音の方向を見ると、もう数十年山と畑の際に立っている栗の木に、キツツキがいた。
我が家の畑には2本の栗の木がある。どちらも大きな木だが、手入れをしていないので、虫(テッポウムシ)が入ってしまい、一度は折れている木だ。それでも次々と新しい枝を伸ばし、毎年たくさんの恵みを与えてくれている。
虫が入った所は、瘤のようになっている。キツツキは、その瘤の近くを「コココココ」とつついては、丁寧についばんで虫を食べ、また場所を変えて木をつつき、虫をついばんでいた。
10メートルと離れていない場所だったので、一緒に作業していた妻に、「そっと見てごらん」というと、妻は栗の木肌の縦縞に紛れたキツツキをなかなか見つけられず、それでもキツツキを刺激しないように探っていた。
やっと見つけた妻が「あ!いた!」と小さな声を上げた時、キツツキは木の上の方に位置を変え、さらに木をつついて虫をついばんでから、山へと飛び去った。
「頭が赤かったら貴重なキツツキなんやけどなぁ」などど言いながら、妻と笑い合った。
ここ数年、痩せてきた山にも、まだまだ素敵な自然があることを知った。
山は自然の財産である。そして人間の財産である。
守らなければならない命が、そこにある。それは、人間を守ってくれる環境でもある。
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