毎日が遺言

老人の死

 夕方、自治会の連絡があって、90代半ばのおじいさんが亡くなったとのことだった。
 40戸に満たない田舎の小さな我が自治会は高齢者が多い。お葬式には各戸から一人の手伝いが出る。その手伝いも、定年後の男性か40代以降の主婦である。
 我が自治会の老人は総じて元気である。長生きである。
 私の曾祖母は満101歳で亡くなった。祖父は92歳、祖母は満100歳で亡くなっている。父親の世代は70代後半で皆亡くなっているが、だいたい平均寿命を過ぎている。
 ここ数年、我が自治会では、毎年のように人が亡くなっている。
 私の親の世代と、その親の世代が、よく似た時期に亡くなっているのだ。

 我が自治会では、秋祭りに提灯台(山車)を運行していたが、田舎の例にもれず、提灯台に乗る子どもが激減している。
 そのせいで、10年ほど前から、毎年運行していた提灯台が隔年運行になった。
 そこへ、毎年のように自治会でお葬式があり、神事に属する提灯台は運行されない年が続いた。
 今年もまた運行は取りやめになるだろう。
 来年度、自治会の小学生以下の子どもは3人になる。いわゆる旧村の子どもは一人もいなくなり、日頃は付き合いのない、アパートの新住民の子どもだけになる。残念ながら、彼らは旧来の行事には出てきてくれない。

 ますます、私のふるさとは寂れてゆく。
 息子の世代が私の世代に代わるころ、我が自治会は存在しているだろうか?

コメント一覧

みらパパ
http://yaplog.jp/mirapapa/
tani先生、いつもご訪問いただき、感謝しております。
俳句会、いいですねぇ♪
いつかは参加してみたいと思っています。
我が自治会でも、牛歩のごとくですが、旧来の慣習の弊害を改善しようとしてきています。
ただ、なんだか素っ気なくなってしまいすぎるようにも思えるんですよね。
ちなみに、我が自治会は、周囲の自治会が家での葬式をやめて葬祭場に移っているのに反して、家での葬式が続いています。私の母親も「葬式は家で」と望んでいますし、私もそうしたいと思っています。
でも自分の時は葬祭場でいいと思っています。
tani
http://blog.goo.ne.jp/goo05594/
いつもCM.ありがたく。
今から町の俳句会。村の自治会の高齢化は当方もご多分に漏れませんが、わが俳句会も以下同文です。
病気見舞い、葬祭の付き合い会員同士一切廃止と決めました。
帰ってきてから、また落ち着いて書き直します。
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