていきましょう。

時計算の解き方

例題1(重なる時間)

例題1
4時から5時の間で長針と短針が重なるのは何分か。

上で挙げたポイントを抑えると以下の通り。

  1. 4時の長針と短針の針の角度は120°(=4×30)
  2. 1分で長針は6°、短針は0.5°時計回りに進む
  3. 「120°の角度が1分で5.5°減っていく時、何分で0°になるか?」

120÷5.5=21911120÷5.5=21911

4時00分から考えて、2191121911分後に針が重なるということなので、答えは2191121911分です。

分数の処理が少し厄介ですが、このパターンの問題は大体分母が11になります。問題を解いているうちに自然となれると思いますが、「5.5で割る場合分母が11になる」ということを意識すると楽です。

例題2(特定の角度になる時間)

例題2
8時を過ぎてはじめて長針と短針の指す角度が180°になる時間を求めよ。

上で挙げたポイントを抑えると以下の通り。

  1. 8時の長針と短針の針の角度は240°(=8×30)
  2. 1分で長針は6°、短針は0.5°時計回りに進む
  3. 「240°の角度が1分で5.5°減っていく時、何分で180°になるか?」

(240−180)÷5.5=101011(240−180)÷5.5=101011

問われているのは時間なので、答えは88時101011101011分です。

例題3(線対称になる時間)

例題3
11時を過ぎてはじめて長針と短針が12と6の目盛りを結んだ線に対して線対称となる時間を求めよ。

このままではこれまでの問題と同じように解くことはできないので、少し難しく感じる問題です。

ただし、ひとつ工夫するだけで一気に問題が単純になります。

その工夫とは、『短針の線対称の針を書く』だけです。

この針は短針と同じ速さで線対称の動きをします。つまり、反時計回りに1分で0.5°動くということです。

そしてこの針が長針と重なる時、長針と短針が線対称になります。

これまでの問題は長針が短針を追いかけていたのに対し、この問題では長針と短針(の線対称の針)はお互いに向かい合って進みます。

そのため、1分で6.5°近づきます。

ではポイントを抑えると以下の通り。

  1. 1時の長針と短針の針の角度は30°(=1×30)
  2. 1分で長針は6°時計回り、短針は0.5°反時計回りに進む
  3. 「30°の角度が1分で6.5°減っていく時、何分で0°になるか?」

30÷6.5=481330÷6.5=4813

問われているのは時間なので、答えは1111時48134813分です。

このパターンの問題は大体分母が13になります。問題を解いているうちに自然となれると思いますが、「6.5で割る場合分母が13になる」ということを意識すると楽です。

 

 


3つのベン図

2020-08-18 07:41:02 | 日記

3つのベン図でも慌てない! ダブルカウントの理解であっさり解ける

 

中学入試でもよく出題される集合の問題。ベン図を使って解くのが一般的です。

なぜ3つになるとわからなくなるのか

2つのベン図だと理解できるのに、3つになると途端にわからなくなってしまう。理由はどこにあるのでしょうか? 息子とベン図の問題に取り組む中でわかってきた理由はシンプルでした。

3つになると頭のなかで想像できなくなる

2つのベン図の表は2×2の簡単な形式で書くことができますよね。書けといわれれば多くの小学生が書くことができるのではないでしょうか。では3つのベン図はどうでしょう? 途端に書けなくなる小学生が多いのではないでしょうか? それもそのはずです。

3つのベン図の表をまともに書こうとすると、もはや2次元の表では表現できず、2×2×2の3次元の表 になります。当然、頭のなかで想像することも難しくなるでしょう。

3つのベン図になると途端にわからなくなるのは、頭のなかで想像できる範囲を超えていることに起因します。

結果としてテクニックが必要

頭のなかで想像できる範囲なら自力で何とか解法を見つけ出すこともあるでしょうし、なんとなく答えにたどり着けることもあるでしょう。ところが想像すらできない問題は、解き方を知らなければ解けません。つまりテクニックを知っているか知らないかで得点できるかが決まります。

3つのベン図になると途端に問題が解けなくなってしまう子供は、2つのベン図の問題をなんとか解けてしまったが故に、3つのベン図のテクニックを知らないまま先に進んでしまっている可能性があります。私の息子は、まさにこの状態でした。

 

ダブルカウントを理解すればあっさり解ける

実はベン図の問題はダブルカウントというテクニックを知ってしまえば意外とあっさり解くことができます。しかも2つのベン図でも3つのベン図でも使える共通したテクニックです。

ダブルカウントとは何か

ダブルカウントとは、2つのベン図が重なった部分のことです。問題を見ながら、ダブルカウントの概要をお伝えしたいと思います。

ベン図を書くと次のようになります。そして2つのベン図が重なった赤い部分がダブルカウントの部分です。

ダブルカウントした部分を後から引き算するという考え方が大切

クラス全体の人数はどのように求めればよいでしょうか? ベン図に出てくる領域を全て足してあげればクラス全体の人数が計算できます。さっそく全ての領域の人数を足してみましょう。

子供もすぐに気づくかと思いますが、この式は間違っていますね。

ダブルカウントの部分の人数を2回足してしまっています。電車を使う生徒として1回、バスを使う生徒として1回、合計2回です。

ですので、2回足してしまった部分は忘れずに引き算をしてあげましょう。これでクラス全体の人数がわかりますね

ポイントは、2回足してしまった部分、つまりダブルカウントの部分を引き算するという考え方です。実は2つのベン図の場合は、このような考え方をしなくてもベン図を眺めながら何となく解けてしまいます。それでも足してからダブルカウント分を引くという考え方を覚えましょう!

