劇団未来ブログ

劇団未来や団員の あれこれ を発信

花巻観光にて

2006年09月11日 23時56分07秒 | 稽古日誌
劇団員のMさん(54才)が岩手県北上駅から花巻駅へ移動中行方不明になった。


9月11日(月)は無事公演も終わり、せっかくここまで来たのだから観光しようという事になり、休暇の取れる人間がまだ岩手に残った。
今春公演した「イーハトーボの劇列車」は宮沢賢治の物語である。せっかくだから彼の生まれた地である花巻を散策する事にした。

当初若手中心4人で適当に周るつもりだったが、せっかくだから周れる人は一緒にと、73歳の古株Nさんを筆頭にMさん(54)含めてKさん(61)も一緒に7人で周ることになったのだ。


渦中のMさん(54)は、某大手企業の部長さんでここ数年忙しくて劇団活動には参加していない。しかし、事あるごとに応援に駆けつけてきてくれては大道具作りをはじめ舞台転換要員となって活躍される。
とても、まじめでやさしい気のいいオジサンなのだ。

その彼が、荷物だけを残して姿を消したのだ。
結論から言うと、車内のトイレに行っていただけである。

しかし、先ほどまで居た彼の姿が見えない。
発車までに缶コーヒーでも買いに降りたのだと思っていた。
ところが、姿が見えないまま電車は発車し、Mさん(54)は戻ってこない。

思い込みと言うのは恐ろしいもので、それから20分ほど我々は大騒ぎである。
荷物を置いたまま乗り遅れてしまった。電車は1時間に1本しかない。花巻まで2駅といえどここの2駅は長いのである。

とりあえず携帯に電話をかけようと試みたのであるが、あまり連絡をとることの無い彼の電話番号を全員知らない。
そこで、まだ別チームの旅館に残っている劇団員に連絡をとり電話番号を聞く事にした。別のものは先に大阪に帰った劇団員にも連絡をとっている。

しかし、すぐに応えることの出来ない彼らに折返し連絡を待つ。
想像力のたくましい我々は、最悪の事態も考える。
”今日は観光できないかもしれない”
そんな悲しい話があるものか!!

だが、荷物をほったらかしていくわけにもいかず、必死の思いで連絡をとった。Mさん(54)の自宅の番号まで調べ始めた。

その矢先、彼は先頭車両からすっきりした面持ちで戻ってこられたのである。

狐につままれたという感覚を初めて体験できた瞬間であった。
Mさん(54)は、ただすっきりしただけなのだ。
Mさん(54)の携帯電話が分かったという連絡がはいったのもそのときである。

別に我々は悪い事をしたわけでもないのになんだか罰が悪い。本人目の前にして、別の人から電話番号を教えてもらう意味も分からない。当然電話の向こうも必死である。

「何を騒いでんねん」という彼の問いに長い沈黙。

長い話のうえ、双方に説明はできた。

結局、花巻観光は無事に終え、その後若手4人はご老体組みと分かれて小岩井農場へと足をのばした。

その頃やっと大阪からMさん(54)の電話番号がわかったという一報。「もうええねん」の一言で片付いてしまった。
大阪でも必死で探してくれたのに、ごめんね。


楽しい、後の観光でした。
はぁ~っあ、スッキリッ スッキリッ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