先日、夜のニュースで林業の再生についての特集を見ました。
建築士は、建材として木を利用する立場から林業・森林保全に関心の高い人が多いのです。
現在、少しずつ林業に携わる方が増えている、という数字を見て安心したような気持ちになったり、やっぱり大手さんじゃないと何かするのは難しいのかと複雑な気持ちになったりでした。
日本は国土の70%弱が森林で、そのうちの40%が育成林(木の畑)です。
森林の面積はこの40年間増減がなく、蓄積は2.3倍(育成林では5倍)に増えているそうです。
殆どの育成林は、第二次大戦直後に植えられ、すでに収穫期を迎えています。
(種類にもよりますが育成林に植えられている杉などは40年程で収穫期になるそうです。)
しかしその大半は、輸入木材が安くなってから手入れ(間伐)されなくなりました。
輸入木材には当時から関税が掛かっていないため、林業を続けるのは困難だったのだと思います。
手入れ(間伐)されない森林は、密集してしまいあまり良い木は育っていないようです。
これは、一本一本の木が細くなり商品価値が下がるだけでなく、そういった木は根も弱い為、土砂災害が起こりやすくなるという点で、環境保全の面からも問題です。
しかし、最近は技術が向上して、細い間伐材や育成林の木でも集成材として立派に販売できますから、問題とされている熱帯地方の自然林からの輸入分(10~20%と言われています)だけでも、収穫期の育成林を利用しながら、なんとか林業を再生できないものかと思っています。
ちなみに、杉などは30年生から花粉の量が増え、呼吸量は低下(Cc2の吸収が殆どない状態)になるそうです。