ヴァランシエンヌからTGVでパリに戻ってきたのは、夕方だった。
ビュットショーモン公園前のミッシェルさんの家に戻ったが、今夜も約束が待っていた。
ミッシェルさんの家の近くに住む、食いしん坊のクリスチャン(もちろん本人には内緒のニックネーム)と、奥さんのジョエル。
そのジョエルの紹介で来日したセリーヌと、そのセリーヌが二度目の来日時にはおじさんとともにやってきたがそのおじさんのジョゼフ、この四人と夕食することになっていた。
ジョエルとセリーヌは同じアクセサリーのアトリエで働いていたので、ジョエルに紹介してもらって初来日したセリーヌ。
ジョセフはスペイン人で、フランスに若いころからいわば出稼ぎのようにやってきて、定年までパリ郊外に住んでいて、日本にずっと憧れていたらしい。
しかし彼はもちろんスペイン語とフランス語は話せるが、英語も日本語も話せない。ならば姪のセリーヌを頼り、来日の夢を実現するしかないというわけだった。
このジョゼフは、とても感じのいい人で、パリで会いたかった人の一人だった。
待ち合わせのアトリエの近くのクリスチャンの家について、クリスチャン夫妻と再会を喜んでいたら、ジョゼフがやってきた。
しばらく待っていたのだが、一向にセリーヌが現れない。(セリーヌは、パリ郊外に住んでいる)
結局予約の時間もあったらしく、先にレストランへ行こうということになった。
このレストランはフランスでは、ブラッスリーと呼ばれるところで、伝統的な料理を注文することにした。
遅れること1時間、やっとセリーヌがやってきた。もちろん遅刻したことを謝っていた。
それでも日本の話題で四人は楽しい思い出を話しだし、夕食もおいしく、短い時間だったが、私は楽しい時間を過ごせた。
帰り際も近くになり、夜道が心配だなと思っていたら、「送っていくよ」とクリスチャン。結局にぎやかに四人に送ってもらうことになった。
偶然なのだが、ミッシェルさんのアパートの隣に住んでいたことがあるクリスチャン夫妻なので、そんなことも思い出話をしながら、歩いているとあっという間にミッシェルさんの家に着いた。
********
ジョゼフの近況
昨年夏、セリーヌから連絡があり、ジョゼフと交えて三人でSNSで話をする機会があった。ジョゼフも退職し、今はバルセロナに近いところに住んでおり、セリーヌもまたその近くのフランスの海辺にセカンドハウスを買ったとのことで、空いているときは、どうぞとのことだったので、幻の三ヵ月滞在の候補になっていて、ジョゼフにも再会できる機会だったので、本当に残念。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます