ロードバイクに随分乗っていない。
いや、市内の近場なら、ちょくちょく乗ってはいるが、まとまった距離を長い事漕いでいない。
確か2ヶ月ほど、間が開いている筈だ。
そうは言っても、何しろこの暑さだ。
ただでさえ、暑さにからっきしの私だ。
この炎天下に乗るのは、躊躇わざるを得ない。
幸い今日は、曇りの朝を迎えた。
こんな日ぐらい、ちょっくら、行ってくるか。
3号線を北へ進む。
途中、鳥栖の古巣の会社前の交差点で、出勤前の元部下に出会う。
「あれ、社長。どこに行かれてるんですか?」
「どこって聞かれてもな。ま、どっかに着くやろ。お前、さっさと行かんと青になったぞ。遅刻するぞ。」
そうなのだ。
この時点でも、まだどこに行くか決めていないのだ。
鳥栖プレミアムアウトレット辺りまでくると、嘘のように空は晴れわたり、強烈な日差しが容赦なく降り注ぐ。
真夏の太陽に、ナメクジ並みの抵抗力しかない私は、このまま溶けてしまうに違いない。
日陰が欲しい。
そうだ、山裾に廻ろう。
迂回して、山裾を行くも、、、
ウゲエ~~~
登り坂ばっかりじゃん。
当たり前だ。
なんてったって、山なんだから。
もういかん。
休憩。
ゼハー、ゼハー。
これはこれで、相当しんどいぞ。
だが、
登りがあれば、下りがあるのは理の当然。
ヒャッホー
「人生、下り坂最高!」は火野正平の言葉だが、今の私の生活と考え合わせても、けだし名言と言うべきである。
山を下った先に、こんな看板が見えた。
馴染みのハム工房ではないか。
あ、そうだ。
ハム買って帰ろっと。
これで漸く、ロードの目的が出来た。
今頃かよ!
と、先に自分にツッコんでおく。
えーとね。
ボンレスハムとボローニャソーセージとそっちのヤツと、こっちもね。
目的地が後付けで決まったところで、帰路につく。
この後、家に帰り着くまで、強烈な日差しに晒されっぱなしである事は、言うまでもない。
私の場合、
自転車の記事では、文面に「股間」の文字が躍るのが常である。
よく考えたら、娘だってたまにはこのブログを見る事があるだろうし、姪っ子も読んでいるらしい。
こんな単語、なるべく封印しておきたいのは山々なのだ。
しかし、今の私にとって、自転車漕ぎの最大の壁であるのも間違いない。
言わば、股間の痛みからの脱却が、現在のメインテーマなのだ。
そこに持ってきて、2ヶ月もバイクに乗るのをサボっている。
当然と言えば当然だが、暑さでヘロヘロの上に、どうにもこうにも痛くなってきた。
古巣通過。
いてえー!
何てこった。
片道たった15km程の往復なのに。
2ヶ月のブランクで、あの脆い股間に逆戻りである。
これでは、鋼鉄の股間を目指すどころか、脆く壊れる硝子の股間ではないか。
フッ
俺を呼ぶなら、硝子のジョニーと呼んでくれ。
と、
自転車漕ぎながら、アイジョージの古い歌を歌って、現実逃避を試みるも、事態が改善する訳も無く、
さりとて、このまま漕ぎ続けて、家に帰りつかないと、この痛みからは解放されないし。
ヒ~~~
サドルに座布団を敷いて乗る事を、真剣に考える私であった。