すみませんとは言えない

涼風は、お化けの類に弱いんです。

だから、お化け屋敷には絶対にいかねー。

しかし…、その日は油断してたんだ！

仕事を終え、車のドアを開けて、靴を軽く撫でる程度に磨いてたんだ。

ドアのステップに片足を置いて…。

気持ちはルンルンだったね。

少し気になったのは、ドアを開ける前、隣の隣に駐車してた車のドライバーが、こちらを見ているような気がしたものの、気のせいだとおもったんだよね。

その後、何もなかったから。

靴を磨き終え、さて、帰りますかと…上体を起こしたとき!

ん？

ん！！

何かいる!!!




恐る恐ると右を見てしまった私。

うわぁぁぁぁぁぁ!

怖えよ！！！！！

喰われる!

でも良く見たら、何処ぞの偉い女性社長様!

叫んだことを後悔しながらも、何食わぬ態度で、誰もいないと思って…すみませんと言ってしまった!

おいおい、誰もいないはセーフ、すみませんは相手側の言葉だと思ったのですが、時既に遅し。

アウトだな…。

まぁ、その後、私にお願いしたい事があって待ってたらしく、叫んでしまった一件で断れなくなった…。

この人、まさか、これが作戦なのか…。

なわけ無いか…。

でも、何かのモンスター以上に接近した顔が怖かったんですけど。

良い人なんですけどね。

しかし、チビリだってバレたな。

でも、普通に怖かったな…。