この夏、人によっては「夏休み」の長さが違ってたと思います。
社会人でもです。
その中でも一番大きく違っていたのは、
児童・生徒・学生さんではないでしょうか?
うちも、そう。
大学生は、主にonlineだったりしましたし、
高校生も、かなり短い夏休みになりました。
でもね、
休みが明けた時の悩みは期間に左右されず、存在してたんです。
ある休みの日。
もうすぐ日が暮れるって時に、子どものLINEに連絡がありました。
来週から二学期が始まる高校に通う子に関してです。
「今から出かける」
当然聞き返します。
「なんで? どこに?」
「家に行く、中学の時の友達んとこ」
今? もう夜だけど。
暗い顔をした娘は理由を教えてくれた。
「何着てったらええんかな?」
「黒い服? 制服でもええかな?」
「いいやろ? 黒い服とかないし、制服で」
そう言ってると、迎えに来てくれる子から連絡があり、
「制服で行くって」
慌てて着替えて、迎えに来てくれた子と一緒に目的の子の家に。
高校に入学したばかり、
コロナの件もあって、当該の子は6月に入ってから登校し始めたところだった、はず。
なのに、2週間の夏休みが半分済んだこの時に?
「遅くなりそうなら、連絡して」
「あと、落ち着いて」
そう言って、迎えに来てくれた子と娘を送り出した。
中学の時に仲の良かったお友達のお別れ会。
娘とは違う高校へ進学した子の元へ。
夜9時ごろ帰宅。
「明日夜、お通夜やって」
30人以上来てた。と教えてくれた。
娘の態度が明らかにおかしい。
でも、普通に振る舞おうとしてるのに気がついて、
こちらも、息子も、普通に接するようにした。
でも、特に兄である息子には当たりが強い。
それでも、娘はそれに気がついていない。
いや、気がついていても、きっと自分ではどうすることも出来ずにいるんじゃないか。
そう思えた。
いつもなら寝てる時間でも、全く寝る気配はない。
できるだけ自由にさせよう、
そうは思っても、次の日、起きてきたのはお昼頃。
夜遅かったし、仕方ない。
元々食が細い娘、それでも、パン一枚くらいは食べてくれてたのに、
「もういい」
そう言われても、
「もう少し食べられへん? スープは、もうちょっと飲んで?」
「ほしくない」
結局、娘はいつもの半分も食べなくなった。
これは、アカンな。
その日から、しばらくは娘の好きなものばかりを食卓に並べたが、
それでも、いつもよりも食べる量は圧倒的に少なくなった。
お通夜には友達と待ち合わせをして向かったが、
「いっぱい来てたよ。中には高校の先生も来たたらしい。
でもな、高校の同級生とかはあんまり居らんかった。夏休みやし、しゃあないか。
でも、中学に時にいじめてた子が来てて、なんで来れるんって思ったわ。
親の前に顔出せるって、どんな神経なんやろ!」
珍しく、言葉が荒い。
悔しそうな顔、言葉。
そして、残念そうな表情。
お通夜でもらったお菓子の詰め合わせを見せて、
「お通夜って、こんなんくれるんや。あっ、なんか入ってる」
取り出したのは、喪主による挨拶文、
故人を偲ぶ言葉の数々。
読んでいたたまれなくなった。
私自身はそこまで深く知る子ではなかったけど、全く知らないわけでもなくて、
涙が止まらなかった。
まだ15歳。やっと高校に行き始めたばかり。
早いやろ。
小学生の弟もいて、ご両親とディズニーランドに行く約束もしてたのに。
なんで?
なんで、じさつ?
お通夜に親しい友だちがたくさん集まってくれるような子が?
