乳母ゆりが。

乳母ゆりが好きな人がいる。山の茂みで陽もあたらず、薫りもなく華やかさもなく。知ってる人は少ない。咲いている場所知っていて見にいくのが密かな楽しみ。そんな人が友人なので、私も一緒に楽しんできた。昨日昼前車をゆっくり走らせ咲いているのを確かめた。狭い山道なので車から降りるのが面倒だった。大きな蛇がいること聞いていたので。
コーヒーを飲みながら報告した。夕方電話があり、草刈りをされてないと言う。すぐに行ってみた。車の側にその人はいた。歩いて見ると気がつかなかったが確かに草刈りされていた。少し歩くと、ある。ある。何本も咲いている。有るじゃないのと私が言うとその人はあのね、といいながら刈られた乳母ゆりを集めて地面に突き刺して咲いているのを再現したのだと言う。そして御主人を呼んで写真に写したと。
私は御主人の優しさに感動した。そしてお腹抱えて笑った！悲しそうに枯れた乳母ゆりを集める友人にも。
探してみると無事な乳母ゆりもまだ少しあり。小さな花束が出来た。嬉しそうに抱えて帰った。我が家の意地悪仲悪夫には絶対出来ないし頼みもしない。帰って顔をみたらよけいに腹が立った！