思わぬ訃報

　昼間、職場に妻からメールが入った。急な訃報だった。
　同じ自治会内のお宅の、３４歳の男性。いや、幼いころから知っているので、男性というより「あの子」という感覚だ。腕白坊主だがよく勉強のできる彼については、中学校のころまでは知っているのだが、その後はどうしているかよく知らなかった。ただ、家にいることだけはわかっていた。
　そんな彼だが、現在は職がなかったとかで、この連休の間「東北にボランティアに行く」と言って、出かけて行ったらしい。４日前まで、遠野市で腐ったサンマを処理するボランティアをしていたらしいが、その日に「元気にしている。今日までの予定だったがもう少しいようと思う」というメールを送ってきたのが最後だったようだ。一昨日の夜、「倒れた」との連絡を受けて家族が急行したが、家族の到着後、ほどなく亡くなったということだった。今夜、お通夜があり、参列をしてきたのだが、詳しい話を聞くことはできなかった。葬儀も家族のみで行うらしく、「お世話になった自治会の人たちには見送ってやってほしい」と、自治会だけの通夜が行われたのだ。
　死因は分からないが、あまりの若さでの急死で、しかも、誰かの役に立とうとしているさなかでの死。とても残念だ。
　自らの生活に汲々としながら生きながらえている我が身を振り返って、与えられた命を、もっと周囲のために使うことを考えないといけないなぁ、と思う。