癌。

昨夜久しぶりに電話したら癌が大きくなっていて近いうちに検査入院をすると言う。電話しようと思っていた所だと言う。私はなにげに言う。「先生にみんなおまかせすると
いつも言っていたんだから
そうすれば」。彼女も平静に「そうよね。私がじたばたしてもしょうがないよね」
私はどんな言葉をかけたら良いのか判らなかった。
彼女が平静だったので私も平静を装う。50年近く付き合って何もかも彼女に話せば落ち着いた。彼女も私に何時も心うちあけ。会うことはめったに無く。それでも一番の友人だった。抗がん剤で髪が無くなった時も明るくカツラを被って見せてくれた。手術の後も私より元気だった。今日は久しぶりに会いに行こう。何気に！

私の推理。

昔本の虫だった。隣が貸本屋だった。あの頃図書館もあったと思うが貸本屋は繁盛していた。貸本屋は娯楽本がほとんど。シャーロックホームズ。怪人20面相。横溝正史。毎日凄いスピードで読んだ。一冊5円ぐらいだったろうか。なので将来は探偵に成りたかった。子供心に本気だった。
それで私の推理。庭園は入場料がいったので池にはかなり高価な鯉もいたと思われる。バブルの最後ぐらいかな。廃園となり管理するひとも無く高価な鯉は死ぬ。ただの大きな水溜まりとなり水も減る。
空から鳥に狙われる。そして原種に近い鯉だけが生き残りわずかに痩せ細りながら生きている。パンくずに反応しないのは水面に近づくと鳥にやられるからだ。
昔推理小説を読みあさった私はそう推理した。勝手に納得。

取り残された庭園の池で。

時々散歩する里山。10年ぐらい前に廃園となった。四季折々の木々が生い茂る１画にある日本庭園。昔にぎわったそこは今私達が訪れるのみ！広い日本庭園の大きな池は赤い欄干も錆び付き！雑草が生い茂る。水の入れ替えも無いまま10年ぐらい経過。先日散歩していると確かに大きな水音がして確かに魚が跳ねた！雑草をかき分けで近づいたら魚がいる。痩せた魚が何匹か泳いでいるではないか。
えー。とびっくりした。
今日パンを持って雑草をかき分け何しろ大きな蛇もいるので恐る恐る池にたどり着きパンを投げ入れる。飢えた魚がすぐさま寄ってくると想像した我々の期待は:裏切られ魚は近づいてこない。
そもそも人から餌を貰った事のない魚は浮いたものをつつかなかった！
今までどうして繁殖して生きてきたのか。生き物ってすごいね。溜まり水だよ。
これからも頑張ってね。私達これからも見守っているよ。

その歳にならなわからん事

母がよく言っていた。その歳にならなわからん事。身体中が痛い！兎に角痛い！
看護師のヒヨコのボケ姫ちゃんが言うには老人男性は腰痛女性は肩こり。有訴率だ。
友人から貼りクスリをもらいまくる。自分で整形へ行くのはイヤなのだ。見栄っ張り。
毎朝階段を下りるたびに痛い！痛い！と叫びつつ下りる。階下にいる仲悪夫は耳が遠いので聴こえない。
まるで何処かのテレビに出てる雄叫びおかんだ。
老化は良い事もある。なーにも欲しいものがないのでお金がかからない。食べたいものも無く着たい服も無く行きたい所も無く。
毎日気ままに過ごす！
仲悪夫が耳が遠いので腹がたつ時は何処かの国のように罵詈雑言を聞こえない程度に言う。本当食えないババアに完成間近。