へこんだ

この前の稽古はちっとも進まなかった。
セリフがスッポリ抜けてテンションが底。
役割がどっかへ行ってしまっていた。
共演者の貴重な時間を、無駄にしてしまった。

トホホな気持ちで、劇団にあった　民芸さんの演劇理論の本を、
ワラをもすがる思いで眺めた。

大変理論的で、読んでいて普通に面白い。
しかし、時間がないので、ポイントしか読まない。

何やら、「情景を写真のようにハッキリ浮かべろ」
というような事を書いている。

……うっ、やってないし、出来ていない。
　　これは絵でも描かねばなるまい、と思う。これでは時間が足りん。

そして、イントネーションのところで、歌のことに触れていた。
……よし、歌か。歌うように読んでみよう。

そうして、真夜中に歌を歌いながら、セリフを言ってみた。
ミュージカルのようだ。

「何やら間違ったことをしている」
「解釈を完全に間違っている」

薄々気づいたが、楽しいので、結構やっていた。
おかげで、やや風邪気味になった。

「言霊」的なことはわかるんだけど、
どうも伝えようとするエナジーが貧弱な気がする。

まだしばらく、あがいてみようと思う。