3つのベン図の場合はトリプルカウントを駆使

3つのベン図の場合は、2つのベン図が重なっているダブルカウントの領域に加え、3つのベン図が重なっているトリプルカウントの領域もあります。どのように扱えばよいでしょうか? とてもシンプルです。2回足してしまったら1回分を引き、3回足してしまったら2回分引けば良いのです。

3つのベン図の実践問題で試してみる

ベン図が3つともなると問題文にヒントとなる人数がワンサカ出てきます。2つのベン図は領域が全部で4つなのに対し、3つのベン図は領域が8つにもなるので当然ですね。落ち着いて問題文を読み解いていきましょう。

問題をよく読みそれぞれの領域に数を埋める

最初の作業は、慌てずに問題文をよく読み、ひとつずつヒントで与えられた数字をベン図に書き入れていく作業です。落ち着いて埋めましょう!

わからない領域は空欄の四角を置いておきましょう。またアンケートには最低1つを選ぶよう指示があるので、どれも選ばない生徒は0人ですね。

式を立てるときに、ダブルカウントとトリプルカウントの引き算を意識

それでは式を立ててみましょう。和食を選んだ人、洋食を選んだ人、中華を選んだ人を全て足してしまうと、ダブルカウントとトリプルカウントが発生しますね。ダブルカウントとトリプルカウントはベン図では以下の領域になります。

式を立てる時には、ダブルカウントした部分とトリプルカウントした部分を忘れずに引き算します。

あとは計算をすれば答えが見えてくる

和食と中華の2つを選んだ生徒が2人であることが分かりますね。そうすれば、ベン図の各領域が次々と埋まってきます。問題文で求められているのは、中華だけを選んだ生徒の人数ですから、答えは10人となります。

まとめ

3つのベン図になると途端にわからなく理由。それは2つのベン図が何となくできてしまうが故に、ベン図のダブルカウントやトリプルカウントのテクニックを知らない為である可能性があります。実際の問題を通してこのテクニックを知ればあっさり解けてしまいますので、落ち着いて練習することをおすすめします!


「キセル算」のココロ 導入編

2020-08-17 07:09:14 | 日記

「キセル算」のココロ 導入編

 

5年生以上のみなさんなら「キセル算」について学習したことがあるかもしれません。

 
「キセル算」という名前には聞き覚えがなくても、下のような問題だよと言われれば「あ、見たことがある!」という人も多いのではないでしょうか。

 

0528_kuwata_1

 

「ああ、これは、知ってるよ!とりあえず…」

 

0528_kuwata_2

 

「こんな風に途中の数字を全部消してしまう!あとは、分母の最初と最後の数字を見ると2と7が残っているので、1:2-1:7と引き算にして計算すればいいんだよねー」

 

なんて、計算のやり方だけを覚えている人が結構いるようです。

 

たしかに結論はこれで合っているですが、そもそもなぜ引き算にするのでしょうか?なぜ、途中の数字を消してしまってよいのでしょうか?

 

このあたりの計算のしくみがきちんと分からないままでは、少しひねられただけで間違えてしまいます。
 

「私はしっかり分かってる!」という人は大丈夫。でも、「やり方は覚えているけど、これで正しく計算できる理由までは…」という人は、この機会にきちんと理解しておきましょう。

 

途中を消して筆算にできる理由とは?

 

そもそも、この式に現れる1:23などの部分は、
 

0528_kuwata_5

 

のように、変形できます。確かに、計算してみると上の2つの式の値は、1:61:12で、確かに両辺が等しいですね。
そこで、もとの式全体は、

 

0528_kuwata_3

 
と変形できることになります。確認してみてくださいね。

 

さて、こうなると1:3から1:6
までの分数は、-と+をともなって2回ずつ現れていますから…
 

0528_kuwata_4

 
こんどはこのように堂々と(?)消すことができ、たしかに1:2-1:7=5:14と計算できることが分かりました。

 
以上で見てきたように、「キセル算」の計算をするならば、1:23=1:2-1:3のように分数の差に変形できることは少なくとも理解しておかなければなりません。

 

ところで、両辺を計算してみれば確かに1:23=1:2-1:3になっていることは分かりますが、なぜこのように変形できてしまうのか、ちょっと不思議に思う人もいるでしょう。そんな人には算数のセンスがあるかもしれません。

 

実は、図形的に考えてみるとこの変形の意味や仕組みがとらえやすくなります。

 

そして、やり方だけを覚えている多くの人が間違えてしまう、
 

0528_kuwata_4

 

のように少し形を変えられた問題も、本当に仕組みが分かっていれば大丈夫。

 


ユークリッドの互除法

2020-08-17 07:03:57 | 日記

ユークリッドの互除法を知らないあなたも、まずは実際にどんな解き方をするのか見てみましょう。
実際に3355と2379の最大公約数を求めてみます。

このように
小さい数で大きい数を割る
あまりで割る数を割る
さらにあまりで割る数を割る…
と割り切れるまで続けます。そして最後の割る数が最大公約数となるのです。

ユークリッドの「互除法」とは「割り切れるまであまりで互いに割り(除法)続ける」という意味なんですね。

ユークリッドの互除法の証明

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どうしてユークリッドの互除法で最大公約数が求まるのでしょうか
直感的に理解するのはなかなか難しい計算方法なので、正確に証明してみます。

ユークリッドの互除法を証明する前に、

ということを証明します。

ということがわかりました。
今証明したのは、
割られる数と割る数の最大公約数と割る数とあまりの最大公約数は一致する」
ということです。
言い換えると
「ユークリッドの互除法の操作を何回行っても、割られる数と割る数は一致する」
ということになります。
割り切れたときには、割る数が最大公約数なのは自明です。
よって、「割り切れるまでユークリッドの互除法を続けたときの最後の割る数が最大公約数である」ということが言えるのです。