夏といえば怪談話。
ただ、これからお話しするのは実話です。
先日、「しとしとと雨が降る夜」の出来事をご紹介しましたが、その場所から山中に友達と入った時の不可思議なお話になります。
但し、例の老婆に遭遇する以前の話しであり、私がまだ小学生の3年生頃のお話です。
その頃は、友達とよく山中に探検と称して出かけました。
ただ、その日を境に私たちはその場所に入ることを止めましたが・・・。
先ず、山中に入って遭遇したのは、猫くらいはあろうかと思うような大きなカエルでした。
今、考えるとこれが私たちに対する警告だったのかもしれません。
このカエルに石を投げたり、木で突っついてみたりと、いたずらをしたのです。
殺しはしませんでしたが、その大きさが物珍しく、妖怪や怪獣と戦っているという、小学生のよくやるような勇気比べだったのです。
その後更に奥に進みました。
今までに見たこともないような谷に出たのを覚えています。
そこは、木の実が沢山あり、私たちはそれをお腹一杯になるまで食べ続けました。
そして、誰かがいったのです。
「ここは俺たちの秘密の場所にしようぜ」と・・・。
誰も反対する理由はありませんでした。
日も落ちかけ、そろそろ家に帰らなければ親に叱られるので、みんなで来た道を戻ることにしました。
途中、一人の男性と出会いました。
何も言わず、すれ違って行きました。
結構歩いたとき、異変に気づきました。
元の場所に戻れなくなっているのです。
山中の一本道で、来たところを戻っているだけのはずなのです。
私たちの顔は青ざめ、泣き出す友達もいました。
森の中も更に薄暗くなっており、太陽の方向がわからず、更に緊迫した状態になりました。
明日まで、ここにいるべきだという意見。
暗くても真直ぐ進めば道に出るだろうとする意見。
色々と意見が出ました。
私は何かの空間に取り残されたと感じていました。
そして、気になったのは、すれ違った一人の男性のことでした。
私たちは歩くのを止め、途方に暮れていました。
すると、一人の男性が私たちの目の前に現れ、森に入っては駄目だと警告しました。
私たちがその時に理解したのは、ここが彼の管理する森で、無断で入った私たちに注意しているということでした。
素直に全員で誤り、もう、ここには来ないことを告げました。
そうすると、彼は手をあげ、指を1つの方向に示し、「この方向を真直ぐにすすめば道に出る」と言いました。
私たちに選択肢はありませんでした。
向かっていた方向とは別の方角でしたが、ただひたすら暗い道を皆で手をつないで歩きました。
そうすると街灯が遥か先に確認ができたのです。
もう、助かったという気持ちでいっぱいでした。
そして、私たちは戻れたということで安心しました。
しかし、間もなく沈黙したのです。
少しの間、みんな同じことを考えたはずです。
そして、誰かが勇気を振り絞って言いました。
ねね・・。
「俺たちが入った森はここじゃないよな」と。
みんな、頭を縦にうなずいただけです。
そうすることしか出来なかったのは、街を挟んで真逆の森から私たちがワープしたように出てきたからです。
このことは、私たちは黙っているようにしました。
みんなと別れた後、私は更に恐怖に脅えました。
あの男性、どこかで見たような気がしたのですが、なぜか顔が思い出せないのです。
服は上下明るい土色のような感じで、つばのある帽子を被っていたことだけは思い出せるのですが、それ以上は思い出せないのです。
ただ、何回か他の山で出会っていたような記憶だけがありました。
妖怪、森の精霊、何かの神様、ただの人間なのか、私には理解できませんでした。
ただ、救われたという理解が正しいと思うことにしました。
今考えると、普通は即死または大怪我をするような出来事でも、私は悪くて軽度の骨折で、他は、かすり傷程度の無傷に近い状態の出来事がありました。
体を鍛えたということもありますが、それだけでは説明できない「何か」がクッションのようになっている気がします。
そして、私自身、何かに生かされているという感覚をその都度、確信するようになりました。
ただ、私は宗教には無関心ですから、守られる順番は最下位なんでしょうけど、運が良いのは気のせいではないようです。
お盆真っ只中なので、とりあえず、ご先祖様と、「何か」が守ってくれているのであれば、そのことに対して心から感謝しています。
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