泣いてくれるお友達がたくさんいたのに。
「連絡してればよかった」
そう言ってた人ばかりだったとか。
お葬式は家族のみで執り行われるとのことで、出席はしない。
亡くなる前日に遊んだ子が、朝から事情聴取されたって。
「前の日に遊んだ時、なにか変わりはなかったかって聴かれた」
と、そう言われて、その子は自分を責めていたと。
「気がつかんかった」
「次も遊ぼうって言うたのに」
そう言って、悔しがっていたと。
娘も、「ゲーム、onlineで遊んだのに。唯一のonlineゲームの友達やったのに」
もっと連絡取ってたら。と。
どんな言葉も遅いとわかっていて、でも、そう思わずにいられない。
娘も悪くない。もちろん遊んだ友達も悪くない。
誰も悪くない。
理由は分からない。
ご両親によれば、
スマホの暗証番号がわからず、ロックを解除できないため中を見られず、
何かあったとしても、確認ができないとか、
せめて、見られたら、なにか分かったかもしれないのに、とのことだった。
でも、娘はその後しばらくいつもとは違ってた。
ご飯の食べる量も、自分の学校が始まってやっと少しずつ増えてきた。
表情も言葉も、なんとなく普通になった。
でも、夜眠れない時期がかなり続いた。
寝付けない。途中で目が覚める。
こんな状況を抜け出すのは、周りがどうこう言っても始まらない、
だから、好きにさせた。
眠れないなら付き合って、
一緒に遊んだり、お菓子作りをしたり、
一人にさせないようにした。
必ず誰かがいるように。
つい最近、やっとあの子らしさが戻ってきた。
勉強に費やすようになって、なんとか足元が見えたらしい。
時々立ち止まることもある、時々前を向けない時もある。
でも、一緒にいてやろう。
この夏、じさつという最期を迎える話がTVを賑わせた。
その度にチャンネルを変える or TVそのものを消す。
隠しても仕方がない。けど、まだ早い。
娘とその子との関係性を考えれば、まだ早い。
そういう話題で、娘の表情はなくなるから、
明らかに機嫌が悪くなるから、
まだ、早い。そう思う。
本当は、高校一年生で同級生のお通夜なんて、経験せんでいいことやねんで。
そう思う私は、冷たいんかな?
息子は中学一年の時、同級生を交通事故で亡くしてる。
一緒のグループだった子だ。
息子もお通夜もお葬式を経験してるけど、
意味合いが違うと思う。
きっと。
あの時、息子は少し感情の起伏が激しく、それなりに大変だったけど。
娘の感情のはけ口が息子で、
息子は大変そうだったけど、
それでも、気持ちを理解してくれているらしく、
「いくらでも、付き合うわ」
そう言ってくれて、とても力強かった。
兄弟って、こういう時とても心強いなあ。
お兄ちゃんありがとう。
未だにタブー。多分、当分タブー。
いいよね、そういう言葉使わなくて。
感情の波はある、
当該以外の友達の誕生日が来る度に、
「16歳やって」
どこか寂しそうな顔をする。
彼女の誕生日は三学期。
乗り切ってほしいなあ。
社会人でもです。
その中でも一番大きく違っていたのは、
児童・生徒・学生さんではないでしょうか?
うちも、そう。
大学生は、主にonlineだったりしましたし、
高校生も、かなり短い夏休みになりました。
でもね、
休みが明けた時の悩みは期間に左右されず、存在してたんです。
ある休みの日。
もうすぐ日が暮れるって時に、子どものLINEに連絡がありました。
来週から二学期が始まる高校に通う子に関してです。
「今から出かける」
当然聞き返します。
「なんで? どこに?」
「家に行く、中学の時の友達んとこ」
今? もう夜だけど。
暗い顔をした娘は理由を教えてくれた。
「何着てったらええんかな?」
「黒い服? 制服でもええかな?」
「いいやろ? 黒い服とかないし、制服で」
そう言ってると、迎えに来てくれる子から連絡があり、
「制服で行くって」
慌てて着替えて、迎えに来てくれた子と一緒に目的の子の家に。
高校に入学したばかり、
コロナの件もあって、当該の子は6月に入ってから登校し始めたところだった、はず。
なのに、2週間の夏休みが半分済んだこの時に?
