みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1335「しずく182~もぬけの殻」

2022-12-07 17:32:55 | ブログ連載~しずく

 みんなは手分(てわ)けをすることにした。川相初音(かわいはつね)と琴音(ことね)で市内の様子(ようす)を確認(かくにん)。柊(ひいらぎ)あずみは神崎(かんざき)つくねと神崎の研究所(けんきゅうしょ)を探(さぐ)りに行く。そして、千鶴(ちづる)は引き続きしずくの居場所(いばしょ)を見つけること。そして、アキと水木涼(みずきりょう)はここで待機(たいき)する。涼は、すぐに不満(ふまん)をもらした。
「何でよ。私にも、何かさせてよ。ここで待ってるだけなんて…」
 あずみが諭(さと)すように言った。「あなたは飛(と)べないでしょ。危険(きけん)なめにあったとき、誰(だれ)もあなたを助(たす)けには行けないのよ。もし、あたしたちに何かあったとき、あなただけが頼(たよ)りなんだから。お願(ねが)いよ、私の指示(しじ)に従(したが)って」
 涼はしぶしぶ肯(うなず)いた。四人はすぐに行動(こうどう)に移(うつ)した。千鶴はみんなを見送ると、
「さぁ、私たちも頑張(がんば)りましょう。自分(じぶん)のできることをしなくちゃね」
 ――あずみとつくねは研究所の前に来ていた。おかしなことに人の出入りがまったく無い。二人は研究所の中に入ってみることにした。入口の扉(とびら)は開いていた。扉を開けた正面(しょうめん)には受付(うけつけ)があるが、誰も座(すわ)っていなかった。それに、建物(たてもの)の中には人の気配(けはい)がないようだ。今朝の騒動(そうどう)で誰も来られないのか…。だとしても、一人もいないなんて――。
 二人は分かれて探ってみた。実験室(じっけんしつ)や所長室(しょちょうしつ)、他(ほか)のどの部屋(へや)ももぬけの殻(から)だ。
 あずみが言った。「やっぱり、黒岩(くろいわ)とつながってたんだわ。ここを引き払って、他の場所(ばしょ)に移ったとしか考えられない。ここはもういいわ、初音たちと合流(ごうりゅう)しましょ」
<つぶやき>神崎たちはどこへ消(き)えたのでしょう。そして、しずくを見つけられるのか?
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