ウメの様子については、毎日娘達に、ラインで知らせている。
それでも気がかりなのか、福岡の娘がふいに帰ってきた。
何しろ、エンジンルームに潜んでいたウメを救出した、当の本人である。
心配で堪らないのも無理はない。
「ウメちん・・・」
「フニャニャー」
「ね、元気やろが。」
「うん。」
「せっかくやけん、明日どっか遊びに行こうか。」
思いの外、普段と変わりない様子に安心したのだろう。
家内の問いかけに、娘はウメを撫でながら、
「いいよ。」
「そうとなれば・・・どこ行く?」
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それは、熊本城である。
城彩苑側から入場。
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現在熊本城は、天守閣の復旧が完了。
内部が一般公開されている。
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未申櫓
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工事完了した石垣は、鉄のフェンスで全体が囲われている。
少々味気ないが、あの甚大な被害を考えれば、これも致し方なかろう
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ここから、有料エリアとなる。
残暑厳しき折、受付に置かれた団扇を手に取り入場だ。
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空中回廊。
場内はどこもかしこも復旧工事真っ只中。
工事に支障をきたさないよう、観光客を移動させるには、この方法がベストだ。
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数寄屋丸二階御広間
石垣は崩れ落ち、無残にも歪んでしまった建屋。
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一時的に養生された石垣。
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本丸御殿
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闇がり通路を抜けると、
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天守閣広場である。
この日、修学旅行の生徒でごった返していた。
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復旧なった大天守と小天守。
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では、中に入ってみよう。
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油圧ダンパ-(右)と摩擦ダンパー(左)。
熊本城は、古風な城の皮を被ってはいるものの、最新耐震設備で出来た近代ビルなのだ。
言ってみれば、サイボーグ城である。
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と思えば、昔ながらの石階段が残っていたりする。
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天守閣内部。
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西南戦争で消失する前の熊本城の写真。
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最上階まで登ってきた。
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殿様になった気分で、城下町を一望する。
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二の丸方向に目をやれば、重要文化財の宇土櫓が眼下に。
その向こうの戌亥櫓は、現在解体中のようである。
傍らに立つ係員に、
「宇土櫓の解体は、いつ頃になりますか?」
「来月から、解体の為の準備が始まります。」
「あー、ついに始まりますか。」
熊本城復旧工事の最大の難関、宇土櫓にいよいよ取りかかるとの事。
まさに正念場である。
工事の安全と成功を心から祈願したい。
と、
思いを馳せながら、建物の外に出れば、
暑い!
何て暑さだ。
クールダウンしないと。
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城彩苑に戻り、店に飛び込む私達。
シャリシャリ
く――