「遅くなりそうなら、連絡して」
「あと、落ち着いて」
そう言って、迎えに来てくれた子と娘を送り出した。
中学の時に仲の良かったお友達のお別れ会。
娘とは違う高校へ進学した子の元へ。
夜9時ごろ帰宅。
「明日夜、お通夜やって」
30人以上来てた。と教えてくれた。
娘の態度が明らかにおかしい。
でも、普通に振る舞おうとしてるのに気がついて、
こちらも、息子も、普通に接するようにした。
でも、特に兄である息子には当たりが強い。
それでも、娘はそれに気がついていない。
いや、気がついていても、きっと自分ではどうすることも出来ずにいるんじゃないか。
そう思えた。
いつもなら寝てる時間でも、全く寝る気配はない。
できるだけ自由にさせよう、
そうは思っても、次の日、起きてきたのはお昼頃。
夜遅かったし、仕方ない。
元々食が細い娘、それでも、パン一枚くらいは食べてくれてたのに、
「もういい」
そう言われても、
「もう少し食べられへん? スープは、もうちょっと飲んで?」
「ほしくない」
結局、娘はいつもの半分も食べなくなった。
これは、アカンな。
その日から、しばらくは娘の好きなものばかりを食卓に並べたが、
それでも、いつもよりも食べる量は圧倒的に少なくなった。
お通夜には友達と待ち合わせをして向かったが、
「いっぱい来てたよ。中には高校の先生も来たたらしい。
でもな、高校の同級生とかはあんまり居らんかった。夏休みやし、しゃあないか。
でも、中学に時にいじめてた子が来てて、なんで来れるんって思ったわ。
親の前に顔出せるって、どんな神経なんやろ!」
珍しく、言葉が荒い。
悔しそうな顔、言葉。
そして、残念そうな表情。
お通夜でもらったお菓子の詰め合わせを見せて、
「お通夜って、こんなんくれるんや。あっ、なんか入ってる」
取り出したのは、喪主による挨拶文、
故人を偲ぶ言葉の数々。
読んでいたたまれなくなった。
私自身はそこまで深く知る子ではなかったけど、全く知らないわけでもなくて、
涙が止まらなかった。
まだ15歳。やっと高校に行き始めたばかり。
早いやろ。
小学生の弟もいて、ご両親とディズニーランドに行く約束もしてたのに。
なんで?
なんで、じさつ?
お通夜に親しい友だちがたくさん集まってくれるような子が?
泣いてくれるお友達がたくさんいたのに。
「連絡してればよかった」
そう言ってた人ばかりだったとか。
お葬式は家族のみで執り行われるとのことで、出席はしない。
亡くなる前日に遊んだ子が、朝から事情聴取されたって。
「前の日に遊んだ時、なにか変わりはなかったかって聴かれた」
と、そう言われて、その子は自分を責めていたと。
「気がつかんかった」
「次も遊ぼうって言うたのに」
そう言って、悔しがっていたと。
娘も、「ゲーム、onlineで遊んだのに。唯一のonlineゲームの友達やったのに」
もっと連絡取ってたら。と。
どんな言葉も遅いとわかっていて、でも、そう思わずにいられない。
娘も悪くない。もちろん遊んだ友達も悪くない。
誰も悪くない。
理由は分からない。
ご両親によれば、
スマホの暗証番号がわからず、ロックを解除できないため中を見られず、
何かあったとしても、確認ができないとか、
せめて、見られたら、なにか分かったかもしれないのに、とのことだった。
でも、娘はその後しばらくいつもとは違ってた。
ご飯の食べる量も、自分の学校が始まってやっと少しずつ増えてきた。
表情も言葉も、なんとなく普通になった。
でも、夜眠れない時期がかなり続いた。
寝付けない。途中で目が覚める。
こんな状況を抜け出すのは、周りがどうこう言っても始まらない、
だから、好きにさせた。
眠れないなら付き合って、
一緒に遊んだり、お菓子作りをしたり、
一人にさせないようにした。
必ず誰かがいるように。
つい最近、やっとあの子らしさが戻ってきた。
勉強に費やすようになって、なんとか足元が見えたらしい。
時々立ち止まることもある、時々前を向けない時もある。
でも、一緒にいてやろう。
この夏、じさつという最期を迎える話がTVを賑わせた。
その度にチャンネルを変える or TVそのものを消す。
隠しても仕方がない。けど、まだ早い。
娘とその子との関係性を考えれば、まだ早い。
そういう話題で、娘の表情はなくなるから、
明らかに機嫌が悪くなるから、
まだ、早い。そう思う。
本当は、高校一年生で同級生のお通夜なんて、経験せんでいいことやねんで。
そう思う私は、冷たいんかな?
息子は中学一年の時、同級生を交通事故で亡くしてる。
一緒のグループだった子だ。
息子もお通夜もお葬式を経験してるけど、
意味合いが違うと思う。
きっと。
あの時、息子は少し感情の起伏が激しく、それなりに大変だったけど。
娘の感情のはけ口が息子で、
息子は大変そうだったけど、
それでも、気持ちを理解してくれているらしく、
「いくらでも、付き合うわ」
そう言ってくれて、とても力強かった。
兄弟って、こういう時とても心強いなあ。
お兄ちゃんありがとう。
未だにタブー。多分、当分タブー。
いいよね、そういう言葉使わなくて。
感情の波はある、
当該以外の友達の誕生日が来る度に、
「16歳やって」
どこか寂しそうな顔をする。
彼女の誕生日は三学期。
乗り切ってほしいなあ。