「あ、」
椅子を引いて腰を下ろそうとした,郁の動きが止まった。
視線を感じ,隣の席についていた手塚が顔を上げる。
「なんだよ?」
郁はなんとも言えぬ角度に口を吊り上げて,
「・・・・・・なんでもなーい」
と手塚の隣りに座った。
怪訝そうに,というか,奇妙なものを遠巻きに眺めるように手塚は郁を窺いながら,
「変なやつ。何だよにやにやして」
「なんでもないってば」
郁はデスクに書類を広げ,仕事に取りかかるふりをしつつ,
手塚ってば案外と迂闊。
と鬼の首取ったような気分になっていた。
いつの間にか柴崎と同じシャンプーのにおいさせちゃってェ。
この色男め。
篤さんに教えちゃおうかな。
でも教えてもきっと困った顔するだけなんだろうなあと,手塚が
「ほんとにお前大丈夫かよ?」と心配するほど,
その日はにやにやがずうっと頬に張り付いて収まらなかった。
(2008.8.25)
※ 郁は同室だったからシャンプーの銘柄まで押さえてあるんですよ手塚くん。
どこで髪を洗ったのかはご想像にお任せします。
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へっ!色男め!
倉庫へのコメント、ありがとうございました。
思わずにやにやしちゃいました~~~(* ̄m ̄)ウシシシ...
新年明けましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。
今年もお付き合いくださると取っても嬉しいです。よろしくおねがいしますv
自分は結婚後のイメージで読ませていただきましたが……
どっちにしろ手塚は色男ですね!←開き直り
今年度は二年生と言うことで、なかなかここに来ることも出来なくなってしまうかもしれませんが
応援している気持ちは消えません
これからも頑張ってください
中学二年になられたのですね。おめでとうございます。修学旅行とか(ん?3年か?)たくさんの行事があって楽しみな年ですね。
コチラは気にせず、リアルな学校生活を愉しんでくださいね。本分ですから。ふと思い出したときに足を向けてくれると嬉しいです。